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シゲタ動物薬品工業の人獣研と養鶏業界のQ熱コクシエラ論争について

シゲタ動物薬品工業の人獣研と食の安全協会によるQ熱コクシエラ論争について、鶏界を含む双方の主張を紹介

シゲタ動物薬品工業の社員が犬用血液型判定薬の無許可販売を認める

2007-12-16 11:31:12 | シゲタ(西尾義行)人獣研(巽典之)Q熱
社員4人「無許可」認める 犬用薬品販売で供述

「シゲタ動物薬品工業」(小矢部市)による犬用血液型判定薬の無許可販売事件で、薬事法違反(医薬品の無許可販売)の疑いで逮捕された社員ら5人のうち4人が、県警の調べに対し、「農水省の許可を得ないまま、判定薬を販売した」と供述していることが分かった。

 一方、社長の西尾義行容疑者(57)は「販売には該当しない」と一貫して否認しているという。県警は、組織的に違法性を認識しながら薬品を販売していたとみて詳しく追及している。

 犬用血液型判定薬をめぐっては2005年4月、農水省が立ち入り調査をし容疑が発覚。同年11月には県と同省が合同で立ち入り調査し改善を指導したが、改善されないため、同省が06年2月、県警に告発。県警は11月30日、社長ら5人を同法違反の疑いで逮捕した。

 逮捕当初、5人は、「農水省に確認した際に法手続は不要との回答を得ていたうえ、会員に限定しており、販売ではない」と容疑を全面的に否認していた。

(2007年12月14日 読売新聞)

医薬品の無許可販売の危険性について

2007-12-16 11:23:43 | シゲタ動物薬品工業の未承認ワクチン
なぜ医薬品の無許可販売を厳しく取り締まる必要があるのでしょうか?


茨城県で発生した鳥インフルエンザ事件では、これまでの調査結果から今回のウイルス(H5N2型)は中米のグアテマラ株であることが判明しており、中米から渡り鳥が飛来する可能性が低いことから、ワクチンやウイルスのバイオテロの可能性も考えられます。

2005年12月30日付け読売新聞では、特に違法ワクチンの可能性を報道しています。(赤枠囲み部分2か所で指摘)

●記事:読売新聞 2005年12月30日付 朝刊より (PDF:910KB)

2006年2月9日号週刊新潮でも違法ワクチンの可能性を報道。(赤枠囲み部分で指摘)

●記事:週刊新潮2月9日号42~45頁 (PDF:513KB)

農水省関係者の言葉として、「感染源の可能性は二つある。ワクチンを認可させたい人たちが、養鶏業者に“危険だ”と煽ってワクチンを裏で買わせ、鶏に打たせて被害を広げた。あるいは“ライバル業者を潰したいがために、誰かがウイルスをバラまいたか。いずれにせよ、被害が広がればワクチン必要論が高まるかもしれない」を引用し、今回の鳥インフルエンザ発生は人為的な「陰謀ウイルス」が原因としか考えられないと結論。

参考:イセ食品


文科省がシゲタ動物薬品工業を厳重注意 カルタヘナ法違反で
http://www.eic.or.jp/news/?act=view&serial=16193

 文部科学省は平成19年5月18日、シゲタ動物薬品工業に対し、「カルタヘナ法」に違反した組換え生物の使用に対する再発防止策を徹底するよう文書で厳重注意を行った。カルタヘナ法では、実験室などの施設内で環境中への拡散防止策をとって組換え生物を使用する(同法の第2種使用に該当する)場合にも、その措置が適切かどうか、あらかじめ主務大臣の確認を受ける必要がある。
 シゲタ動物薬品工業ではカルタヘナ法に関する認識不足などから、遺伝子組換えトリインフルエンザウイルスを使用した実験について、確認申請を怠るなどの不適切な実験を続けていた。


犬の血液型判定薬を無許可販売、薬事法違反で「シゲタ動物薬品工業」社長(元ブルー十字社長)を逮捕!

2007-12-09 14:46:48 | シゲタ(西尾義行)人獣研(巽典之)Q熱
Barking Dogさんより引用

犬の血液型判定薬を無許可販売、薬事法違反で「シゲタ動物薬品工業」社長(元ブルー十字社長)を逮捕!

