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「トラペジウム」感想。キラキラアイドルものではない。ほろ苦さが良かった

【ネタバレ】

◎「トラペジウム」

 「わたし一人では、アイドルになれないんだって。」
 「はじめてアイドルを見たとき思ったの。人間って光るんだって。」

 2024年5月10日(金)公開、監督は篠原正寛、脚本は柿原優子、原作は高山一実(原作執筆当時は乃木坂46の1期生メンバー)、94分。
 総合評価点は上中下で上くらい。

 東(あずま)ゆう(東の星。高1。アイドルを目指すが、これまでオーディションに全て落ちたので、単独ではアイドルになれないと思って東西南北から美少女を集めてグループを作ろうとプロデュース)(cv結川あさき)、
 大河くるみ(西の星。高2。高専ロボコン優勝を目指す。男子受けする可愛さのため女子には好かれていない)(cv羊宮妃那)、
 華鳥蘭子(南の星。高2。テニスは下手だがお蝶婦人に憧れているお嬢様)(cv上田麗奈)、
 亀井美嘉(北の星。高1。東ゆうの小学校での友達、顔の整形をし、ボランティアをしている)(cv相川遥花)のほか、
 工藤真司(大河くるみと同じ高専の2年。カメラ好き)(cv木全翔也(JO1))、古賀萌香(4人がTVに出るきっかけを作ったAD)(cv久保ユリカ)、水野サチ(美嘉のボランティア先の車椅子の少女でアイドル好き)(cv木野日菜)、伊丹秀一(cv内村光良)、老人A(cv高山一実)、老人B(cv西野七瀬(元 乃木坂46))など。

・TOHOシネマズ梅田、サイン入り(高山一実さん?)。


・新宿バルト9。










・AnimeJapan2024(2024年3月)。


○どうせキラキラアイドルものだろうと思って見ない方向でしたが、そうではないと聞いたので見ました。見て良かったです。

○東ゆうは「可愛い子を見るたび思うんだ。アイドルになればいいのにって。」と思っているくらいにアイドル礼賛で、アイドルになりたくないとかなろうと思わないという考えが理解できないと言っています。そこが西南北の3人とそもそも違うところで、東ゆうは3人に結果として「無理」をさせ、最も乗り気でなかった大河くるみが精神的に耐えられなくなって辞めると言い出すことに繋がりますし、グループ解散につながります。

 東ゆうは嫌なヤツです。

 とは言え、嫌悪感をほとんど感じさせないのは、東ゆうは失敗して後悔したからであり(なお、失敗しそうだというのは映画を見ていると分かります。)、大河くるみ、華鳥蘭子、亀井美嘉の3人がアイドル活動を経て自ら得るものがあって自分の未来を選ぶきっかけになった旨を東ゆうに言い、許し、そして友達関係が継続したからでしょう。そこは上手いこと描かれていました(ある程度の感謝を東ゆうに感じる事はあるにせよ、友達に戻るというのは考えにくいのですが、それだけ、西南北の3人も友達が少ないというか、何というか、という状況だからというのも一因でしょう)。

・一方、アイドルとして活動したいということを西南北に言わずに話を進めていく東ゆう、TV出演が決まったとか歌手デビューが決まったとか、なし崩し的にアイドルに向かっていきますが、西南北の3人は付いていくばかり(さすがに、途中でちょっと変だと感じていますが)。西南北の誰かが嫌だと言ったら計画が崩れますが、それなのに言わずにいた東ゆう。
 ということは、東ゆうのように西南北の3人はアイドル礼賛ではないだろうと分かっていて、(アイドルになりたくないという考えが理解できないというのは本当かもしれませんが)可愛くてもアイドルになりたくない人がいることは理解していると考えるのが妥当と思います。

 東ゆうはアイドルになることが自分のアイデンティティだから、アイドルになりたくないという考えが理解できないと思い込もうとしているし、そこまで礼賛しているという可能性の方が高いでしょう

