自分セラピー

「自分を好きでいる」ことは人生を豊かにしてくれます。そこに気づかせてくれる沢山のファンタジー文学を紹介していきます

『ギルガメシュ叙事詩』

2008-02-01 13:35:27 | ファンタジー
いつか、読まなければ・・・・、そう想いつつも、なかなか「叙事詩」という形態になじまずにいました。

が、ついに読みました。『ギルガメシュ叙事詩』

古代メソポタミア・・・おそらく紀元前2600年ごろに実在した「ギルガメシュ王」の伝説的なお話です。

最古の写本は、紀元前二千年紀初頭に作成された、シュメール語版『ギルガメシュ諸伝承』の写本です。

無数に残る粘土板(多くは破片だそうですが)に彫られた文字を、解読した研究者がいたんですねぇ。

お話は、ヒロイック・ファンタジー(英雄伝)の形を取った物語であり、神話とも言えるかもしれません。




あらすじをご紹介しましょう。

ウルクの王ギルガメシュは、3分の2が神で3分の1が人間という半神半人。暴君だったギルガメシュに、神はその競争相手として粘土から野人エンキドゥを造りました。


それを知ったギルガメシュは、女神官をエンキドゥの元に遣わせエンキドゥを呼び寄せます。ギルガメシュはエンキドゥと力比べをするのですが、決着がつかず、ついにはギルガメシュにとっての無二の親友となるのです。


やがて二人はあらゆる悪を追放するために、ある「杉の森」に遠征します。その森はフワワ(フンババ)という怪物により守られていたのですが、二人で戦いを挑みこれを退治しました。


ウルクに帰ってきたギルガメシュの姿を見た、美の女神イシュタルは彼に求婚しますが、ギルガメシュはそれを断ります。怒った女神は「天の雄牛」をウルクに送り、この牛は大暴れしてウルクの人々を殺してしまいます。


ギルガメシュとエンキドゥは協力して天の雄牛を倒すのですが、怪物を殺したこととイシュタルへの侮辱に神は怒り、エンキドゥは命を奪われてしまうのです。


友人を失ったギルガメシュは大いに悲しみ、わが身もいつか「死」を迎えることに気づきます。そこでギルガメシュは永遠の命を求める旅に出て、さまざまな冒険を繰り広げるのです。


やがて永遠の生命の秘密を知るというウトナピシュティムにようやく出会います。

ウトナピシュティムは、その昔、神に方舟を作るようにいわれ、やがてくる大洪水を免れたことがあります。

このことが、永遠の生命を得たと言われている理由であることを知り、ギルガメシュはひどく落胆します。


帰途に着くギルガメシュに、ウトナピシュティムの妻が、海底に永遠の若さを得る植物があることを教えてくれます。ようやくその植物を手に入れるのですが、蛇に食べられてしまい、ギルガメシュは失意のままウルクに戻るのです。



どうですか?
友情、冒険、怪物退治、神の策略、永遠の命・・・
ファンタジーの要素のすべてが盛り込まれている物語です。
何千年も前に、粘土板につづられたこの物語。

叙事詩ですから、細かい描写はありませんが、このワクワクする展開に、ボクは心を躍らせました。

ギリシャ神話やキリスト教の聖書にある「ノアの方舟」のエピソードが、すでにこの物語の中に出てきていることも、驚きですね。

今、ヒロイック・ファンタジーにはまってます。

現在読んでいるのは、『世界のはての泉』ウィリアム・モリス
これも、とてもおもしろい物語です。



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