報道によると、犬の血液型判定薬を製造販売している富山県小矢部市の「シゲタ動物薬品工業」の西尾義行社長(57)、役員、従業員、計5名が富山県警に薬事法違反(無許可販売)の容疑で逮捕されました。

北日本放送
シゲタ動物薬品工業

この西尾社長は、元は10年前に倒産した輸血用の犬の血液を販売していた「ブルー十字」の社長で、シゲタ動物薬品工業はそのブルー十字を再建したもの。
1997年、石川県にあったブルー十字の倒産で富山県小矢部市の飼育施設内の440頭もの犬猫が放置状態となり、元社員がなんとか世話を続けていた状態。電気も停められようかと言う時に富山市内の小さな動物愛護団体が介入し、全ての犬の譲渡を行ったのですが、譲渡直後からブルー十字側が犬の返還を要求したり、何かとゴタゴタがあり、どうなるのかと思いながら報道をみていたのを覚えています。(返還を求めてきた時点で既に再建の目処が立っていたのだと思う。債権者としては潰して貸し倒れになるよりも再建させたほうが負債を回収できると考えてのことだと思う)
最近でもこちらにあるような参加していた大阪の某団体が捏造本を出したとかで譲渡を主催していた地元の団体とトラブルになっているようです。(某団体のほうがおかしいと思いますがね。当時の報道を見ていた人であればすぐにわかることです)

問題のシゲタの血液型判定薬のことはテレビでも紹介されていたので知っていましたが、その判定薬を獣医師に無許可で販売し、農林水産省が昨年2月に告発し、今回の逮捕となったとのこと。また、判定薬は国の承認を受けていない未承認医薬品の疑いもあるようです。
シゲタは、文部科学省からも下記のリンク先にあるように厳重注意を受けており、かなり問題がある企業のようで、私としてはお騒がせ企業と言う印象があります。

農林水産省による告発の経緯は、一昨年4月に農林水産省が立ち入り調査に入り、再三、無許可販売をやめるように行政指導を行ったものの、指導に従わなかったために昨年2月に告発に踏み切ったとのことですが、たかが無許可販売(と言えば語弊があるかもしれませんが)で農林水産省が直々に立ち入り調査したり、刑事告発すると言うのは異例のようにも思うのですが。
オークションでフィラリア予防薬を売るのも今回の逮捕容疑と同じく無許可販売ですよ。こちらのほうは黙認しているわけではないと思いますが、サイト運営者側が非協力的であることもあり、事実上、放置状態です。(まぁ獣医師に売るのと、一般に売るのとでは意味合いが違います)
むしろ、未承認のほうが問題で、効果の不明(公的に証明されていない)な未承認薬の判定結果で医療行為が行われることになるため、飼い主としてはこちらのほうが怖い。
薬事法違反があったとしても、普通は都道府県の担当課が立ち入り調査を行い改善すべき点があれば指導する程度で終ると思うのですが(勧告や命令に従わない場合には悪質であるとして告発することはありますが、告発までには数年を要することもある。)、農林水産省が告発したと言うのはよほど重大なことをしたのではないか。
下記のリンク先にあるような鳥インフルエンザのワクチンが狙いであるなら納得できますし、こちらのほうが重大な問題で、少なからず関係しているのかもしれませんね。
未承認ワクチンの事件としては、某ハムメーカーの子会社が未承認の豚コララワクチンを製造販売して摘発された例があり、それが原因と思われる発生もありました。この事件では農林水産省が告発しています。また、茨城県で相次いだ鳥インフルエンザの発生は、密輸入された未承認ワクチンが原因との説があります。
いずれにしても、真相はわかりませんがね。

http://www.asyura2.com/0601/gm13/msg/238.html

http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/19/05/07051608.htm

http://www.eic.or.jp/news/?act=view&serial=16193&oversea=

旧ブルー十字社長だった方、また逮捕されちゃったみたいですね。
さよなら、じっけんしつブログさんより

動物用医薬品 無許可販売で5人逮捕
http://www2.knb.ne.jp/news/20071201_13809.htm

カルタヘナ法違反もやってたし、、、
http://www.eic.or.jp/news/?act=view&serial=16193

ブルー十字事件については下記のサイトが詳しいです。
http://www14.plala.or.jp/withinuneko/

富山県警 犬用血液型判定薬違法販売の「シゲタ動物薬品工業」社長ら5人を薬事法違反で逮捕

2007-12-09 14:39:31 | シゲタ(西尾義行)人獣研(巽典之)Q熱
【2007.12.04】新着 薬事法ニュース リリース

11月30日、富山県警生活環境課、小矢部署、南砺署の合同捜査本部は、承認されていない犬用血液型判定薬を許可なく販売したとして、富山県小矢部市の「シゲタ動物薬品工業」社長西尾義行容疑者(57才)、同社役員福田武志容疑者(51才)、同社社員鷲尾政二容疑者(55才)、同社社員金村正明容疑者(53才)、同社社員松原喜美代容疑者(51才)の5人を薬事法違反(医薬品の無許可販売)の疑いで逮捕し、関係先を家宅捜索した。調べに対し5人は容疑を否認している。

