SHEのバイクへの道

安全運転でまいりましよう~♪

パパの旅について。

2013年05月29日 | 忘れられない日

 

私と出会う少し前のこと

 パパ(以降 彼で統一)は、わずかな現金とタバコと携帯を持ってヒッチハイクで旅に出ました。 俗に言う「自分探しの旅」です。

 学校さぼったり、喧嘩ばっかりとか、遊んで過ごした高校卒業後の彼は、なりたい自分がわからず、就職もうまくいかず、完全に周りの波に乗り遅れたダメ社会人でした。

 わずかなバイト代は外食と夜遊びのその日暮らしで消えていく。 当時の彼女には「結婚のために定職についてくれ。」と喧嘩ばかりだったそうな。

 何処かに行けば、何かが変わると思ったのか、逃げ出したかったのか、暇つぶしだったのか…「とりあえず鳥取砂丘をみようかな。」と・・・思ったみたいです。

 この話は、青春の1ページのような【自分探しの旅】のイメージとは真逆な話しでした。

 フラフラと南下を続け、良い人に会えば食事をご馳走になり、観光などはせず、ナンパした女の子の家に居ついたり、また移動してホームレスと寝起きを共にしたり、大阪の悪がきと仲良くなって、その子達の溜まり場の家に住み着いて、一緒になって悪さして(1つあげるなら、悪がき達と交番に爆竹投げ込んでみたりとか。) 

 明確な目的も計画もないままに、そう過ごしてあっという間に1ヶ月。
大阪まで行ったくせに、結局鳥取砂丘なんて行かずに帰ってきた。
これを2回繰り返したらしい。


 きっと、いい人にも出会っただろうし、若い時にしかないできない事で得たこともあったはず。 でもやってることは場所を変えても同じで、ダメな自分がずっと付いて回ってきただけの旅。 帰ってきてからも生活は変わらず、やる事も変わらなかったようです。

 当然、大好きなバイクへの憧れは強くとも、免許を取れるほどの計画性などまったく持ち合わせず、「いつかは…。」が「今はいいか。」と後回しに毎日がただ過ぎた生活だったと容易に想像できます。


私が出会ったとき、彼はまだこのままの人でした。

 でも、私のせいで大きなものをたくさん背負うことになった彼は、空回って心が病んだりもしたけど、少しづつ生活に変化がありました。

 
 今の彼はそこらのOLよりも安い給料で働き、それでも向上する気持ちを持ち続け、 1人で試行錯誤を繰り返しては、能力をあげるべく自分を追い込んで働いています。

 疲れきった身体で、毎日決まった時間に家に帰り、家事を手伝ってくれ、私達をケアしてくれています。

 ギャンブルはしません。飲み歩く事もありません。

 バイクの免許を取りました。バイクも買いました。

いろんなことが変わったんです。変わろうと必死だったと思います。

 

 その彼が先週末、私達が出会ってから初めて、たった1人で旅に行きました。
計画もなく、わずかな現金とタバコと携帯を持って。

 以前と違う事は“自分の愛車”で行ったことと、“3日後には家に帰る” ということ。 
 泊まりで行くバイクの旅は、今回が記念すべき初の事です。

 
 「行ってきます。」と家を出てから、何度か私の携帯には【現在地点】マップが送られてきました。 長野県から、南下している様子がわかりました。

 朝9時に家を出てからわずか9時間後。 
 彼から送られたきた写真です。

 家から1000km離れた【鳥取砂丘】に彼はいました。

その後すぐに電話がなり

「今鳥取砂丘にいるよ。すごい感動!でも残念ことが1つあるんだよ。砂丘なのに草が生えてるんだよー。来ないとわかんないもんだね。」とテンションの高い声。

それから
「3日も自由な時間をくれてありがとう。」と言ってくれました。

 

 有り余る時間があっても行けなかった事にはたくさんの理由があって、今はたった9時間でその場所に立てる理由もたくさんあります。 その3日間の自由は自分のおかげです。まだまだこれからですけど。

私からは「色んな意味で『おめでとう。』」と伝えました。

 待ってる人がいるって事は、無事に帰ってくる事が一番大事ですね。 
全国のライダーのみなさんも、どこに行っても必ず無事で帰ってきましょうね。

せっかくなので、パパのFACEBOOKの記録を抜粋して勝手に紹介します。
充実感がよくわかりますよ(笑)

【以下引用文】

総走行距離2008km

笑顔のあふれる出会いがたくさんあって本当に楽しいツーリングでした。もう、ここには書ききれないほどの人たちとの出会いがありました。

バイクを隣に止めて、「どこから?」って話しかければ、小一時間しゃべれちゃう!

出会う度に、別れる度に「気を付けてね~!」とか「またどこかで!」って手を振りながらバイバイする。

本当にまた出会えるのかはわからないけど、お互いがバイクに乗って日本中を旅していれば、必ずまた出会えることをみんな知ってる。

一人で走ってても、独りじゃない乗り物  それがバイクってことをまた実感した旅でした。

「宿も決まってなくて、砂丘に沈む夕日がみたいから長野から鳥取に向かってます。」と言うと 皆さんに「バイカーだねぇ。」「キチガイだねぇ。」とお褒めの言葉をいただきました。

 

 

 

 



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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (TORU)
2013-05-30 20:27:13
長文、読みましたよ。
そういった事も あったんですね。いろいろと・・・。
それにしても 結構な距離、走ったね~。
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TORUさん (she)
2013-06-03 17:27:11
タッチの方々の方が
いろんなエピソード持ってそうですよ!o(^▽^)o

また色々聞かせてくださいね!
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