影枕
何をしても情けない日々と
うだる夏の暑さで
狂ったような体が
汗をしぼり出す
昼寝をするにしても
涼む所はなく
たまに吹き来る風に任せて
寝息も荒く
加減のきかぬ影枕
あっちに行ったり
こっちに来たり
ふう、まだ始まったばかり
毎日毎日体温にも似た
温度計(はかり)を見ては
芋の子洗いの海もいや
登るに疲れる山もいや
せめては風呂へと思っても
浸かるだけではやり切れぬ
暑い暑い、いや、
面倒だ面倒だ
加減のきかぬ影枕
あっちに行ったり
こっちに来たり
ふう、まだ始まったばかり
19歳の頃(1976年)に書いたものです。まだエアコンが充分に普及してなかった時代でした。