調べによると、西尾容疑者らは平成17年4月から5月までの間、動物用医薬品の一般販売業の許可を受けずに、名古屋市などの3か所の動物病院に、農林水産省の承認を受けていない犬用血液型判定薬3セットを計7万8千円で販売した疑い。

関連URL:http://www.yakujihou.com/

この福田武志さんって食の安全協会の事務長さんですね。

シゲタ動物薬品会社の西尾義行社長ら5人逮捕_富山

動物用医薬品の犬用血液型判定薬を無許可販売したとして、県警生活環境課と小矢部、南砺両署は30日、小矢部市の「シゲタ動物薬品工業」社長、西尾義行容疑者(57)(金沢市大桑町)ら5人を薬事法違反(医薬品の無許可販売)の疑いで逮捕し、関係先を家宅捜索した。

 他に逮捕されたのは、金沢市浅野本町、同社役員福田武志(51)、いずれも社員の南砺市細木、鷲尾政二(55)、高岡市西藤平蔵、金村正明(53)、小矢部市道坪野、松原喜美代(51)の4容疑者。

 調べによると、5人は2005年4月ごろから同年5月ごろまでの間、販売許可を受けずに愛知県内など3か所の動物病院に未承認の犬用血液型判定薬を販売した疑い。農林水産省が2006年2月、県警に告発したのを受けて捜査。同社が東北から四国地方までの全国の少なくとも78の動物病院に販売したとみて調べている。

2007年12月1日 読売新聞
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/toyama/news004.htm

未承認薬売り上げ300万円 シゲタ動物薬品工業

無許可で犬用血液型判定薬を販売したとして、「シゲタ動物薬品工業」(小矢部市)の社長ら5人が薬事法違反(医薬品の無許可販売)の疑いで逮捕された事件で、被害額は約300万円に上ることが1日、わかった。

 県警によると、同社は動物用医薬品の一般販売業の許可を受けずに、全国の少なくとも78の動物病院に、農林水産省の承認を受けていない犬用血液型判定薬を販売し、約300万円を売り上げたとみられる。県警で余罪を追及している。

 犬用の血液型判定薬をめぐっては、2005年4月に農林水産省が同社に立ち入り調査し、行政指導したが、改善されなかった。そのため同省は06年2月に県警に告発、県警が強制捜査に踏み切った。

 逮捕された同社社長西尾義行容疑者(57)ら5人は、県警の調べに対し容疑を否認しているという。同社も1日、薬事法違反の容疑を否定するコメントを出した。それによると、同社は02年5月から契約を交わした顧客に、血液型判定薬を貸し出しただけであって、販売はしていないとしている。

 一方、県内の獣医師らによると、同社と取引のある動物病院は、県内にはほとんどなかったという。西尾容疑者は石川県内で動物用医薬品などの製造販売業を営んでいたが倒産。ある男性獣医師(50)は読売新聞の取材に、「シゲタの前身だった会社は倒産後に多くの動物を放置した問題を起こすなどし、不信感を持つ病院は多かった」と話した。

(2007年12月2日 読売新聞)

再三の行政指導従わず NHKニュース

2007年12月2日 9時42分更

小矢部市の動物医薬品メーカーがイヌ用の薬品を無許可で販売したとして社長ら5人が薬事法違反の疑いで逮捕された事件で、この社長らはおととし4月に農林水産省の立ち入り検査を受けた後、無許可販売をやめるよう再三にわたって行政指導を受けたのに従っていなかったことがわかりました。

この事件は、小矢部市にある動物医薬品メーカー「シゲタ動物薬品工業」の社長の西尾義行容疑者(57)ら役員や社員5人がおととし、無許可でイヌの血液型を判定する薬品を愛知県内の動物病院など3か所に販売したとして30日夜、薬事法違反の疑いで逮捕されたものです。

