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電波女と青春男感想。不思議な魅力と軽い脱力感と小さな希望という中途半端な青春の、少しコミカルで少し不思議なアニメ

◎「電波女と青春男」(2010年春、全12話(+TV未放送1話))

 最初に見たときは、少し中途半端な終わり方だな、でもこういう中途半端な余韻もこのアニメらしくて悪くないな、と思いましたが、実はTV未放送の13話があり、Blu-ray等に収録されたのだとか。
 でも、この機会に見ましたが、13話の一部は変えるか無かった方が良かった気も。


 2014年冬にスカパー!のTBSチャンネル2で12話までを再放送していたので。


 なお、2014年3月26日にBlu-rayボックスが発売とのことで再放送したのでしょう。
 「イトコ、私、BD-BOXになる。
 Blu-rayボックス発売前に再放送というケースは多いですが、再放送を録画すればBlu-rayを買う気が少し失せたりするのではと思う一方、宣伝になるので全体としてはプラスになるのでしょう。



○ 「ようこそ 宇宙人の見守る町へ」という看板があるくらいにUFO目撃情報が多い、と言うよりも変わった人が多いと言うか、そんな町に住む叔母の藤和女々(とうわ めめ)(cv野中藍)の家に居候(両親が仕事で外国に行ったので。)することになった高2の丹羽真(にわ まこと)(cv入野自由)。

 真は、女々の娘で布団に「す巻き」になって宇宙人だと言う引きこもりの藤和エリオ(真のことをイトコと呼ぶ。半年間行方不明で、その時の記憶がないことへの不安から自分で宇宙人設定にしたらしい(3話)。)(cv大亀あすか)、付き合うことになるクラスメイトの御船流子(皆には「りゅうし」と呼ばれるけれど、みふね りゅうこ)(cv加藤英美里)、クラスメイトの前川さん(着ぐるみを着て町を歩く、体が弱い変わり者。)(cv淵上舞)という同年齢の3人とのコミカルでファンタジーな三角関係というか四角関係と、真のささやかな青春ポイントと、努力をすれば願いが叶うこともあるかも知れないことを描く、不思議な魅力と軽い脱力感と小さな希望という中途半端な青春の、少しコミカルで少し不思議なアニメ。

 前川さんは真に恋愛感情をほぼ示していませんが、11話では真を自宅で2人でのゲームに誘うなど、ようやく少し示していたり、エリオと流子は最初から積極的だったり。
 恋愛アニメでもありますが、ささやかな青春の物語。
 雰囲気が上手く描かれていて、また、エリオの性格や声の不思議さと合わせて、印象的なアニメです。

 (左から、真、女々、真、す巻きのエリオ、エリオ。)


○ 12話の草野球で真が、これまでまるで打てなかったピッチャーの花沢(本名ではなく、前川さんが適当に言った名前。ソフト部のエース、同級生。)(cv花澤香菜)から奇跡的に逆転ホームランを打ったわけですが、高く上がっただけで普通の外野フライかと思われたところに、宇宙人で超能力者を自称(?)する星宮社(ほしみや やしろ)(cv井口裕香)の超能力か何かで強風が吹いてホームランになったような描き方でした。

 しかし、これまでの話では超能力や宇宙人は明確には描かれず、ありそうだけれども、やっぱりないんだろうな、という雰囲気の物語でした(10話でのプールで社が真に水をたくさんかけたシーンは、ヘルメットで水をかけたのをアニメ的に大袈裟に描いただけと説明出来なくはない。)。
 このホームランのシーンで、超能力はあるのではないか、とより思わせたわけですが、確定的ではなく、偶然に強風が吹いたと説明出来る範囲でした。

 一方、13話(TV未放送)後半は、偶然と考えることも十分可能ですが、自分は宇宙人で超能力者だと言っている社が隕石を神社に呼び寄せて落としたと考える方が自然な描き方です。真の反応からしても。
 (因みに、13話は、真と浴衣の流子のお祭りデート、からの、真はエリオと神社で会う約束をしていて2人で星を見ると、、、、、そして隕石事件へ。)

