札幌に新しい電車が投入されるようです。
(JR北海道のプレス)
投入されるのはなんと733系の「エアポート」。3000番台を名乗り、本年度は6両編成5本が製造される予定です。
733系はステンレス車体の札幌都市圏ではポピュラーな電車です。3両編成を組み、オールロングシート。同じ車体構造の731系や、クロスシートでデッキ付きの721系とともに普通列車で活躍しています。現在は19編成57両(B-101~B-119)がいます。
現在「エアポート」に投入されている721系は1988年登場。初期車は既に製造から25年が経過しています。「エアポート」は2003年の編成組み換えで新造された4000番台がメインですが、1992年に登場した100・200番台を改造した3100・3200番台もおり、こちらは20年選手になっています。そろそろ置き換えのタイミングになってもおかしくありません。
「エアポート」はよく使うので新車自体はうれしいことなのですが、問題はその中身。なんと、733系3000番台は普通車がロングシートになります。
721系は「エアポート」以外の車両も含めて転換クロスシート。3か所あるドアにはデッキがあり、室内は扉で区切られています(一部はセミクロスシートでデッキなし)。3両の普通列車で721系にあたったときはラッキーです。デッキ付近には1人掛けの座席もあるため、快適な鈍行旅を楽しめます。もっとも、デッキがある構造からラッシュ時には嫌われますが……
さて、本題の733系「エアポート」に戻ります。733系でデッキを廃止するのはわかりますが、どうしてロングシートにしてしまったのでしょうか。間合い運用で普通列車に入るとはいえ、メインの「エアポート」の利用者は重い荷物を持った空港利用者。札幌~新千歳空港の40分間のロングシートはつらいものがあります。同じ「エアポート」なのに、転換クロスシートの721系や特急直通の785系/789系と差が開いてしまいます。同じ区間にはバスが頻発しているので、置き換えが進むと着席できるバスに客が移る可能性も否定できません。JR北海道一のドル箱路線といわれる千歳線が減れば、ただでさえ経営危機のJR北海道は大変なことになります。そのあたり考えているのでしょうか。
ともあれ、新車は来るのは確実なので、ここからはいくつかの視点で今後の予想をしてみましょう。
1.ほかの733系は?
昨年の北海道新聞(2013年11月28日)に、JR北海道の新車製造予定が発表されました。2016年度までに製造する車両として、キハ261系28両、733系60両が内定しています。
キハ261系キハ183系の置き換え用なのは明白でしたが、733系は不透明でした。置き換え対象は赤い電車こと711系で決定ですが、私は当初今まで通りの3両編成で製造されると思っていました。というのは、711系は2扉クロスシートの3両編成で、深川~旭川などの閑散区間でも走っているので、置き換えてもロングシートの733系ではなくクロスシートの721系が入ると思われたからです。地方運用がメインとなった721系の穴を埋めるように733系が投入されると考えていました。いわゆる玉突き転配です。
しかし、実際には「エアポート」の6両固定編成が入ります。北海道の財政事情を考えると、さらに3両編成を製造するとは考えにくいです。
711系廃車の方針は変わっていないので、朝夕でよく見られる3両+3両の列車を6両固定編成で代替する可能性があります。そうすると普通車がロングシートになる理由もわかります。uシートがあっても、残りの5両で十分に輸送できるからです。
2.721系の事情
先ほども言ったように、733系の最終的な置き換え目標は711系なのですが、直接置き換えるのは721系になります。誤算だったのは3両編成ではなく、6両編成が置き換えになることです。
721系の番号は多彩で、多くが改造を受けているため一筋縄では説明できません。詳細はそのうちどこかで紹介するでしょうが、5本置き換えとなると、次の編成が置き換えになりそうです。
・F-3101+F-3201
・F-3102+F-3202
・F-3103+F-3203
・F-3123+F-3222
・F-1009+F-5001
721系は3両が基本のため、6両固定編成であっても3両ずつに編成番号が割り振られています。
上の3本は元100・200番台。それまで3両編成だけだった721系で、初めて6両固定編成で製造された車両です。新千歳側3両が100番台、札幌川3両が200番台でした。この割り振りはその後の4000番台・5000番台でも変わりません。2002年の速度引き上げで130㎞/hに対応した(それまでは120㎞/h)ときに+3000となりました。
