自尊心を高める方法 PART III

自分がどこから来て、どこに向かって歩んでいくのかを知ることは大切です。自尊心を高めるためには、自分が本当は誰であるのかを知らなければなりません。今あるあなた自身が本当のあなた自身なのです。ほとんどの場合、私たちの自己概念は親や社会による影響を受けています。ですから、自分自身に関する否定的な感情のどの部分が、親などから受けた否定的な発言の影響によるものかを知る必要があります。
　自分自身に対する悪い見方を変えたいと願って努力しても、文化や環境がそうはさせまいとしてきたかもしれません。例えば、文化的な背景から言えば、アジア系の人々は、相互依存の視点によって自分自身を捉えること―権威に服従すること、品行方正であること、謙遜であること―を奨励する傾向があります。一方、欧米の親は、独立した一個人として自分自身を捉えること―個性的であること、自己表現すること、自尊心を持つこと―を奨励する傾向があります。このような文化の違いは、私たちが自分自身を見る見方に影響を及ぼします。
　あなたの自己概念の中には、環境や社会の価値観にそぐわなくても、肯定できる良い部分がもっとあるのではないでしょうか？　私たちは自分自身を低く見る見方をやめて、もっと高いセルフイメージを持てるように、意識を変えていく必要があります。そして、自分自身に対する感じ方に社会的価値観が否定的な影響を及ぼしていると気付いたら、それらの悪影響を一掃していく決心が必要です。
　理想のあなたは、あなたがなりたいあなた自身です。心の中に、なりたい自分のイメージを持っているべきです。多くの人は理想の自己像を持っておらず、模範にすべき人物像も持っていません。あるいは、理想の自己像を持ってはいても、なりたい自分になるすべを知りません。他の人々の優れた特質について学ぶことで、なりたい自分のイメージがはっきりしてきます。そのイメージが実生活の中で生きてくるようにすることで、理想の自分に近づくことができるのです。