農林水産省はおととし4月にこの会社に立ち入り検査に入り、その後、無許可の薬品の販売をやめるよう何度も行政指導を行いましたが社長らは従っていなかったということです。
これまでの調べに対し、西尾社長は「動物病院から依頼されて血液型を検査しただけで、薬品は販売していない」と容疑を否認しているということです。
警察は押収した資料を分析するとともに、関係者からも事情を聴いて薬品の販売ルートについて捜査しています。

文科省がシゲタ動物薬品工業に厳重注意 カルタヘナ法違反で

2007-09-02 17:49:41 | シゲタ動物薬品工業の未承認ワクチン
文科省がシゲタ動物薬品工業に厳重注意 カルタヘナ法違反で

文部科学省は平成19年5月18日、千葉県がんセンター、国立大学法人広島大学、シゲタ動物薬品工業(株)の3機関に対し、「カルタヘナ法」に違反した組換え生物の使用に対する再発防止策を徹底するよう文書で厳重注意を行った。
 カルタヘナ法では、実験室などの施設内で環境中への拡散防止策をとって組換え生物を使用する(同法の第2種使用に該当する)場合にも、その措置が適切かどうか、あらかじめ主務大臣の確認を受ける必要がある。
 3機関ではカルタヘナ法に関する認識不足などから、それぞれ、組換えアデノウイルス、組換えセンダイウイルス、組換えトリインフルエンザウイルスを使用した実験について、確認申請を怠るなどの不適切な実験を続けていた。【文部科学省】

http://www.eic.or.jp/news/?act=view&serial=16193

鳥インフルエンザ 違法ワクチンが原因説 石原農林水産事務次官記者会見
http://www.kanbou.maff.go.jp/kouhou/050905jimujikan.htm

Q: 鳥インフルエンザの件ですけれども、先週の家きん疾病小委の対応で違法ワクチンが原因説というのが否定できないという意見が出されたんですが、今後、その感染経路究明に向けて農水省としては、どういうふうに対応するのかお聞かせください。
 
A: この感染経路でございますけれども、ご案内のとおり感染経路の究明につきましては、農林水産省で専門家からなる感染経路究明チームを組織しまして、対応してきているところでございます。
   それで、9月2日の家きん疾病小委員会におきまして、これまでの調査や検討の状況を踏まえまして、一つは遺伝子解析によれば、今回のウイルスは2000年前後に中米で採取されたウイルスと同じ系統であるとされていること。それから、二つ目には野鳥によりウイルスが侵入した可能性は極めて低いと考えられることから、ウイルスが生き残っている不良ワクチンの使用等人為的な感染経路の可能性も否定できない。とこのように二つが発表されたということでございます。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070128-00000029-kyt-l26
鳥インフルの原因「野鳥の可能性低い」 京産大センター長が指摘
1月28日22時17分配信 京都新聞

 京都産業大鳥インフルエンザ研究センター長の大槻公一教授が28日、京都市左京区のホテルで開かれたシンポジウムで講演し、宮崎県清武町で発生した高病原性鳥インフルエンザについて、「鶏舎の構造上、野鳥が入る可能性はほとんど考えられない」と述べ、ウイルス感染した野鳥が直接原因となった可能性は低いとの見方を示した。
 大槻教授は、清武町の現場を発覚6日後の今月17日に視察した際、防鳥網や消毒などの対策が取られていたとして、「あの養鶏場での発生はショック。ウイルス侵入の経路は 分からない」と、従業員からの聞き取りが必要と指摘した。
 また、同シンポジウムで講演した北海道大の喜田宏教授は、宮崎県と岡山県での発生例について「いったん鶏で病原性を獲得したウイルスが野鳥に戻り、運んだ可能性がある」と述べた。
 講演後、喜田教授は記者団に対して清武町の感染原因について「中国からのウイルスに違いないが、渡り鳥そのものでなく、二次的に何かにうつった」と分析し、今後、他地域でも発生する可能性もあるとして「早期発見して被害を最小限にコントロールするしかない」と話した。

最終更新:1月29日0時37分

H5N1ウィルスを運ぶ野鳥は世界のどこに 日本・英国・カナダ・アイスランド、どこでも発見されず  
http://www.juno.dti.ne.jp/~tkitaba/earth/epidemic/07021001.htm

農業情報研究所(WAPIC)

