吹く風ネット

グリーンピース

『ピースご飯』ほど嫌いなものはない。味は当然のこと、あの臭いもだめだ。
 ぼくが子供の頃、母はよく『ピースご飯』を作っていたのだが、もちろんぼくは食べなかった。それを食べなかっただけではない。その臭いのせいで食欲も失せ、『ピースご飯』が出た時には、何も食べなかった。
 そのうち、食欲が失せるだけでなく、『ピースご飯』の臭いを嗅いだだけで、吐き気も催すようになった。

 その後母は、ぼくの前ではピースご飯を作らなくなった。が、ぼくが出張した時などには作っていたようで、ぼくが結婚する前に
「今日、しんたがおらんけね、『ピースご飯』を作ったんよ。食べにおいで」
 と言って、嫁さんを呼んだことがあるらしい。

 今でも、ぼくが飲み会に行っている時などには、二人で『ピースご飯』パーティをやっているようだ。
「どうして、しんたは『ピースご飯』が好かんとかねえ」
「そうですよ。こんなにおいしいのに」
 きっと、食卓では、こういう会話がなされているはずだ。

『ピースご飯』が大嫌いだと書いた。では、グリーンピース単体はどうなのか。
 やはり嫌いだ。チャーハンやオムライスには、決まってグリーンピースが混じっているが、そのたびにぼくは、それを一つ一つ拾って、灰皿の中に入れている。皿の中に除けておけばよさそうなものだが、同じ皿の中にグリーンピースがあること自体許せないのだ。

 どうしてそんなにグリーンピースが嫌いなのかはわからない。かつては食べたことがあるのだから、決して食わず嫌いというわけでもない。充分に吟味して、大っ嫌いになったので、一生これは変わらないだろう。

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