2年前のブログ「世界で一番暑い国ジブチ」を載せた。今防衛大臣がここにある自衛隊の海賊対処部隊訪問している。何もないところだが生物地理学上重要な地区である。ここのすぐ北にはバブエルマンデブ海峡(紅海の入り口)があり、氷河期にはアラビア半島と陸橋が出来ていて多くの動物がここを渡りアラビア半島へ、さらにユーラシア大陸へ移動した。人類もそのひとつである。マントヒヒもアフリカ大陸とアラビア半島両方に生息している。つい10年前まではチーターがアラビア半島にも生息していたし、現在でもイランにはチターが生息している。写真は空からのジブチの町、ジブチ湾(現在はタジェラ湾と一番奥がクベ湖)とアッサル湖(世界一塩分濃度が高い。死海よりも)、アラビア海から見たバブエルマンデブ海峡(島とアフリカ大陸との距離は25km)エチオピアからイエーメンに調査に行くときに撮影。
前回の3地域の毛色の違いを図に示した。南高原(Arsi)のは亜種名senexとしてあるが、仮の名称で、まだ亜種か種か定かではない。semien gelada(gelada)とDebra Libanos gelada(obscurus)とは明らかに毛色が異なる。
地図に示したようにTakazzeとBlue Nileの分水嶺はタナ湖の東に長く横たわる台地である。1980年代始めに中国の援助で、この台地を縦断する車道がつくられた。Wereta-Welidia道路で最近では舗装されているようだ。この台地とTakazze河が北高原に生息するゲラダの2亜種(geladaとobscurus)の境界である。