3両編成におけるクモハ721(Mc)に相当する中間電動車(M)・モハ720が新たに作られましたが、続く1000番台からは1M方式に変わったため、モハ720はたった3両(それも100番台のみ)しか生まれませんでした。2013年に更新改造(1M化)を受けて、すべてサハ721になってしまいましたが。
参考) 3両(0番台) :Mc-M'-Tc
3両(1000番台以降[更新車含む]):Tc-M'-Tc
6両(100・200番台) :Mc-M'-T-M-M'-Tc
6両(1000番台以降[更新車含む]):Tc-M'-T-T-M'-Tc
Mc=クモハ721 M=モハ720 M'=モハ721(1000番台以降機能的にはM'ではなくM) T=サハ721 Tc=クハ721
F-3123+F-3222は特異な経歴の持ち主。3両編成だったF-22に、中間車を追加製造して誕生しました。上の3本と同じ構成で、更新改造されるまではF-3023+F-3022でした。番号の割り振り上、F-3023にはクハ721-3022が含まれるという謎な編成でした。
最後のF-1009+F-5001は721系きっての異端児です。
まず、F-1009は1994年に登場。その後VVVFの試験に使用されて素子をGTOからIGBTに交換。さらに「エアポート」にuシートをつけるためにクハ721-1009にuシートが設置されました。現存する最後の1000番台編成です。
なぜF-1009以外の1000番台がいないかというと、3両編成×9本がいた1000番台は「エアポート」6両固定化のために、中間車を新製して4000・5000番台に改造されたからです。4000番台は1000番台の電動車をそのまま利用。5000番台では新規に製造しています。
このとき、試験に供されていたこともあって1009編成はそのまま余ってしまいました。一方で、6両固定編成は7本だったので、先頭車は2両があまっていました。そこで、モハ721を1両新しく作り3両編成としました。これがF-5001です。
6両固定が原則の「エアポート」において、唯一3両+3両の分割編成なのがF-1009+F-5001です。ただ、現在は「エアポート」の予備車的存在で、普段はそれぞれ別行動をとっています。また、F-5001は通常の3両編成と変わらないため、130㎞/hに対応したF-3015~F-3021がF-5001の代わりになることもあります。
さて、733系で置き換えられたとすると、F-1009とF-5001は分割されます。唯一残る『先頭車のuシート』も、普通車に格下げされて消滅することでしょう。かつてF-3015・3017・3019がたどった道です。
F-3123+F-3222に関しては、元F-22編成の3両だけをみるとF-3015~F-3021と何一つ変わりません。恐らくこの3両だけが抜き出されて普通列車に使われるでしょう。
残る3本は、3両化するにあたって全面改番が必要です。なにせ、いままで6両でなかったことがないのですから。
F-3100・3200番台は、いずれも中間車が廃車になるでしょう。
3.置き換える……?
711系は現在16本48両が在籍しています。運用範囲は函館本線小樽~旭川と、学園都市線札幌~石狩当別を1往復半。運用が減っているとはいっても、なお1日に10編成近くが活躍している状態です。733系30両では、玉突き転配したとしても足りません。
仮に玉突きしたとしても、閑散路線に731系などロングシート車両を投入するのはナンセンスです。一方で、3両編成の新造はいまのところない模様です。
当初は711系の代わりになるのは同じ3両編成でクロスシートの721系かと思っていましたが、もしかすると滝川以北の区間についてはキハ40になるかもしれません。
滝川から北は普通列車の本数が極端に少なくなり、4時間以上あくこともあります。そして、電化区間ながら一部でキハ40が使用されています。札幌発旭川行の始発列車(札幌6:00→旭川8:56)もキハ40×2です。一度滝川から旭川まで乗ったことがありますが、3両の車内はガラガラで、おまけに深川で「スーパーカムイ」に抜かれるため20分近く待たされました。経費節減が必要なJR北海道ではありえない話ではありません。
心配なのは、キハ40はその重さから高速域をキープできないので、高速運転をする函館本線のお荷物になりかねないことです。特に、深川~旭川は30㎞にわたって追い抜けません。711系も特急以下といわれる加速力(1.1㎞/h。「スーパーカムイ」785系は2.4㎞/h)ですが、高速域が安定しているため、駅間の長い岩見沢以北ではそこまで問題ではありません。最悪の場合、普通列車の減便という形になるかも……