07.2.10

 環境省が8日、宮崎県清武町の高病原性H5N1鳥インフルエンザ発生地を中心とする概ね半径10kmの範囲で捕獲・採取した野生鳥類のすべての検体で高病原性鳥インフルエンザウイルスは検出されなかったと発表した。

 また、今年1月に実施した鳥取、島根、福岡、佐賀、長崎、熊本、鹿児島の7県15地点で採取したカラス類、カモ類、シギ類等の野鳥の糞便の検査でも、高病原性鳥インフルエンザウイルスは発見できなかった。そして、カラス類、カモ類、シギ類等の野鳥が多く集まっているねぐら等の場所で生息状況の確認を行ったが、今までのところ野鳥の大量死等の異常は確認されていないという。

 環境省;宮崎県清武町の高病原性鳥インフルエンザ発生地周辺での野鳥のウイルス検査結果並びに国内での野鳥のウイルス保有状況調査の結果及び調査期間の延長について(07年2月8日)
 http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=8018

 英国でも七面鳥農場でH5N1鳥インフルエンザが発生したが、北方からの渡り鳥が到達し始める昨年8月から現在までの合計4000羽を超える英国の調査でも、H5N1ウィルスはまったく発見されていない(英国H5N1鳥インフルエンザ勃発はハンガリーと関連?,07.2.5)。

 カナダ食品検査局(CFIA)も昨日、2006年の鳥インフルエンザに関する野鳥サーベイランスの結果を発表したが、カナダ中から集められた渡り鳥と留鳥、及び北米・ヨーロッパからの鳥が入り混じるアイスランド(英国への渡りの経路にも位置する)で集められた鳥、合せて1万2000羽の検査でもH5N1を含む高病原性鳥インフルエンザはまったく発見できなかったという。

 CFIA;Canada's 2006 Wild Bird Survey Concludes With no Findings of Highly Pathogenic Avian Influenza(07.2.9)
 http://www.inspection.gc.ca/english/corpaffr/newcom/2007/20070209e.shtml

 とりわけ日本へのH5N1ウィルス侵入経路については渡り鳥説が有力視され、それを念頭においた侵入遮断対策に力が注がれているようだが、H5N1ウィルスを運んでくる渡り鳥は一体どこにいるのだろうか。野鳥、渡り鳥の感染率が極めて小さいために発見が難しいだけかもしれない。しかし、それが感染源だとすれば、発生地域周辺にも決して存在しないわけではないだろう放し飼いの鶏ではなく、専ら多少なりとも野鳥との接触に対する防護措置が取られている大規模養鶏場の鶏がやられるのか、その説明が必要ではなかろうか。さもないと、納得できる感染防護措置も見つからない。

英国環境食料農村省(DEFRA)は8日、英国七面鳥農場でのH5N1鳥インフルエンザ勃発とハンガリーでの勃発・ハンガリーからの輸入鶏肉の関連の可能性を調査していると発表した。この農場を持つバーナード・マシューズ社は、農場に隣接する工場で加工する冷凍鶏肉をハンガリーにある同社農場から輸入していたことから、これが有力な感染源と疑われている。DEFRAは、これは、他のあり得るルートとともに、徹底的に調査することが重要だとし、食品基準庁(FSA)やハンガリー当局、欧州委員会とも共同して調査を進めていると言う。野鳥にウィルスが発見されない以上、産業内部でのウィルス伝播の可能性も考えざるを得ないし、たまたま七面鳥農場を持つバーナード・マシューズ社がハンガリーに家禽企業を持っていたことがこの可能性の追求につながったのだろう。

 DEFRA;Avian influenza outbreak update(07.2.8)
 http://www.defra.gov.uk/news/latest/2007/animal-0208.htm
 FSA;Bird flu second update: 9 February 2007
 http://www.food.gov.uk/news/newsarchive/2007/feb/avianflu
 関連報道
 Tests on Hungary bird flu 'link',BBC News,2.9
 Bird flu officials investigating Matthews turkey plant in Hungary,The Guardian,2.9

渡り鳥をH5N1ウィルス国内持ち込み犯人とすることは”科学的”か

農業情報研究所(WAPIC)

