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「デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション(前章、後章)」(デデデデ)感想

【ネタバレ】

◎「デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション(前章、後章)」

 「地球がくそヤバい!」(前章)
 「君は僕の絶対だから。」(後章)

 前章は2024年3月22日(金)公開、120分。後章は5月24日(金)公開、120分、PG12。アニメーションディレクターは黒川智之、シリーズ構成と脚本は吉田玲子、原作は浅野いにお(2014年から2022年に連載の漫画)。

 小山門出(cv幾田りら)、中川凰蘭(おんたん)(cvあの)のほか、栗原キホ(cv種﨑敦美)、出元亜衣(cv島袋美由利)、平間凛(cv大木咲絵子)、竹本ふたば(cv和氣あず未)、田井沼マコト(cv白石涼子)、大葉圭太(cv入野自由)、小比類巻健一(cv内山昂輝)、渡良瀬(cv坂泰斗)、中川ひろし(cv諏訪部順一)、小山ノブオ(cv津田健次郎)、議長(cv竹中直人)など。

 総合評価は、上中下で、前章は下くらい、後章は中くらい、2作合わせて中の下くらい。

前章の前半は状況説明をしつつゆるく楽しい日常を描いていますが、ここが退屈。後半で小どんでん返しがあって少しシリアスっぽくなるものの、この先が楽しみな終わり方ではありませんでした。
 後章は日常を描いていてもそれ以外でも全体として緊張感のある展開なのは、退屈ではないのでかまわないとして。つまらなくはないですが山場は足りず、大葉圭太が母艦に乗り込むときや乗り込んでからも簡単に行き過ぎ。
 日常が日常であるほど、日常が長いほど、暗転したときの驚きがあるとは言えるので、2作同時上映ならもう少し前章も良く思えたかも知れない、とは思いました。

 なお、門出と凰蘭の友情や絆が主題なのでしょう。アクションはほぼないですし、地球人と侵略者(=宇宙人、元 地球人)との共存は、ずっと「侵略者」と呼んでいることからしても副主題ですら無さそう。東日本大震災後の原発の爆発に関しての日本人の過剰反応や過小反応などを揶揄する部分が多いので、そこが主題と言われても納得するくらい








◎前章
・最初(3年前の8月31日)に出現して数万人の日本人が死んだときはおいといて、その後は母艦(全長5キロの大型宇宙船。故障中。)は日本に攻撃をしてこないのに、攻撃をしてこない小型船や中型船があらわれたときに東京23区のビルや住宅が密集していて人がたくさんいるところの上空なのに、旅客機がすぐ横を飛んでいるのに、攻撃して宇宙船を撃墜する日本政府というのもどうかと思います。地上に墜落して地上に被害が出るのは明らかですし、実際に死者が出ました(栗原キホが死に、後章ではキホの彼氏の小比類巻健一が過激化して侵略者を殺しまくる)。知的生命体がいるのか不明だとしても日本政府が呼びかけをして外交交渉に持ち込もうとしないのも謎ですが、これをした上で、と思うことにしておきましょう(どこから来たのか分からないくらい遠くから来た母艦ですから、母星にはさらなる戦力があると考えるのが妥当なので、ここで攻撃をしてこない母艦を攻撃して侵略者や母星を怒らせるより、和平を模索した方が被害が少なく済みます)。

 侵略者が乗っていて、侵略者が地上に降りて来ていることはどこかの段階で日本政府も(アメリカ政府も)把握していて、しかも敵対的ではないのに地上で見つけたら殺すというのも謎で、捕まえて情報収集するか、捕虜にすべきです(捕虜がいれば、侵略者も日本を攻撃しずらくなります)。ラストで多数の中型船を攻撃し、数千人か数万人か分かりませんが多数の侵略者が空から地上に落ちて死にましたが、中型船なら侵略者も多数乗っていることは容易に想像できますし、地上に落ちたら小型船よりも被害は大きくなりますし、侵略者がいることを隠してきたのに墜落したら中から侵略者が出てきてバレる可能性が高まりますし、謎の行動だらけの日本政府です。

・侵略者は身長が1mあるかどうかくらいで、大人と子供の身長差はありそうですが皆が同じくらいの大きさで、皆が同じ宇宙服のようなものを着ています。顔もガラスだか何だかで覆われていて、目や口などがあるかは見えないですが、地上で料理をして食事をしているようなので、宇宙服がなくても短時間なら生きられるということなのか、宇宙服ではなくそういう体なのか、謎です。なお、後章では食べないと死ぬと言っていたので、基本的には地球人と同じかも知れません。
 通常の地球人の姿で日常生活をしている侵略者もいるので、何らかの方法で変身できるのかも知れませんし、侵略者にも種類があるのかも知れません。なお、後章によると、死にそうになった侵略者の精神みたいなものを地球人の体に移植したということでした。

・最初に母艦が現れたときに、東京23区の上空なのにアメリカ軍が新型爆弾を撃ち、それによるA線の汚染で東京の空気が汚れました。
 門出の母は常にマスクと目のまわりのほとんどを覆うメガネをしていて、何も付けない門出に付けろ、あなたのためを思って、と怒るばかり。門出は過剰反応だと思っていて、親子の仲も悪くなり。

