吹く風ネット

 職場にいるアルバイトの女の子が、この三月に大学を卒業する。卒業式は「もちろん袴を履いて」参加するそうだ。ぼくらが学生の頃はあまり見かけなかったが、最近は袴が流行りなのだという。

 ぼくが女性の袴姿を初めて見たのは、小学校の卒業式の時だった。その年満期となる四組の担任の先生が、袴履きで式に臨んでいたのだ。スーツだらけの先生の中で、まさに異彩を放っていたものだ。

 柔和で弱々しい印象の先生だったが、その日の彼女には凛とした強さがあった。普段の見慣れた洋装ではなく、袴のせいでそう見えたのかもしれない。

 先生は高等女学校から師範学校を経て、教師になったと聞いている。きっと聖職者としての教育を受けた者の、歴史と誇りがその姿に凝縮されていたのだろう。

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