枝下用水日記

2019年8月30日西澤眞蔵の古写真12点、長崎大学に寄贈しました

 大雨のニュースを受けて、はたして長崎までたどりつけるだろうかと心配しましたが、長崎市街は被害がないことがわかり、8月29日に予定通り西澤眞蔵の御子孫・西澤一眞さん(兵庫県芦屋市在住)と西澤眞蔵のガラス原板を含む古写真12点をもって長崎に入りました。





 長崎空港には西澤佳隆さんが迎えに来てくださっていました。佳隆さんは眞蔵の弟・伊三郎の長崎の家を継いでいますが、伊三郎には子がなく、眞蔵の子が伊三郎没後、夫婦で長崎入りをして継いでいます。
 一眞さんが佳隆さんの母・昌子さんにご挨拶したいということで、まずは3人ででかけました。大正15年生まれの昌子さんはうんとお元気で、佳隆さんの弟・和隆さんと来訪を歓迎してくださいました。
 晩には西澤一眞さん、佳隆さん、眞蔵の孫で佳隆さんの叔父・廣瀬範造さん、そして古写真研究の長崎大名誉教授・姫野順一さんという明日のメンバーが揃って食事会をしてくださいました。古写真発見の経緯や現在の古写真研究の話、西澤眞蔵と上野彦馬の話と止まることなく話は続きました。

 翌日8月30日、9:30長崎大学に到着すると、会場の大学図書館前には既にテレビカメラが待ち構えています。会場に入るとわっとカメラが集まりました。長崎文化放送、長崎国際テレビ、朝日新聞、読売新聞、毎日新聞、西日本新聞、長崎新聞、構えるカメラは10以上ありました。
 長崎大学の河野学長が入ってきて西澤家と挨拶をすると、互いが楽しそうに話し始めました。聞くと、河野学長の義父が長崎大学の医学生だったころ、西澤家に下宿していたそうで、卒業後も親しく付き合いがあったそうなのです。上野彦馬の撮影局も眞蔵の孫・廣瀬範造さんが現在暮らしているところのお隣だったとのことで、世間は狭いという話になりました。

 贈呈式は先ず参加書の紹介があり、それぞれひとことずつ挨拶したあと、ガラス原板の寄贈と感謝状の返礼がありました。


前列左から西澤佳隆さん、西澤一眞さん、長崎大学学長、長崎大学図書館長。
後列左から逵 志保、廣瀬範造さん、姫野順一さん





そのあと、姫野さんがPPTを使って彦馬の古写真についての解説と今回の発見についてのコメントをし、次に私が西澤眞蔵のこと、枝下用水のことを話しました。私は長崎の西澤眞蔵についてはまだまだ調べることができていないけれど、西郷隆盛、木戸孝允とも交流があったことが長崎の西澤家に残る資料からわかっていることなどをお話しました。
 そのあと全体で質疑応答があり、あとは順々に西澤家の方も私もインタビューを受けました。質問内容から私の知らない西澤眞蔵にも触れることができ、新たな研究課題がみつかる嬉しいこともありました。



 すべてが終わったあと、長崎大学所蔵の上野彦馬撮影の古写真を見せていただきました。鶏卵紙を使って焼いたもので、本のなかでしか見たことなかったので、こんなに鮮明なものなのかと感心しました。良い環境で保存されていることも感じました。それでも私たちがどうしたらいい状態で保存できるだろうかと専門の業者に中性紙の箱をつくってもらい、ガラスのサイズに合わせて入れてきたのを図書館の方がご覧になって、しっかりしていると褒めていただきました。安心しました。

 長崎大学をでて、西澤家のみなさんと長崎ちゃんぽん、皿うどんをつつきながら、まだよくわかっていない長崎の西澤眞蔵のことに思いを馳せました。また、今回12点の古写真を長崎大学に寄贈しましたが、西澤家の蔵で発見した写真群のなかには、昭和初期の長崎の西澤家の家族写真がいくつもあり、それも今回長崎に里帰りさせていたので、その写真に映っている広瀬さんにお見せしたくて、そこで披露しました。長崎にも同じ写真があったりもするのですが、こうした家族写真が滋賀県にまで当時届けられていたことにみなで感心しました。

 午後、中島の上野撮影局跡地に行きました。広瀬宅は上野撮影局跡地のお隣です。彦馬が坂本龍馬を撮影したときの様子がわかるモニュメントがあり、一瞬龍馬になることができました。



そのあと長崎歴史文化博物館に行きました。昨年のこの時期にどうやら大発見ではないかと思って初めて問い合わせたのがこの博物館でした。そのときにお世話になった矢田さんが出てきてくださって、長崎の歴史を丁寧に説明くださいました。展示されていた古い地図で確認すると、西澤家と上野彦馬の家は道一本違うだけのご近所とわかり、また、上野撮影局までは歩いて20分ほどだとわかりました。
 夕方、一眞さんが一足先に帰路につき、私は稲佐山に連れて行っていただきました。長崎の地形がよくわかりました。その後、諫早も案内いただき、あっという間に長崎の旅が終わりました。

 昨年春、愛荘町の西澤眞蔵の特別展のために蔵を開けることになり、ぜひ拝見したいと一緒に入れていただいたことから、こんな大発見、そして長崎大学への寄贈と進むとは全く想像もつかないことでした。今回、貴重なガラス原板をより保存環境の良いところに託したいと決断なさった西澤家のみなさん、そこからわかってくる新たな研究成果を私たちもまた自分たちの研究に生かしていきたいと思います。
 姫野さん始め、長崎大学のみなさん、ありがとうございました。

報道まとめ
8月30日
 長崎文化放送 https://www.ncctv.co.jp/news/71774.html
 長崎国際テレビ http://www.news24.jp/nnn/news16362077.html
 
 長崎大学HP http://www.nagasaki-u.ac.jp/ja/about/info/news/news2937.html

8月31日
朝日新聞長崎県内版 
毎日新聞長崎県内版
読売新聞長崎県内版
長崎新聞

西日本新聞(未確認)
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