 東日本大震災(2011年3月11日)で東京電力の福島県の原子力発電所が爆発して放射線がそこら中に飛び散り、東京も直ぐ逃げないと危険だと不必要に過剰反応する人がそれなりにいたことも踏まえてのシーンなのでしょう。実際に原子力爆弾が東京23区で爆発したら東京付近から逃げなければならないくらいに汚染されるでしょうけれど、本作ではそうする必要がないので、原爆ではないということでしょう。

 ネットでは東京は危険だと言っているとネットのコメントは信じるのに家族や友人やTVや新聞のニュースは信じないという謎の言動も東日本大震災でありましたが、それも本作で描かれていました。東京は危険だ、それなのに東京に行くというのは情報弱者だと地方の人がバカにするというのは、私の記憶にはありませんが、東日本大震災で実際にあったとしても不思議はありません。

・前章の前半は退屈。なんらかの伏線はあるはずですが、どれが伏線かなんて分かりませんし、どれが伏線か分かったとしてもその伏線がどう繋がっていくかなんて分かりません。
 後半で、これまで客が見せられてきた「現実」とは異なる「現実」が描かれたシーンがありました。いじめられていたのはおんたんではなく門出だったとか、侵略者(地球に視察に来ていた。)の武器を手に入れた小学生の門出が正義の味方になった気になってゆがんだ正義を元に平気で多数の人を殺したりとか。
 どっちが本当なのか、タイムリープなのか、平行世界なのかは後章で明らかになるのでしょう。後章で面白くなる可能性がないわけではない終わり方だとは思いましたが、後章が楽しみな終わり方というほどではありませんでした。なお、後章では並行世界でした。

・キャラが可愛いわけではありませんし(萌え絵、萌えアニメではない。)、アクションが凄いわけでもありませんし、前章では良いところを見つけにくいです。

◎後章
・PG12なのは、殺戮シーンと血しぶきが多めだからかと。

・こっちの並行世界の地球では、侵略者は元は地球に住んでいて、地球に住めなくなったので宇宙に逃れ、また戻ってこようと地球に来て、ここまで地球人が知的に発達しているとは想定していなかった、労働力として使うつもりだったが発達しているのでできないと思った、のだとか。
 母艦が故障したので帰れず、母星からも助けが来ない、どうするかについて母艦内で対立があるのだとか。

・前章で回想形式であった門出の自殺、それ自体は変えられないけれど、平行世界におんたんを行かせることはできると侵略者(地球に視察に来ていた。)は言い、本作の舞台となっている平行世界にやってきたのがおんたん。門出が自殺しないよう、2人で仲良くいられるよう、おとなしい性格だったのにアホっぽい性格に変わったのが今のおんたん。

 それが原因で人類が滅ぶという結末になるかも知れないとは侵略者に言われていましたが、そうなりました。
 と思ったら、都合良く、それを止める可能性のある方法を知っている大葉圭太(地球人の体に侵略者が移植された人。)が母艦の動力炉に入り込んで操作をし、遅かった、と思ったら効果はありました。母艦の中に入ったら戦闘もなくすんなりと動力炉に行けた謎。

・何もしなければ母艦のエネルギーの何だったかが世界中に飛び散って、それに触れた人=全人類は死ぬわけですが、一部にしか飛んでいかなかったようです。でも、フランスやアメリカまで飛んでいってある程度の人が死んだのに、母艦が壊れた東京から100㎞か100数十㎞の神奈川県と静岡県の境あたりには飛んでこなかったですし、東京の多くにも飛んでこなかったようです。

 娯楽という面が主の作品だろうから全人類全滅はない可能性の方が高いとは思って見ていましたが、そのとおりになりました。

○公式HPから。
前章
 『東京でハイテンション女子高生ライフを送る、小山門出(こやま・かどで)と“おんたん”こと中川凰蘭(なかがわ・おうらん)。
 学校や受験勉強に追われつつも毎晩オンラインゲームで盛り上がる2人が暮らす街の上空には、3年前の8月31日、突如宇宙から出現し未曽有の事態を引き起こした巨大な〈母艦〉が浮かんでいた。
 非日常が日常に溶け込んでしまったある夜、仲良しクラスメイトに悲劇が起こる。
 衝撃と哀しみに打ちのめされる二人。
 そんな中、凰蘭は不思議な少年に出会い「君は誰?」と問いかけられる。
 その途端、凰蘭の脳裏に、すっかり忘れていた門出との過去が一瞬にして蘇る――!』

後章
 『入試に合格し、亜衣や凛と同じ大学に通うことになった門出と凰蘭。
 大学では竹本ふたば、田井沼マコトと意気投合、会長の尾城先輩がいるオカルト研究会に入部してキャンパスライフが始まった。
 一方、宇宙からの〈侵略者〉は東京のそこかしこで目撃され、自衛隊は無慈悲な駆除活動を粛々と実行していた。
 上空には、傾いて煙が立ち上る母艦。
 政府転覆を狙い〈侵略者〉狩りを続ける過激派グループ・青共闘の暗躍。
 世界の終わりに向かうカウントダウンが刻まれる中、凰蘭は、またもあの不思議な少年・大葉に遭遇する…。』


【shin】


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