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【なんじゃこりゃ?⑩】世界の大失敗発明品10選【理解できん!】 最終回(10回シリーズ)

2017-07-16 01:20:02 | 歴史
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(担当S)


※本記事は2017/01/12に投稿した記事に、修正を加えて再投稿したものです。

 
 世の中の発明品の中には、作っている本人は大真面目でも、端から見ると「……」としか言いようの無い発明品が数限りなくあります。
 そこで今回は、そう言った発明品の中でも、特にぶっ飛んだ発明品を、担当Sが独断と偏見で選んで紹介していきたいと思います。
 
 
 
■「これはアカンやろぉ…」思わずドン引きする世界のぶっ飛んだ発明品10選 (10回シリーズ 最終回)
 
●ソビエト流、超大型貨物空輸法
 今回で最終回となる「世界の大失敗発明品10選」ですが、全シリーズを通して読み返してみると、ぶっ飛んだ発明品の多くがイギリスと旧ソ連に集中している事が分かります。
 政治的にも歴史的にも対立する事が多いこの2カ国ですが、何らかの問題を解決するアプローチについては実は一緒の国なんではないか?と思う程に良く似ています。
 アメリカもたまに変な物を発明しますが、イギリスと旧ソ連が生んだ多くの珍発明の前では、アメリカの珍発明なんて霞んで見えてしまいます。
 だからと言う訳ではありませんが、このシリーズの大トリを務めるのも、やっぱり旧ソ連の発明品です。
 前回はイギリスの発明品がトリを務めましたから、大トリは旧ソ連で決定です。
 なんだか良く意味が分からないトリと大トリの判断基準ですが、そういう細かい事は取り敢えず気にせずに話を進めていきたいと思います。
 突然ですが皆さんは、旧ソ連のスペースシャトル計画と言うのをご存知でしょうか?
 スペースシャトルと言えば、宇宙開発とかの話題に関心がない人ならアメリカが作った宇宙ロケットだと思うのが普通ですが、実は旧ソ連もスペースシャトルを製作して実際に宇宙に打ち上げた事があります。
 実は、冒頭の写真の巨大な飛行機の上に、ちょこんと子亀のように乗っている飛行機が、旧ソ連版のスペースシャトル「ブラン」なのです。
 上の写真(※PCで閲覧している場合は右の写真)が、その「ブラン」が宇宙への打ち上げ準備をしている時の写真なのですが、なんだか見た目はアメリカのスペースシャトルと区別がつかないですよね…
 「コレ、アメリカ旅行に行った時に撮った写真やねん!」と言われたら100人中100人は恐らく信じてしまうと思います。
 旧ソ連のスペースシャトルは、アメリカから遅れること7年後の1988年に初飛行を果たしているので、当初から「アメリカのスペースシャトルのコピーでは無いか?」と言われていました。
 外見はソックリでも打ち上げ方法などの中身の方はかなり異なるので「コピーと言うのは言い過ぎではないか?」と言う意見もありますが、これ以上この話を続けるのは本題から逸れるので、このあたりでやめておきます。
 この旧ソ連版のスペースシャトルの開発が始まったのが1970年代末なのですが、開発が始まるとすぐにある問題に突き当たります。
 それは、スペースシャトルを打ち上げる場所として予定していたバイコヌール宇宙基地と旧ソ連国内に散らばるロケット工場が余りにも離れており、スペースシャトルの各部品を迅速に運ぶ方法が無いことに事に旧ソ連のエライ人は気がついたのです。
 それまでも旧ソ連はバイコヌール宇宙基地から宇宙ロケットを打ち上げていたのですが、今までの宇宙ロケットは何とか飛行機で空輸できるサイズでした。
 ところがスペースシャトルは、オービターと呼ばれる人間が乗り込む部分だけでも36メートル以上はあり、打ち上げ用のロケットに至っては全長が59メートル。小さな部品に分割して空輸しようとしても、各部品のサイズが大きすぎて従来の飛行機では無理でした。
 そこで開発されたのが、冒頭の写真に写っている大きい方の飛行機、その名も「アントノフ225」で、世界で一番重たい超巨大な飛行機にも関わらず軽快な飛行性能を誇り、輸送用の飛行機としても非常に優れたものでした。
 この「アントノフ225」が開発された事によって、旧ソ連のエライ人の頭を悩ましていた問題は根本的に解決されたのです…
 …と言いたいところですが、「アントノフ225」は開発が遅れに遅れ、結局「アントノフ225」が初飛行をしたのはソ連版スペースシャトルが初飛行したのと同じ年の1988年になってしまいました。
 当然、「アントノフ225」はソ連版スペースシャトルの開発計画に殆ど何の貢献もしていません。
 じゃぁ、それまでどうやってスペースシャトルの部品を運んでいたのかと言えば、「VM-T」と言う名前が付けられた飛行機で部品を運んでいました。
 旧ソ連のエライ人は「VM-T」と言う飛行機を開発する時に、開発期間を短縮するために既存の飛行機を改造して使う事を思い付きます。
 上の写真(※PCで閲覧している場合は左の写真)が「VM-T」のベースとなった「M-4」と呼ばれる爆撃機ですが、一見すると何の変哲も無い飛行機に見えますね。
