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自分セラピー

「自分を好きでいる」ことは人生を豊かにしてくれます。そこに気づかせてくれる沢山のファンタジー文学を紹介していきます

『チョコレートコスモス』恩田陸

2007-11-13 21:26:03 | おもしろかった本
ボクは、いつか舞台俳優になりたいなぁなんて、思ってました。
もちろん、それがどれだけ大変か、そしていまさらそんなの無理に決まっているんだけど、舞台の上で大きな声で何かを演じてみたい。

そもそも、人生でボクは、いろんな自分を演じてきました。
いや、演じているという自覚もなく、相手によって自分を変え、言うことも変えて生きてきたんです。

そうやって生きていると、「自分がいなくなる」わけです。
30歳ぐらいまでは、自分という存在の不確かさを感じながらも、どうすることも出来ない毎日だったような気がします。

舞台の上の俳優たちは、「演じる」のではなく、魂を注ぎ込んで「それを生きる」らしい。


何となく手にした本に、のめりこみました。
息もつかずに読むって・・・久しぶりです。

歩きながら読むのも・・・

『チョコレートコスモス』恩田陸

恩田陸は『夜のピクニック』が有名らしいけど、ボクはまったく初めての作家でした。

なかなか本を書き進めることの出来ない脚本家・神谷が、不思議な少女を見つけるところから物語は始まります。



この不思議な少女・飛鳥と、二世女優・響子、葉月、アイドルの女優・あおいなどが織り成す、演劇の世界。

物語は女優二人だけで演じる舞台のオーディションがクライマックスに向けて一気に展開していきます。

飛鳥は、ずっと「舞台の向こう」に何があるのかを探し続けている。
舞台の向こう・・・

一体何があるんだろう。
ボクたちの人生を舞台に置き換えてみると、この人生の向こう側には一体何があって、この人生にはどんな意味があるのか・・・

どうやら向こうの何かに「触れる」ことはできるみたい。
この世界に生きながら・・・

飛鳥が話します。

「子どもが噴水浴びてます。凄くはしゃいでいて、楽しそう。

あの子はこの瞬間、世界に触れたことに興奮してるんでしょうね。

冷たい水の気持ちよさや、光が当たって水がきらきらしていることだけが今のあの子の世界の全てで、近くで見守っているお母さんのことも、他の子供のことも、なんにも気付いていない。

遠くでこうやってあたしがあの子を見ていて、あの子のことを話していることも知らない。

今は噴水とあの子だけが世界の全てなんじゃないかって」

もしかしたら、ボクたちの生きている世界を、こんな風に見ている「何か」がいるのかもしれない。

今月の23日に、ハートヒーリングが開催されます。
カラダノオト こころのひびき

見えない音を探す、このアートセラピーでも、「向こう」を感じることが出来るかもしれない。




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