吹く風ネット

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長年の記憶

2024年05月08日 | ぶるうす

ぼくが二十歳の頃の話です。
昼食後通りを歩いていると、
自販機の前で、コーヒーを
買っている男がおりました。
ポケットに手を突っ込んで
小銭をさぐっておりました。

その男がそのポケットから
手を出した時でした。手の
甲に何かついておりました。
それは足もとに落ちました。
よく見てみると何とナマの
コンドームじゃないですか。

男は慌てもせずナマを拾い
こちらを向いてニヤニヤと
笑っていたのでありました。
どんな反応をしていいのか
若いぼくはわからずにただ
笑い返したのでありました。

中々その記憶が消えません。
あれは使用済みだったのか。
それともあの後使ったのか。
何せナマだったんですから。
ビヨンとなってましたから。
いつも男が笑っております。


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