とまあ、いろいろ見てきましたが、733系のエアポートが札幌都市圏の鉄道網を変えるきっかけになるのは間違いなさそうです。せめて今からでもいいから普通車をせめてセミクロスシートにしてもらいたいのですが。
(JR北海道のプレス)
投入されるのはなんと733系の「エアポート」。3000番台を名乗り、本年度は6両編成5本が製造される予定です。
733系はステンレス車体の札幌都市圏ではポピュラーな電車です。3両編成を組み、オールロングシート。同じ車体構造の731系や、クロスシートでデッキ付きの721系とともに普通列車で活躍しています。現在は19編成57両(B-101~B-119)がいます。
現在「エアポート」に投入されている721系は1988年登場。初期車は既に製造から25年が経過しています。「エアポート」は2003年の編成組み換えで新造された4000番台がメインですが、1992年に登場した100・200番台を改造した3100・3200番台もおり、こちらは20年選手になっています。そろそろ置き換えのタイミングになってもおかしくありません。
「エアポート」はよく使うので新車自体はうれしいことなのですが、問題はその中身。なんと、733系3000番台は普通車がロングシートになります。
721系は「エアポート」以外の車両も含めて転換クロスシート。3か所あるドアにはデッキがあり、室内は扉で区切られています(一部はセミクロスシートでデッキなし)。3両の普通列車で721系にあたったときはラッキーです。デッキ付近には1人掛けの座席もあるため、快適な鈍行旅を楽しめます。もっとも、デッキがある構造からラッシュ時には嫌われますが……
さて、本題の733系「エアポート」に戻ります。733系でデッキを廃止するのはわかりますが、どうしてロングシートにしてしまったのでしょうか。間合い運用で普通列車に入るとはいえ、メインの「エアポート」の利用者は重い荷物を持った空港利用者。札幌~新千歳空港の40分間のロングシートはつらいものがあります。同じ「エアポート」なのに、転換クロスシートの721系や特急直通の785系/789系と差が開いてしまいます。同じ区間にはバスが頻発しているので、置き換えが進むと着席できるバスに客が移る可能性も否定できません。JR北海道一のドル箱路線といわれる千歳線が減れば、ただでさえ経営危機のJR北海道は大変なことになります。そのあたり考えているのでしょうか。
ともあれ、新車は来るのは確実なので、ここからはいくつかの視点で今後の予想をしてみましょう。
1.ほかの733系は?
昨年の北海道新聞(2013年11月28日)に、JR北海道の新車製造予定が発表されました。2016年度までに製造する車両として、キハ261系28両、733系60両が内定しています。
キハ261系キハ183系の置き換え用なのは明白でしたが、733系は不透明でした。置き換え対象は赤い電車こと711系で決定ですが、私は当初今まで通りの3両編成で製造されると思っていました。というのは、711系は2扉クロスシートの3両編成で、深川~旭川などの閑散区間でも走っているので、置き換えてもロングシートの733系ではなくクロスシートの721系が入ると思われたからです。地方運用がメインとなった721系の穴を埋めるように733系が投入されると考えていました。いわゆる玉突き転配です。
しかし、実際には「エアポート」の6両固定編成が入ります。北海道の財政事情を考えると、さらに3両編成を製造するとは考えにくいです。
711系廃車の方針は変わっていないので、朝夕でよく見られる3両+3両の列車を6両固定編成で代替する可能性があります。そうすると普通車がロングシートになる理由もわかります。uシートがあっても、残りの5両で十分に輸送できるからです。
2.721系の事情
先ほども言ったように、733系の最終的な置き換え目標は711系なのですが、直接置き換えるのは721系になります。誤算だったのは3両編成ではなく、6両編成が置き換えになることです。
721系の番号は多彩で、多くが改造を受けているため一筋縄では説明できません。詳細はそのうちどこかで紹介するでしょうが、5本置き換えとなると、次の編成が置き換えになりそうです。
・F-3101+F-3201
・F-3102+F-3202
・F-3103+F-3203
・F-3123+F-3222
・F-1009+F-5001
721系は3両が基本のため、6両固定編成であっても3両ずつに編成番号が割り振られています。
上の3本は元100・200番台。それまで3両編成だけだった721系で、初めて6両固定編成で製造された車両です。新千歳側3両が100番台、札幌川3両が200番台でした。この割り振りはその後の4000番台・5000番台でも変わりません。2002年の速度引き上げで130㎞/hに対応した(それまでは120㎞/h)ときに+3000となりました。