○アイドル活動を始めて事務所に所属し、ファンレターが事務所に来ていて、西南北の3人にはそれなりの枚数が来ているのに、東ゆうは多分1枚のみ(しかも、第三者のファンなのかも疑わしい匿名のハガキであり、亀井美嘉の可能性もあり)。それにピクリともしないですし事務所の人も普通にファンレターが来ていることを言うのみなのは、この枚数の差が初めてではないからでしょう。東ゆうは自分の人気が3人より明確に劣ることは3人を集めたときから予想していましたし、アイドル活動を始めてからのSNSでの評判を見ていて自覚もしています。
 実際、他の3人に比べて、可愛さや魅力などの外見は劣っています。

○パンフ情報も合わせると、10年後(?)、いつの間にか、東ゆうは映画内の有名なTV番組(現実にある「情熱大陸」みたいな番組。)に単独で取り上げられるくらいの有名アイドルになっていました(ここはあっさりと描かれているので、パンフで補わないと分かりにくいです)。
 そこは意味不明。そこまでのアイドルになれる要素が見当たりません。凄い努力をしたことは想像できるのでその結果ということか、隠れた才能があったということか、これまでの人(オーディションで東ゆうを落とした人など。)には見る目がなかったということか。
 俳優とか毒舌系タレントとかの、アイドル歌手とは別の形の「アイドル」として有名になったということなら、まあ理解はできるので、上映中はそうだと思って見ていましたが、パンフによるとAKB48の総監督みたいなアイドル歌手の様子です。

○トラペジウム星団とはオリオン大星雲の中心部の散開星団だそうで、主な星は5つ、うち4つが中でも明るいようです。真司(プロの写真家になった様子。)が高校の文化祭で撮った写真を10年後(?)に「トラペジウム」と名付けて展示していて、そこにはコスプレした、東西南北の4人とサチの計5人が自然ないい笑顔で写っています(第2週の入場特典)。

 サチが5人目ということなのでしょうけれど、その割には出番は少ないですし、物語における役割も大きくはありません。
 むしろ、高校の時に東ゆうに協力した真司の方が役割は大きいです。5番目くらいに役割が大きいです。また、東西南北のTVデビューという大きな目標のためには古賀萌香が必要でしたから、役割の大きさとしては萌香が5番目とも言えます。

 どこかでサチが輝いているということなのでしょうかね。少なくとも、撮影時の5人は輝いていました。
 東西南北の4人と真司は、大人になってもやりたい仕事がやれて、輝いています。

○公式HPから。
 『高校1年生の東ゆうは“絶対にアイドルになる”ために、自らに「4箇条」を課して高校生活を送っている。
 1)SNSはやらない
 2)彼氏は作らない
 3)学校では目立たない
 4)東西南北の美少女を仲間にする
 半島地域「城州」の東に位置する城州東高校に通うゆうは、他の3つの方角の高校へと足を運び、かわいい女の子と友達になる計画を進める。
 その裏には、「東西南北の美少女を集めてアイドルグループを結成する」という野望があった。
 西テクノ工業高等専門学校2年生で、高専ロボコン優勝を目指す“西の星”大河くるみ。
 聖南テネリタス女学院2年生で、お蝶夫人に憧れる“南の星“華鳥蘭子。
 城州北高校1年生で、ボランティア活動に勤しむ“北の星”亀井美嘉。
 ゆうの計画を知り協力する男子高校生・工藤真司のサポートもあり、ゆうは3人の美少女と友達になる。
 ロボコン大会や文化祭といった青春のイベントをこなしながら、ゆうは着々と「東西南北」4人の結束を固めていく。
 そんな中、観光客のガイドボランティア・伊丹秀一を手伝う女子高校生たちの活動が注目され、ゆうたちにテレビ出演のチャンスが舞い込む。
 さらに、番組制作会社のAD・古賀萌香との出会いをきっかけに、ゆうたち4人は徐々に仕事を得て、世の中に知られていく。
 そしてついには、「東西南北」のアイドルデビュープロジェクトが始動することになる。
 「私が選び抜いたメンバー。私の目に狂いはなかった。私たちが、東西南北が、本当のアイドルになるために。私がみんなを、もっともっと輝かせてみせる。」
 しかし、夢への階段を登り続けていく中で、ゆうは〈大きな問題〉に直面することになる――』


【shin】


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