3時間を越える作品に、人間世界の古今東西で共通の、栄枯盛衰のドラマがイタリア貴族の姿を借りて描かれている。 若き日のアラン・ドロンや、熟年のバート・ランカスターなどの俳優を楽しむ余禄もある。 長らく、名誉と志がつくってきた文化が崩壊する。 にわか成り上がりの新興階級は時をかけて培った文化をもたず、いやしいニオイを振りまく姿がアイロニカルに描かれる。 こうした姿が、ほぼ時を同じくしてわが国でも起こった明治維新のころ見られたであろうと想像してしまった。