3両編成におけるクモハ721(Mc)に相当する中間電動車(M)・モハ720が新たに作られましたが、続く1000番台からは1M方式に変わったため、モハ720はたった3両(それも100番台のみ)しか生まれませんでした。2013年に更新改造(1M化)を受けて、すべてサハ721になってしまいましたが。
参考) 3両(0番台) :Mc-M'-Tc
3両(1000番台以降[更新車含む]):Tc-M'-Tc
6両(100・200番台) :Mc-M'-T-M-M'-Tc
6両(1000番台以降[更新車含む]):Tc-M'-T-T-M'-Tc
Mc=クモハ721 M=モハ720 M'=モハ721(1000番台以降機能的にはM'ではなくM) T=サハ721 Tc=クハ721
F-3123+F-3222は特異な経歴の持ち主。3両編成だったF-22に、中間車を追加製造して誕生しました。上の3本と同じ構成で、更新改造されるまではF-3023+F-3022でした。番号の割り振り上、F-3023にはクハ721-3022が含まれるという謎な編成でした。
最後のF-1009+F-5001は721系きっての異端児です。
まず、F-1009は1994年に登場。その後VVVFの試験に使用されて素子をGTOからIGBTに交換。さらに「エアポート」にuシートをつけるためにクハ721-1009にuシートが設置されました。現存する最後の1000番台編成です。
なぜF-1009以外の1000番台がいないかというと、3両編成×9本がいた1000番台は「エアポート」6両固定化のために、中間車を新製して4000・5000番台に改造されたからです。4000番台は1000番台の電動車をそのまま利用。5000番台では新規に製造しています。
このとき、試験に供されていたこともあって1009編成はそのまま余ってしまいました。一方で、6両固定編成は7本だったので、先頭車は2両があまっていました。そこで、モハ721を1両新しく作り3両編成としました。これがF-5001です。
6両固定が原則の「エアポート」において、唯一3両+3両の分割編成なのがF-1009+F-5001です。ただ、現在は「エアポート」の予備車的存在で、普段はそれぞれ別行動をとっています。また、F-5001は通常の3両編成と変わらないため、130㎞/hに対応したF-3015~F-3021がF-5001の代わりになることもあります。
さて、733系で置き換えられたとすると、F-1009とF-5001は分割されます。唯一残る『先頭車のuシート』も、普通車に格下げされて消滅することでしょう。かつてF-3015・3017・3019がたどった道です。
F-3123+F-3222に関しては、元F-22編成の3両だけをみるとF-3015~F-3021と何一つ変わりません。恐らくこの3両だけが抜き出されて普通列車に使われるでしょう。
残る3本は、3両化するにあたって全面改番が必要です。なにせ、いままで6両でなかったことがないのですから。
F-3100・3200番台は、いずれも中間車が廃車になるでしょう。
3.置き換える……?
711系は現在16本48両が在籍しています。運用範囲は函館本線小樽~旭川と、学園都市線札幌~石狩当別を1往復半。運用が減っているとはいっても、なお1日に10編成近くが活躍している状態です。733系30両では、玉突き転配したとしても足りません。
仮に玉突きしたとしても、閑散路線に731系などロングシート車両を投入するのはナンセンスです。一方で、3両編成の新造はいまのところない模様です。
当初は711系の代わりになるのは同じ3両編成でクロスシートの721系かと思っていましたが、もしかすると滝川以北の区間についてはキハ40になるかもしれません。
滝川から北は普通列車の本数が極端に少なくなり、4時間以上あくこともあります。そして、電化区間ながら一部でキハ40が使用されています。札幌発旭川行の始発列車(札幌6:00→旭川8:56)もキハ40×2です。一度滝川から旭川まで乗ったことがありますが、3両の車内はガラガラで、おまけに深川で「スーパーカムイ」に抜かれるため20分近く待たされました。経費節減が必要なJR北海道ではありえない話ではありません。
心配なのは、キハ40はその重さから高速域をキープできないので、高速運転をする函館本線のお荷物になりかねないことです。特に、深川~旭川は30㎞にわたって追い抜けません。711系も特急以下といわれる加速力(1.1㎞/h。「スーパーカムイ」785系は2.4㎞/h)ですが、高速域が安定しているため、駅間の長い岩見沢以北ではそこまで問題ではありません。最悪の場合、普通列車の減便という形になるかも……