07.9.7

 9月6日に開催された農水省食料・農業・農村政策審議会家畜衛生部会第26回家きん疾病小委員会において、今年1月から2月にかけて宮崎県と岡山県で発生した高病原性鳥インフルエンザは、海外から渡り鳥によって国内に持ち込まれたと「想定される」と結論された。「渡り鳥からウイルスが分離されるなどの直接的な証拠はないものの、海外の事例などから渡り鳥による国内へのウイルスの持ち込み、野鳥や野生生物による農場内へ持ち込みが想定される」という。

 食料・農業・農村政策審議会家畜衛生部会第26回家きん疾病小委員会の概要について,07.9.6

 このように言うことで、小委員会は、事実上、他の感染経路をすべて排除している。「直接的な証拠」がないにもかかわらずこのように結論することは”科学的”なのかどうか、疑問を禁じえない。

 というのも、今月初めにバンコクで開かれた、H5N1ウィルス株の拡散における野鳥の役割について情報を共有するためのアジア12ヵ国代表者の会合において、”肯定的”検査結果だけが認められ、”否定的”検査結果については科学誌に発表されることさえない伝統的な科学の”慣行”への疑問が噴出したからだ。

 HEALTH: 'Avian Flu Spread by Poultry, Not Wild Birds' ,IPS,9.3

 この疑問は、家禽集団に感染した鳥インフルエンザのケースに野鳥を関連づける明確な証拠がないことから出てきた。鳥インフルエンザ・サーベイランス・グローバルネットワーク(GAINS)のウィリアム・カレシュ氏の語るところでは、”否定的”結果が正しい可能性を証明する科学の”規定”は存在せず、繰り返し”否定的”結果に直面したとき、科学者は、この情報を公表せず、”肯定的結果”か、”新発見”しか公表しない。

 国連食糧農業機関(FAO)の鳥インフルエンザにかかわる国際野鳥コーディナーターのスコット・ニューマン氏は、”これは、我々が直面する興味あるパラダイムだ”、”肯定的検査結果(陽性)は病気(鳥インフルエンザ)のエコロジーを理解するために重要だ。しかし、この場合、否定的結果(陰性)も同じようにこの病気の理解に貢献している”と言う。 

 カレシュ氏は、”参加国からの否定的発見の諸報告は魅惑的なものだった。しかし、そのほとんどがすべてが科学誌に発表されることはないだろう”と言う。野鳥のH5N1ウィルス検査結果についても同様だ。FAOのバックグランド・ノートは、”2005-2007年にヨーロッパ、アジア、アフリカ、アメリカで採集された健康な野鳥からの35万以上のサンプルがH5N1陰性だった”ことを明らかにしている。ほんの僅かな研究が”陽性”を報告しているにすぎない。

 ニューマン氏は、過去3年、世界中で多くの野鳥サーベイランスを行ってきたが、この病気の野鳥宿主は見つからなかった、それだけでなく、渡り鳥が家禽農場から感染した例をあげ、”現実には野鳥が犠牲者である”ことを示唆する証拠が増えつつあると言う。野鳥の世界にウィルスが入り込むのはこのようにしてだ。FAOによると、H5N1で死んだ放し飼いの鳥は三つの種類に分けられる。渡り水鳥と、渡り鳥ではないが”家禽から野鳥に病気を伝達する役割を演じる”ブリッジ種”と、”略奪、病気や死んだ鳥を漁ることで最も病気を得やすい”捕食鳥だという。

 ******

 実際、宮崎、岡山のケースでも、たった一例の野鳥(熊本のクマタカ)”陽性”が強調されるだけで、他の多数の”陰性”例は何を意味するのか、十分な解明、あるいは説明がなされているようには見えない。だからといって、、小委員会の結論が間違っているとか、別の結論をすべきだったとか言うつもりはない。言いたいのは、検査で「繰り返し”否定的”結果」が出る渡り鳥を国内へのウィルス持ち込みの唯一の”犯人”とすることが”科学j的”かどうかを疑う余地は十分にあるのではないか、そうする(疑う)方がはるかに”科学的”な態度ではないかということだ。そして、この結論に基づく鳥インフルエンザ予防・防止策に大穴が開かないように祈るのみである。

