政府は14日午後の臨時閣議で、安倍晋三首相の戦後70年談話を決定。
夕方6時から、安倍首相は官邸で記者会見をしました。
反省とおわび「揺るぎない」=「侵略」「植民地支配」に言及―戦後70年談話・首相
私は日テレニュース24で会見の生中継を見ていましたが、一言一言がよく考えられていると思いました。
これまでの談話を継承しつつも、先の世代の子どもたちに、謝罪を続ける宿命を背負わせてはならない……とするなど、未来志向を強く感じます。
まあ、いろいろな意見を汲み取った結果、無難な内容にまとまっているとも考えられますが、少なくとも、悪い内容でないのは間違いありません。
個人的に気になった点をいくつか紹介します。
『まずは、日本が先の大戦に深入りしていった原因についてです。
世界恐慌が発生し、欧米諸国が、植民地経済を巻き込んだ、経済のブロック化を進めると、日本経済は大きな打撃を受けました。
その中で日本は、孤立感を深め、外交的、経済的な行き詰まりを、力の行使によって解決し ようと試みました。国内の政治システムは、その歯止めたりえなかった。
こうして、日本は、世界の大勢を見失っていきました。
満州事変、そして国際連盟からの脱退。日本は、次第に、国際社会が壮絶な犠牲の上に築こうとした「新しい国際秩序」への「挑戦者」となっていった。
進むべき針路を誤り、戦争への道を進んで行きました。
そして七十年前。日本は、敗戦しました』
戦争の理由を世界恐慌による経済衰退と、ブロック経済による日本の孤立から、日本が力による現状変更に出たことを挙げました。
そして、日本が国際秩序への挑戦者になった結果が、敗戦である……と、まとめています。
これはとても冷静な歴史認識であるとともに、現在の国際社会への強烈なメッセージではないないでしょうか?
国際社会が壮絶な犠牲の上に築こうとした「新しい国際秩序」への「挑戦者」。
ある国のことが浮かんできますよね?
『我が国は、先の大戦における行いについて、繰り返し、痛切な反省と心からのお詫びの気持ちを表明してきました。その思いを実際の行動で示すため、インドネシア、フィリピンはじめ東南アジアの国々、台湾、韓国、中国など、隣人であるアジアの人々が歩んできた苦難の歴史を胸に刻み、戦後一貫して、その平和と繁 栄のために力を尽くしてきました』
細かいことなのですが、台湾と明言している点に注目しました。
これは台湾に対する強いメッセージですね。
『日本では、戦後生まれの世代が、今や、人口の八割を超えています。あの戦争には何ら関わりのない、私たちの子や孫、そしてその先の世代の子どもたちに、謝罪を続ける宿命を背負わせてはなりません』
これは、おそらく中国と韓国を意識した部分ではないかと思います。
執拗に謝罪と賠償を要求する彼の国との関係は、私たちの世代で終わらせなければなりません。
さて、全体を見て思ったのは、この談話自体が過去を過去として終わらすためのものではなくいということです。
過去を継承しつつも、今後の日本が国際社会で果たしていく役割を宣言しています。
アジアの平和と繁栄、いや、世界の平和と繁栄のために、日本が力を尽くしていく……というか、日本が中心になって新しい世界の平和と秩序を構築していくという強い決意表明ではないでしょうか。
私たち日本国民は、これまで以上に、世界の平和と繁栄に貢献するように、がんばっていかなければなりません。
身が引き締まる思いであります。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます