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【時代は】原子力な未完発明 5選【アトミック!】

2017-07-16 01:20:09 | 科学

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(担当S)
 

※本記事は2017/01/26に投稿した記事に、修正を加えて再投稿したものです。

 
 その昔、原子力は未来のエネルギーとして大きく期待されており、色んなモノを原子力で動かそうと試みた時代がありました。
 そんな原子力を動力として動かそうした試みの中には、幾らなんでもコレはやり過ぎだろうと言いたくなるようなモノもありました。
 それで今回は、そんな時代に未完成で終わった原子力な発明品5選を、担当Sの独断と偏見で選んで紹介して行こうと思います。
 
 
(1)原子力機関車
 写真は旧ソ連が計画していたモノですが、旧ソ連だけでなくアメリカや日本にも同様の計画がありました。
 機関車に原子炉を搭載することによって、鉄道の電化に必要な諸々の設備を省略できる利点があったので、一時は真剣に実用化が検討されました。
 しかし原子炉からの放射線を防ぐシールドが非常に重く、その重さに耐えるには線路を敷き直さなければならなかったので、経済性が疑問視されて実用化される事はありませんでした。
 その他にも、使用済み核燃料の処理の方法など、解決しなければいけない課題が幾つもありました。
 あくまで設計値ですが、原子力機関車の性能自体は非常に高かったようです。
 
 
(2)原子力飛行機
 またしても写真は旧ソ連のモノですが、アメリカでも同様の計画がありました。
 この頃の米ソ両国は、相手の国を偵察するのに飛行機を使っていましたが、軍事上の理由から相手の国の国境付近を何日も給油なしで連続して飛び回り、常に監視できるような飛行機が必要とされていました。
 そこで原子炉を積んで、半永久的に飛び回れる飛行機の製作が検討されました。
 これならずっと同じ地点を何日でも何週間でも飛び回っていられるので、相手の国を常に監視する事が出来ます。
 しかし飛行機用の軽量な原子炉が開発できず、放射線の問題にも悩まされ、宇宙から常に相手の国を監視ができる偵察衛星が実用化されると、乗っている人が被曝する可能性が非常に高い原子力飛行機の計画はキャンセルされました。
 
 
(3)原子力自動車
 写真はアメリカのフォードが1950年代末に設計した「ニュークリオン」と言う自動車の完成予想イラストです。
 一回の燃料補給で8,000キロメートルも走れる自動車として設計され、原子力燃料は車の後部の銀色の円盤部に納められる予定になっていました。
 後部の原子力燃料が納められている円盤部と運転席が離れているのは、放射線で車に乗っている人が被曝しないようにする為の対策です。
 しかし「ニュークリオン」はフォードの技術力を誇示するためのコンセプトカーと言う色合いが強く、原子力自動車のコンセプトが世の中に発表されただけで「ニュークリオン」が実際に製造されることはありませんでした。
 もし実用化されていたら、燃料の交換は車の後部の円盤部ごと交換する予定でした。
 
 
(4)原子力戦車
 写真は1950年代にアメリカで試作された原子力戦車です。
 戦車という乗り物は驚異的に燃費が悪く、例えば第二次世界大戦の時に使用されていたアメリカのM4シャーマン戦車は、1リットルの燃料で走れる距離は僅か0.1キロメートル(つまり100メートル)でした。
 燃料タンクを大きくすれば走れる距離は伸びますが、そうすると積める砲弾の数が少なくなってしまいます。
 そこで考えられたのが、従来の石油系の燃料を必要としない原子力で動く戦車でした。
 アメリカ軍のエライ人は、一回燃料を補給すれば4000マイル、つまり6437キロメートルは走れる性能を原子力戦車に求めました。
 これは余裕でアメリカ大陸を横断できる性能です。
 その上、水陸両用にする事も求められました。
 写真の戦車のデザインが不恰好なのは、水の上でも使えるように作られた為です。
 しかしと言うかやっぱりと言うか、放射線で中に乗っている人が被曝してしまう問題を解決できず、結局、原子力ユニットを搭載しない試作車が作られただけで計画はキャンセルされました。
 
 
(5)原子力宇宙船
 写真はアメリカのNASAが考案した原子力火星有人宇宙船です。
 アポロ11号によって1969年7月20日に人類初の月面着陸を成功させたNASAは、次なる有人宇宙飛行の目的地として火星へ人類を送る事を検討し始めます。
 従来のロケットのパワーでは、とても火星には人類を送れそうになかったので、宇宙船には原子力ロケットエンジンを積むことにしました。
 原子力ロケットエンジン自体は既に1972年に開発されていたので、多くの技術的な問題はクリアされていました。
 しかしアポロ11号の月面着陸の成功以降、国民の宇宙計画に対する関心は冷めており、ベトナム戦争の影響でアメリカは経済的にも社会的にも疲弊していたので、アポロ計画よりも遥かにおカネがかかりそうな有人火星飛行計画はキャンセルされてしまいました。
 もし計画が実行されていたら、2機の原子力宇宙船が編隊を組んで火星に向かう予定でした。
 
 
 …と、いう感じで原子力と言うエネルギーが今よりも熱かった時代には、色んな事に原子力を使う事が真剣に検討されていました。
 被曝と使用済み核燃料の問題がクリアできれば、コレはひょっとしてアリかなぁ…と思えるアイデアから、全くナンセンスなアイデアまで、1940年代後半から1970年代にかけて色んなアイデアが生まれました。
 当時の人達は現在とは違って、原子力と言うエネルギーにバラ色の未来を見てたんだなぁ~、って気がします。
 
 
 
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2 コメント

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夢の原子力 (タック)
2017-01-12 08:03:15
そういえば、鉄腕アトムもドラえもんも原子力で動く設定でした。
未来エネルギーとして期待されていた時代だったのでしょう。
21世紀は電気エネルギーが主で、その一翼を原子力発電が担っているという構図になりましたね。
Re:夢の原子力 (SHIKIBUさんのブログ(担当S))
2017-01-12 08:15:32
コメントありがとうございます。
ドラえもんの「原子力が動力源」の設定に関しては、世間の脱原発・反原発の感情に迎合して、設定そのものが変えられてしまいましたね(汗)
現在のドラえもんは、何を食べてもエネルギーに変えられる"謎の動力源"で動いてる設定になってますが、なんか凄く非科学的に感じるのは私だけでしょうか?

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