gooブログはじめました!生物学研究者の視点から日常のもろもろを考察する。

動物と植物の生物写真を下に、ヒトとの関わりなどを環境、歴史、分類、遺伝学などの観点から、自分なりの考えを記してゆきたい。

ひとつばたご(なんじゃもんじゃ)分布域の不思議

2020-05-11 16:22:21 | 生物地理

「ひとつばたご」の分布は対馬、犬山市、東濃(恵那、中津川など)に限られ不可思議である。犬山市のものは天然記念物(写真のもの)に指定されている。最近になって江戸時代中期に対馬藩から苗木藩(中津川)にお輿入れがあった話を聞いた。人為的分布の可能性大と思われる。DNAで詳しく調べたいものだ。目下ひとつばたごは満開です。

アラビアンオリックスとベイッサオリックス

2016-08-20 08:27:18 | 生物地理

アラビア半島にはアフリカ大陸と共通する動物が数多く存在することは、先回記した。オリックスもその一つで種を異にして生息している。右側2枚の写真はエチオピアに生息するベイッサオリックス(Oryx beisa) その左の白い個体がアラビアのオリックス(Oryx lecoryx)である。アラビアオリックスは1980年代に自然群は殆ど絶滅したが、オマーンに残った数匹と各地に飼われたいた個体を導入して増殖する試みが開始され、世界遺産に登録されたが、2000年代に入り、その場所が石油掘削場所となり、世界遺産はとりけされた。その後1980年代後半にサウジアラビのタイーフ(メッカの近郊)にNWCD(国立自然保護センター)がアラビアオリックスの保護増殖を手掛け、センターで繁殖した個体を成獣にして、遥か1000km南東のルブハリー砂漠の西端の地に、飛行機と自動車で運び、放獣を繰り返している。テレメターが装着されていて個体群管理されている。ここはもともとオリックスの生息地だったところで、非常に乾燥しているところだが、80%は生き残っているそうだ。アラビアオリックスは80km先の水場を探す能力があるそうだ。そほかの写真は飛行機で途中まで運び残り100kmほどは自動車で運ぶ、放獣されるまでは気性のあらい個体の角には鞘がかぶせられている。オリックスの防御武器は細い尖った角である。センターでは何人も人がけがをしているそうだ。今のところ、順調に自然での頭数は増加しているそうだ。