http://www.juno.dti.ne.jp/~tkitaba/earth/epidemic/07090701.htm

人獣研(巽典之)による鶏卵のQ熱汚染発表を否定 畜安研で安全性確認

2007-01-03 15:47:24 | シゲタ(西尾義行)人獣研(巽典之)Q熱
2005.01.25発行
 (社)日本養鶏協会(梅原宏保会長)は、PCR法でQ熱菌(コクシエラ菌)の遺伝子が分離された一部の鶏卵について、念のために(財)畜産生物科学安全研究所(石井達郎理事長)の協力を得て、Q熱菌の確認検査を実施し、生菌は分離できなかった――と一月六日に発表した。
 これは、PCR法で検出されたQ熱菌の遺伝子が、鶏卵中のQ熱の生菌によるものか否かや、仮に生菌が存在していたと仮定した時に、マウスに感染するかどうかを調べる目的で検査したもので、Q熱の生菌は存在しなかったというもの。
 鶏卵とQ熱との問題に関しては、平成14年末ごろから、民間の人獣共通感染予防医学研究所(人獣研 巽典之)とその関係者が、鶏卵がQ熱に汚染されているとし、週刊誌などのマスコミに情報を提供して、消費者に不安感を与えた。
 これに対し鶏卵業界では、日本養鶏協会を中心に結束し、(1)鶏卵を食べて人がQ熱に感染した例がないこと(2)鶏もQ熱に汚染されている例はほとんどなく、仮にQ熱に感染した鶏が産んだ卵であっても、Q熱が卵に移行することはない――などのデータ(文献)が、海外で発表されていることを示してきた。
 さらに科学的データに基づいて反論するために、公的な研究機関である畜産生物科学安全研究所に調査・研究を委託し、その結果を発表して鶏卵の安全性を訴えてきた。
 15年には、鶏血清による全国調査を2回にわたって実施し、すべて陰性(マイナス)であったことを明らかにしているが、今回の報告でも、鶏卵のQ熱汚染を否定したことになる。
 鶏卵とQ熱との関係については、人獣研(巽典之)関係者以外の報告は、いずれも鶏卵の安全性を裏付けている。
 例えば、15年10月に青森市で開かれた日本獣医学会・公衆衛生分科会での学会発表では、検査した鶏血清、食用生卵および卵製品からコクシエラ菌は検出されず、すべて陰性(マイナス)で「食卵および卵製品については、コクシエラ菌の汚染は極めて低いと推察される」としている。
 さらに厚生労働省・監視安全課が16年7月30日に、国立感染症研究所や東京都健康安全研究センターなどで実施した「Q熱コクシエラの鶏卵からの検出に関する研究」を発表したが、この中で開発した検出法に基づく215個の市販卵の検査では、コクシエラ菌は検出されなかった――としている。


鶏鳴新聞

シゲタ動物薬品工業の人獣研による週刊文春のQ熱報道とマヨネーズ協会の見解

2007-01-03 15:09:18 | シゲタ(西尾義行)人獣研(巽典之)Q熱
平成15年3月19日
全国マヨネーズ協会

平成15年3月19日発売の週刊文春において、Q熱菌汚染によりマヨネーズが危険である旨の報道がされました。本件に関して全国マヨネーズ協会及び加盟マヨネーズ生産・販売各社の見解は以下の通りです。
 尚、今回の報道の元となっている検査方法については情報公開が無く、また、学術的にも確認されていないものと認識しておりますが、これからの研究成果や関連報告事例等については、より注意深く知見・情報を探査し、引き続き「安心・安全」の確保に努めて参る所存でこざいます。

① Q熱(コクシエラ症)のヒトヘの感染経路は、感染動物由来の羊水、胎盤などに汚染された塵埃やエアロゾールの吸引、及び汚染獣皮、毛皮類などからの経気道感染が最も多い。