 13話が超能力はあると言っている物語だとなると、このアニメも少し雰囲気が異なってきてしまい、1話からの積み重ねで感じてきたことも考え直さないと行けません。

 なので、超能力でどうこうできるという物語であると、1話からのささやかな青春の雰囲気に合いません。



 11話で、
 2人でのゲームのシーンで前川さんが真に「転校生は何かを諦めるのが得意そうだね。」(11話冒頭の真の小5の話で「その頃から、自分の背丈より高いものに手を伸ばすことに、躊躇し始めたっけ。」と思っているように真も自覚していて、でも真もそれで良いと思っているわけではなく。)、

 バスケの練習試合に初出場の流子を評して社が「あれは認知できないほどの秒速だが、進んでいける人間だというのに。いいか、人は誰も、目前の超能力に目覚めようと歩み寄っている。(中略)目前の数センチが遠すぎて、諦める者が圧倒的に多い。」「しかし、あいつは諦めていない。遅咲きの超能力を開花させる可能性は十分にある。」、

 と社に促されて真は、大声で流子を応援するなど、真が少し動き出したり。


 で、12話の草野球ではここ一番というところで頑張ったのにやけに高く上がった外野フライだったれど偶然に強風が吹いてホームランになった、本気になれば偶然とは言え道が開けるかも知れないといった、超常現象では無しに、努力は報われ無いかも知れないけれど努力をすれば道が開けることもあるかも知れないという中途半端な感じがこのアニメの雰囲気であり魅力だったのでは。

 超能力や宇宙人はないけれどあったら良いなあ、これは超能力っぽいけれど偶然なんだろうなあ、という、ある意味中途半端な感じがこのアニメの雰囲気であり魅力だったのでは。

 ペットボトルロケットごときに宇宙への夢のようなものを意識的・無意識的に投影する、ある意味中途半端な感じがこのアニメの雰囲気であり魅力だったのでは。

 宇宙人や超能力は、努力や諦めないことや、青春の諸々の比喩だったのでは。

 12話ではどちらのチームが勝ったのかは分からずに終わったところも含めて(13話で真のチームが勝ったと明かされる。)、中途半端な感じがこのアニメの雰囲気であり魅力だったのでは。

 つまり、リアルな青春らしい中途半端さがこのアニメの雰囲気であり魅力だったのでは。
 超能力という超常現象が実在するとなると、(13話は努力等の結果として超能力が身に付くという物語であるとは言え、超能力は努力等以上の良い結果をもたらすことが出来ることから、)最終的には努力や諦めないことの大事さを否定することになるのでは。


 なので、この13話の、(社が隕石を呼び寄せたシーン以外は良かったので、)隕石のシーンは、もっと偶然に見えるように描くか、無しにして別の話を入れた方が物語としてのまとまりが良かったのではと思います。


○ 流子。自転車通学で、校則とかに無いのに安全のためにヘルメットをかぶっている。
 加藤英美里さん演じる、良い感じのにぎやかさ、良い感じのソフトなツンデレ、特に照れが可愛く楽しめます。


 コスプレ好きだけど、高校の教室なので制服の前川さん。
 渕上舞さん演じる、良い人さ、気持ちを抑えた感じ、良い感じの奥手なところが楽しめます。



 大亀あすか さん演じる、エリオの不思議さと可愛さ、
 入野自由さん演じる、真の迷える青春男子っぷり、
 野中藍さん演じる、女々のはっちゃけた39歳から40歳の母っぷり、かき回しっぷり、
 も良い感じです。


○ さて、エリオがわざと下手に歌うOP曲の「Os-宇宙人」(オーエスうちゅうじん)(→歌詞サーチへ)は、絵と合わせて聞くと電波系ソングですが、エリオがイトコの真を好きと言っているだけのラブソングです。

 下手な歌い方と声と絵と歌詞のアンバランスなバランスが楽しい曲です。


【shin612】
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