「まあまあ二人とも」百合江が割って入る。しかし、口調は楽しそうだ。「……楓姐さんは良しとして、みつさんは何も知らないのよねぇ……」
「でも、殿方の……お尻をぺちぺちすれば良いのでしょう?」みつが開き直ったように言う。「さとみ殿のお相手の子のお尻ぐらいなら、すぐに出来るでしょう」
「やれやれ、だから素人はダメなんだよ」楓はため息をつく。「いいかい。いきなり尻をぺちぺちしたって何にもならないんだよ。こっちに気持ちを引き付けてからじゃないと意味がないんだ」
「そうなのですか、百合江殿!」みつは驚いたように言う。「わたしは、そんな話は聞いておりませんでしたぞ!」
「でも、そうなのよねぇ……」百合江は困惑するみつを楽しそうに見ている。「男の方から『どうぞペちぺちして下さい』って言ってくるように仕向けなきゃ、難しいかもね」
「そんな……」
「じゃあ、剣士様はやめるかい?」楓が茶化す。「そして、ずっと男女のままでいるつもりなんだね。あはははは!」
「……」みつは楓をにらむ。怒りで全身が震えている。「やめぬ! これも修業だからな! やめるわけには行かぬ!」
「おやおや、立派な覚悟だねぇ」楓は意地悪そうに笑う。「で、剣みたいに、どうやるのか知ってんのかい?」
「どうやるって……」みつは黙ってしまう。改めて思えば、女の武器なるものを知ったのも、この件があったからだ。「なにせ初めてのこと故、わからぬ……」
「それは困ったわねぇ」百合江が言う。「みつさん、ここは覚悟を決めて、玄人の楓姐さんに教えてもらったら?」
「え? そ、それは……」
「イヤなのかい? わたしに教わるのがイヤなのかい? 一人じゃ出来ないのにさ!」楓は意地悪そうに、小馬鹿にしたように言う。「どうしてもイヤってんなら、やめるしかないねぇ」
「いや、やめぬ!」
「じゃあ、わたしの言う通りにやってみるこったね」
「……わかった……」みつは悔しそうだ。「では、教えてもらいたい……」
「おや? 教わろうって側の言葉じゃないようだねぇ」
「……」みつは覚悟を決めた。楓に頭を下げる。「ご教示、お願い致します……」
「ま、そこまで言われちゃぁね」楓はにやりと笑う。「教えてやるよ」
つづく
「でも、殿方の……お尻をぺちぺちすれば良いのでしょう?」みつが開き直ったように言う。「さとみ殿のお相手の子のお尻ぐらいなら、すぐに出来るでしょう」
「やれやれ、だから素人はダメなんだよ」楓はため息をつく。「いいかい。いきなり尻をぺちぺちしたって何にもならないんだよ。こっちに気持ちを引き付けてからじゃないと意味がないんだ」
「そうなのですか、百合江殿!」みつは驚いたように言う。「わたしは、そんな話は聞いておりませんでしたぞ!」
「でも、そうなのよねぇ……」百合江は困惑するみつを楽しそうに見ている。「男の方から『どうぞペちぺちして下さい』って言ってくるように仕向けなきゃ、難しいかもね」
「そんな……」
「じゃあ、剣士様はやめるかい?」楓が茶化す。「そして、ずっと男女のままでいるつもりなんだね。あはははは!」
「……」みつは楓をにらむ。怒りで全身が震えている。「やめぬ! これも修業だからな! やめるわけには行かぬ!」
「おやおや、立派な覚悟だねぇ」楓は意地悪そうに笑う。「で、剣みたいに、どうやるのか知ってんのかい?」
「どうやるって……」みつは黙ってしまう。改めて思えば、女の武器なるものを知ったのも、この件があったからだ。「なにせ初めてのこと故、わからぬ……」
「それは困ったわねぇ」百合江が言う。「みつさん、ここは覚悟を決めて、玄人の楓姐さんに教えてもらったら?」
「え? そ、それは……」
「イヤなのかい? わたしに教わるのがイヤなのかい? 一人じゃ出来ないのにさ!」楓は意地悪そうに、小馬鹿にしたように言う。「どうしてもイヤってんなら、やめるしかないねぇ」
「いや、やめぬ!」
「じゃあ、わたしの言う通りにやってみるこったね」
「……わかった……」みつは悔しそうだ。「では、教えてもらいたい……」
「おや? 教わろうって側の言葉じゃないようだねぇ」
「……」みつは覚悟を決めた。楓に頭を下げる。「ご教示、お願い致します……」
「ま、そこまで言われちゃぁね」楓はにやりと笑う。「教えてやるよ」
つづく
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