② 国内外で、マヨネーズの摂取を原因とするQ熱の発症事例は、報告されていません。

③ 現段階でマヨネーズに関してQ熱対策を講じている国は無いと認識しています。

④ マヨネーズ原料卵及びマヨネーズについて、Q熱菌検査を致しましたが今迄に検査した検体すべてが陰性(検出せず)でした。

 尚、厚生労働省に照会しましたところ、鶏卵に関し下記の見解が得られましたので、ご案内申し上げます。

① Q熱のヒトヘの主な感染源は、感染動物の体液、排泄物や未殺菌乳とされている。

② 国内及び欧米諸国において、鶏卵、及びその加工品の摂取を原因とするQ熱の報告は無い。

③ 鶏卵についてQ熱対策を講じている国は無いと認識している。


Q熱に関する報道に対する当協会の見解 マヨネーズ協会

シゲタ動物薬品工業の人獣研と食の安全協会の告知書について

2007-01-02 12:57:52 | シゲタ(西尾義行)人獣研(巽典之)Q熱
鶏卵のQ熱汚染問題に係る対応等について

前略

ご承知の通り鶏卵のQ熱汚染報道等を積極的に展開している、いわゆる人獣研(巽典之)グループである食の安全を守る会(今般、食の安全協会と改称)が鶏卵がQ熱汚染により危険であり、このようなQ熱汚染鶏卵を販売した場合には、その販売店名、鶏卵生産者名の公開を行うとともに、その販売については差し止めの法的措置が必要である旨の告知書を今般、全国の大手スーパー等の約120社の代表者宛に送付されたところであります。つきましては、本会としては別紙のとおり、これら人獣研(巽典之)グループが送付したスーパー等宛に本会の見解を送付致しましたので、ご参考までにお知らせ致します。


別紙

鶏卵等のQ熱汚染騒動についてのお願い

謹啓

時下ますます、ご清栄のこととお慶び申し上げます。
また、日頃より鶏卵の生産・流通につきましてご理解・ご協力を頂き感謝申し上げる次第であります。
さて、ご承知の通り、今般、食の安全協会名で全国のスーパー、百貨店関係の皆様 約120社の代表者に対しまして告知書なるものを送付し、鶏卵等がQ熱感染の危険性がありQ熱汚染の鶏卵を販売した場合には、販売店名および鶏卵生産者名を公開するとともに、その販売差し止め等の法的措置が必要である旨を主張しているところであります。
当該騒動につきましては、昨年12月頃から突然に週刊誌掲載、記者会見開催等により、いわゆる人獣研(人獣共通感染予防医学研究所 (巽典之))の関係者が意図的に流通関係者及び一般消費者の不安感を増大することに努めてきたところであります。
しかしながら、(1)厚生労働省の研究機関から過去10年間において国内外で生卵による人間へのQ熱感染報告は皆無であることを確認しており、(2)(社)日本養鶏協会が公的検査機関に依頼したQ熱に関する全国調査においても、別添報告書のとおり鶏の陽性率は極めて低率であるとともに、鶏卵へのQ熱菌移行は全く確認されておりません。
また、このようなQ熱騒動を意図的に引き起しているこれら関係者の当該研究内容等は正式な学会発表および学術誌にも全く掲載されておりません。
つきましては、以上にような事実関係及び別添資料等を参考にされ、貴業界関係者が、科学的事実に基づかない内容等に惑わされることなく、冷静なる対応をされますことをお願い申し上げる次第であります。

敬白

日本のQ熱患者数の推移

2007-01-02 12:44:17 | シゲタ(西尾義行)人獣研(巽典之)Q熱
国立感染症研究所

平成15年 9人
平成16年 7人
平成17年 8人
平成18年 2人

仮に、鶏卵製品の大部分がQ熱菌に汚染されているとしても、現実にはQ患者は極めて少なく、Q熱菌の病原性は非常に弱いと推定される。

シゲタ動物薬品工業の人獣研の主張と鶏界の反論

2007-01-02 12:35:42 | シゲタ(西尾義行)人獣研(巽典之)Q熱
いわれなき鶏卵のQ熱汚染キャンペーンに反論する

 最近における人獣共通感染予防医学研究所(人獣研 巽典之)等の、鶏卵およびその加工品などによるQ熱感染の危険性に関する執拗なキャンペーンは、一部マスコミ等でも取り上げられ消費者に大きな不安感を与え、鶏卵消費に悪影響を与えています。
 しかし、人獣研(巽典之)等の鶏卵等のQ熱感染に関する検査方法は、科学的手順を踏んだものではなく、その検査結果についても専門家の常識を越えた数字が出されており、専門家の間で強い疑義が出されています。
 一方、日本養鶏協会が今年5月、10月に公的検査機関である(財)畜産生物科学安全研究所に依頼して実施したQ熱感染に関する全国実態調査、及び北里研究所等による学会発表(10月)においても鶏卵のQ熱感染の事実は確認されず、また、厚生労働省によると過去10年間、国内外における鶏卵によるQ熱感染の報告は皆無です。
 以上により、鶏卵を原因とするQ熱感染の可能性は極めて低いと思われます。ついてはこのようないわれなき、鶏卵のQ熱汚染報道並びに人獣研(巽典之)等によるQ熱汚染キャンペーンに強く抗議するものです。