 実はこの「M-4」はエンジンの性能が悪く、飛行できる距離が短かった為に、軍ではお荷物扱いされていました。
 そのお荷物であった「M-4」を有効活用する為に、旧ソ連のエライ人はこの飛行機に各種の改造を施して、超大型貨物を空輸できる「VM-T」にする事を決定します。
 主な改造点としては、垂直尾翼と呼ばれる飛行機が空を飛ぶ時に安定を保つための重要な部品を、それまでの1枚から2枚に増やして、更にサイズも大型化しました。
 そして飛行機の背中には、何故か車のルーフキャリーみたいな部品を取り付けました。
 どうしてルーフキャリーみたいな部品を取り付けたのかと言うと、そこに専用にあつらえた空輸用コンテナを載せようと思ったからです。
 こうして完成したのが、超大型貨物の空輸を可能にする夢の飛行機「VM-T」でした。
 上の写真(※PCで閲覧している場合は右の写真)が、その「VM-T」なんですけど、これは一体…
 皆さんが今、何を思っているのか、だいたい察しが付きますので当ててみましょうか?
 「これ、ホンマに空を飛ぶの?」
 と思ったんでしょう。
 どうですか?当たってますよね?
 もぉ、どこからどうツッコメばいいのか途方に暮れますが、恐らく誰がどう見ても、やっつけ仕事で作られた飛行みたいな"何か"にしか見えません。
 それでも気を取り直して、「VM-T」についての解説をして行きたいと思います。
 飛行機と思われる部分の背中に取り付けられている円筒形の巨大なタンクみたいなのは空輸用のコンテナで、これはボルトや溶接でガッチリ固定して取り付けられている訳では無いので脱着する事が可能です。
 実は「VM-T」の本体は飛行機の部分だけなんですね。
 「VM-T」は普通なら誰でも考える、飛行機のサイズを大型化する事によって大きな荷物を運ぼうと言う常識的な発想を捨てて、ただひたすら巨大な空輸用コンテナを運ぶ事を念頭に置いて作られたコンテナ輸送専用機なのです。
 でも、この空輸用コンテナ、どう見ても「VM-T」の胴体の直径より一回りは大きく見えますよね。
 こんなやっつけ仕事で作ったような飛行機が、本当に空を飛ぶんでしょうか?
 それがどうした訳か飛ぶんですよコレが。
 上の写真(※PCで閲覧している場合は左の写真)は先に紹介した「VM-T」の写真とアングルが殆ど一緒なので、まるでコラのように見えますが、これは本当に「VM-T」が空を飛ぶところを写した写真です。
 この「VM-T」の飛ぶ様子を見たアメリカやヨーロッパの飛行機の専門家は、腰を抜かすほどビックリ仰天しました。
 専門家の人も普通の人も気になるところは一緒みたいで、どう見ても「VM-T」の胴体より一回り大きい空輸用コンテナを、どうしてそれを担がせて飛ばそうと思ったのか?それを専門家の人も気にしていました。
 実際、「VM-T」は非常に操縦がし難い飛行機で、それは別に専門家でなくてもその姿形を見ればだいたい想像が付きますが、専門家が気にしたのはそこでは無く「本当にそれしか解決方法がなかったのか?」と言う点について気にしていました。
 冒頭の写真で紹介した「アントノフ225」も同じ旧ソ連が作った飛行機ですが、飛行機で大きな荷物を運ぼうと思ったら「アントノフ225」のように機体を大型化するのが普通です。
 アメリカやヨーロッパでも超大型貨物を空輸する飛行機を開発する時に、「VM-T」のような従来の飛行機を改造するケースもありますが、それらの改造機は例外無く胴体がかなり太く改造されています。
 旧ソ連でもやろうと思えばアメリカやヨーロッパと同様に、従来の飛行機の胴体を太く改造する事はできたのですが、どうした訳か旧ソ連のエライ人はその選択肢を選びませんでした。
 しかし無茶苦茶な事ばかりを発案したり選んだりする旧ソ連のエライ人も「アントノフ225」が登場してからは、流石に「VM-T」は性能不全の飛行機だと思ったのか、政府が絡むお仕事では殆ど使用されなくなりました。
 ところがソ連邦が1991年に崩壊すると「アントノフ225」の製造メーカーが現在のウクライナにあった事から、旧ソ連の直接の後継国家であるロシアの手からは離れてしまいました。
 ソ連邦崩壊後のロシアは10年以上もドン底状態の経済が続いたので、超大型貨物を空輸する余裕なんてありませんでしたが、プーチン政権が成立するとドン底だった経済が上向き始め、中進国程度の経済状態までなんとか回復しました。すると、ロシア国内で超大型貨物を空輸する必要性が僅かながら出てきました。
 そこで、ロシアのエライ人が集まって「超大型貨物をどうやって空輸しようか?」と言う話になった時に白羽の矢が立ったのが、なんとあの「VM-T」でした。
 一度は隅っこに追いやられた「VM-T」でしたが、現在のロシアには他に適当な超大型貨物の空輸法と言うのが存在しない為に、まさかの大復活を遂げました。
 と、言っても、空輸してまで運びたい超大型貨物そのものがあんまり無いので、そんなに活躍はしていないようですが…
 大事故が起こる前に、いい加減使用するのをやめた方がいいのでは…と思うのは、決して担当Sだけでは無いと思います。



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