吹く風ネット

ぼくは六十代ですよ

 一昨年の夏から、プチ断食に取り組み、そのおかげで体重が10キロ以上痩せ、いたって健康な体になっている。が、良くなったのは体だけで、容姿はと言うと、痩せたおかげでえらく歳を取って見えるようになった。「どうにかしないと」とは思っているのだが、今さら肥ってシワを伸ばすことも出来ないし。

 痩せる前の話だが、時々人から
「とても六十代には見えませんね」言われることがあった。

 既に髪の毛は真っ白だったし、体の所々に老斑が出来ていたし、当時は血圧や尿酸値は高めだったし、尿潜血だってあったし。

 カラオケに行くとGSを歌っていたし、橋幸夫の「雨の中の二人」も好きだし、それ以前から演歌のレパートリーも入っていたし、松田聖子の歌を最近の歌と思っていたし。

 昭和に換算して今年を数えていたし、仕事に没頭するのが好きだったし、サービス残業をあまり厭わなかったし、五歳年下の人を新人類と思っていたし、カップルをアベックと言っていたし、老荘とか論語とかがわりと好きだったし、般若心経を唱えることもあったし。

 現役時代の長嶋や王を見たことがあるし、猪木とアリの試合を学校サボって見ていたし、先代の林家三平が好きだったし、歌奴の「山のアナアナ」が好きだったし、大正テレビ寄席でドリフを知ったし、寿限無も言えたし、六十代であることを自慢していたし。

どこをどう取っても六十代だったのだが、いったい、ぼくのどこを見てそう言っていたのだろう。
 そういうことを言われても、ぼくは不思議に思うだけで、決して喜ぶようなことはしなかった。かといって、その人を警戒することもしなかった。「ああ、そうですか。ありがとうございます」と、丁重かつ素っ気なく返していただけだ。

あ、そうそう、先代の三遊亭圓楽がなぜ、星の王子様と呼ばれていたのかも知っていたし。

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