アビガンという薬の名前を聞いて「阿鼻丸」の三文字を連想してしまう。 医療崩壊してしまえば阿鼻叫喚の巷が現出してしまう。 「丸」つながりでもうひとつ。有名な正露丸は江戸時代の末には処方が確定していたそうだが、日露戦争のころは「征露丸(ロシアをやっつける薬)」と商品名を変えていたという。売るための戦術としては上手い。 赤チンさえなくなった今日に「丸(ガン)」という言葉の響きと文字に薬を連想することに、すでに人間が骨董化しているのを自覚してしまう。