吹く風ネット

帝の軍隊

墓参りに行く途中に
由緒ある神社がある。
神武天皇が東征する前に
しばらく政務を執った場所で
当時の祭祀の跡が
今でもそこには残っている。
心がついそこに向いたので
ぼくは急遽路線を変更して
その神社に車を進めた。

祭祀跡は鳥居の横にある。
十畳間くらいの広さで、
そこには小さな石を敷き詰めた
直径六尺ほどの円が二つ並んでいる。
そこに人が入らないように柵で囲い
しっかり注連縄を結んでいる。
周りは樹木が生い茂り
蝉の声が時間を止めていた。

お参りをすませたあと、
遺跡の説明書きを読んでいた。
その時だった。
突然足が痒くなったのだ。
見てみると、
丈の短いズボンからはみ出した足が
何ヵ所も赤くなっているではないか。

なるほどここには
いまだに帝の軍隊がいるのか。
彼らはそこを訪れる人たちから
血税を吸って子孫を育み、
帝を守護しているわけだ。
実にロマンチックな場所ではある。
しかし実に痒い場所でもある。

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