「懐中電灯」を久しぶりに使いながら、この道具の言葉の響きが面白く思えてきた。現代では日常ほとんどの人が「懐」のある衣服を身につけていないなか、誰しもがそのものを的確に認識できる命名に、新たに発生したものや海外から紹介されたものにカタカナ命名する風潮が蔓延しているなかあらためて関心した。
英語ではflashlight とか torch 言うらしいので、我が国への紹介者はふさわしい国語訳を考え、名付けたのだ。
おそらく、発明されて販売されはじめた明治末ころは、まだ着物を着ている人がけっこういたので「カイチュウ」といえばどういう状態をさすかがほとんどの日本人にわかったのであろう。明治期に訳語として創案されて今日も使われている外来語は数知れずあるようだが、野球・哲学・社会・恋愛・美術も「懐中電灯」の仲間だ。
近年「日本版ライドシェア」とか「日本版NSC」とか「日本版DBS」とかを耳にするが、日本語で表現できないものだろうか。明治人に無精者と叱られそうで恥ずかしいと思う。
それでは試案拙案愚案を提案してみる。
副業賃走・国家安全保障会議(これが本名。報道がまぎらわしい)・犯歴照会・・・とりあえず一案ずつ。