とまあ、いろいろ見てきましたが、733系のエアポートが札幌都市圏の鉄道網を変えるきっかけになるのは間違いなさそうです。せめて今からでもいいから普通車をせめてセミクロスシートにしてもらいたいのですが。
ロングシートごときで苦情を言うとかクレーマーにも程がある
さて、コメントについてですが、確かに空港アクセスにおいてもロングシートの例はあります。例えば成田空港(京成)や羽田空港(京急)です。
しかし、「エアポート」にロングシート車を投入すると、既存のクロスシート車(721系・785系・789系)との格差が問題になってしまいます。これらは全て転換クロスのため、デッキなし・ロングシートの733系は見劣りしてしまいます。全て置き換えるならまだしも、投入は5編成となると、全体のうち10~20パーセントが「見劣りするエアポート」になってしまいます。
特に、785系・789系は2扉・デッキつき・リクライニングシートと、733系とは雲泥の差です。サービスレベルが違いすぎます。札幌~新千歳空港というドル箱路線を走るこそ、客室レベルの高い車両を投入しなければいけません。下手をすればバスに逃げてしまうわけですし。
ついでに、721系中で、4000・5000番台の新製車はデッキなしのセミクロスシートです。車体構造的には731系と同じなので、転換クロスじゃないからといってロングシートにするのは変な話です。
千歳線のダイヤにも、遅延(冬季限定)やはり、待避線の不足は、否めない。
千歳線空港支線のダイヤの不備。
札幌~南千歳間、若しくは、千歳~空港間普通列車の市街リレー列車設定する方が、まともになってると想います。
例えて言えば、京急蒲田~空港の列車があるように千歳~空港間の普通列車の設定が無難でしょう。
特急列車接続は、普通列車でも関係無い。むしろ、早く早着出来る。メリットがあるように感じます。
待避線の少なさは確実にダイヤの自由度を奪っています。特に、列車本数の多い札幌近辺に待避設備がほとんどないというのは致命的なぐらいです。なんで野幌の待避設備を削ったのか……
一方で、空港支線は現状が手一杯なのもまた事実。南千歳~新千歳空港は単線な上、カーブ+急勾配、そして終着駅冒進を防ぐATSがかなり手前からあるため、15分ヘッドの今でも余裕がありません。よくて10分ヘッドでしょう。支線のみの設定は難しいと言わざるをえません。エアポートを20分ヘッドにするなら別ですが、その場合ロングシート6両でも厳しいことになるでしょう。まだ直通廃止の方が可能性があります。
2年前受験で北海道にきたとき旭川からエアポート直通のスーパーカムイに乗ったとき、乗客の半分が空港方面まで乗りとおしていました。ある程度の需要があるので、全廃はやめてほしいところですが……
毎日利用する立場からするとロングシート化は大賛成で、札幌圏の普通列車はすべてロングシートに置き換えても良いくらいと思っています。
特に朝の時間帯の快速エアポートの新千歳空港からの折り返し列車(731Mや735Mなど)はデッキ付クロスシートが来ると、途中駅から乗る場合、最悪です。
みんなデッキにたまっているため、奥には入れず、白石駅や札幌駅入線時の横揺れ時につかまるところもないですし、また、車掌がいくら混雑時はデッキの仕切りドアを開けて利用してくださいと言っても、仕切りドアを閉められてしまいますし。
なので、朝の時間帯、1編成だけあるエアポート運用の733系が来た場合は心の中で「やった」と思うくらいです。
また、帰宅時に785系や789系のエアポートにるることもしばしばありますが、沿線住民からすると、これも最悪。
札幌駅では遅延の原因になりますし、2ドアデッキ付のため中の方に追いやられてしまうと、途中駅で降りれないのではないかといつもヒヤヒヤします。
「メインの「エアポート」の利用者は重い荷物を持った空港利用者。札幌~新千歳空港の40分間のロングシートはつらいものがあります。」とありますが、快速エアポートの乗客は空港利用者だけではありませんよ。
沿線住民の速達列車の役割もあるということを忘れないでください。
現実、新札幌や北広島では乗降客がかなりいるではないですか。
また、札幌駅からの空港利用者にとっては、たった40分弱。2時間も3時間も乗っているわけではないですし、つらいとは思いませんよ。
私も仕事や旅行で新千歳空港まで快速エアポートに乗ることがありますが、カートを持っていく場合、クロスシートはカートの置き場所に困るため、正直厳しいです。
カートを持っていく場合、私はいつもシートのピッチが広くかつ荷物置き場のあるUシートを取ります。
既存のクロスシート車(721系・785系・789系)との格差のことを言っておられますが、785系や789系は特急からの直通運転なので、格差と言われても・・・。所詮は快速エアポートは特急券のいらない普通列車なので、リクライング付の特急車両が来たらラッキーというくらいに思うようにしませんと。
特急車両の快速エアポートは座れた場合はそれはよいかもしれませんが、座れない場合、混雑した場合はつらいですよ。
それよりも、ロングシートで乗り降りをスムーズにして遅延なく運行することが、ドル箱路線にとって大事なのではないでしょうか。
どうしてもクロスシートに座りたければ、Uシートを取ればよいわけですし。
バスに乗客が逃げるということもおっしゃられていますが、それはあまり考えられないのではないかと思いますよ。
札幌は他の政令指定都市と違って都市高速道路がなく、中心部に高速のインターチェンジがありません。なので、札幌中心部からバスに乗った場合、新千歳空港まで80~90分かかり、快速エアポートの倍以上所要時間がかかります。
しかも運賃は快速エアポートが札幌~新千歳空港間が1,070円なのに対して、バスは札幌中心部~新千歳空港が1,030円と、劇的に安いわけではありませんし。
ただし、少なくても私の周りの人かもしれませんが、大谷地や清田区など高速のインターチェンジが近い人や南区方面の人は、もともとバスの方が利便性が高いため、今でも札幌駅に行かず、バスを利用する人が多いですが。
そもそも始発にキハ40での運行、これは「送り込み運用」を兼ねています。
岩見沢・旭川方面で使用する気動車(特に旭川までは旭川運転所までの車両回送兼ねて)を始発に組み込む事で、車両回送のダイヤ設定や運転士の確保をせずともそのまま運用している状態がありますね。
また、岩見沢近隣では苗穂運転所の所属車両が運用されています。
となれば、苗穂工場から旭川までの回送車両連結のうえ通勤通学用途で運行し、折り返し岩見沢まで運行する際に旭川から苗穂までの回送車両を連結し運行。
当日夜岩見沢から苗穂までの送り込み運用までを行うといった感じでしたかね?
いずれにせよ、電化区間でも気動車運用はある種の意味合いがあるでしょう。
ついでにロングシートに批判的なのは、「マニア」くらいで、実際に使用する住民の方はそんなに批判はしないでしょうな。
それに、空港客にとっても座れるかどうかを気にする人はいても、その座席がクロスかロングかを気にする人はほとんどいません。
実は、着席定員だけなら、721のクロスと733のロングでは大差がなかったりしますし。
それに、ロングシートなら大きな荷物を自分の目の前に置いて手で支えながらすることも容易ですが、シートピッチの狭い転クロではそれも困難ですしね。
どうも、このブログの管理人さんも含め、いわゆる鉄道マニア的な方々が、実態も知らずに「クロス」と「ロング」という表面だけをとらえて過剰反応しているようにしか思えません。
空港バスとの競争についても、上の方がかかれているとおり、札幌対千歳ではJRとバスでは棲み分けが図られていて、目立った競合関係にはありません。
バスは時間・運賃ともJRに勝てないため、札幌駅近辺やJR沿線はあきらめて(都心ホテルを除く)、JRへのアクセスが不便な地下鉄沿線をメインに集客していますよ。真駒内線・麻生線などはいつみても結構乗っています。
「ロングけしからん」とマニア的な視点で批判に走る前に、もう少し周辺事情をきちんと勉強していただきたいものだと思います。
かくいう私は、無論ロング化に賛成です。
新千歳空港~札幌で37分程度、小樽まで乗り通しても1時間強い。都会では至極当然のレベル。何ら問題ありません。
ヲタが騒いでも札幌ではクロスシート車は淘汰される運命にあるのです。嫌なら乗らなきゃいい。それだけの話。むしろ日常的に利用するお客さんも面倒くさいヲタが消えてくれたほうが快適かも(笑)
何だか荒れてしまってますねえ。管理人氏も困惑しているでしょうに。
「クロスシートがいい」と呟いただけで、まるで異端児のキ○ガイのように扱い、複数でよってたかってフルボッコ。
それに「勉強しなさい」・・・って、大きなお世話でしょ。
これでは怖くて言いたいことも言えなくなってしまいますよ。
JR北海道ももう少しやりようがあったと思いますよ。例えば1号車と6号車の一部だけでも転換クロス(通路を広くとるために2列+1列・・・名鉄2200系一般車みたいな感じ)にするとか。あまりにも両極端すぎるから困惑する人も少なからずいるわけで。ま、こんな妄想したところで後の祭りでしょうけど。
いろんな人がいるのだから、いろんな意見があって当然だと思います。