SSCドロップインセンター 

少年事件・非行問題・いじめなどの相談を受け、一緒に解決の道を考えるソーシャルワーカーたちの活動の紹介です。

社名公表

2008-09-18 19:34:31 | Weblog
三笠フーズを起点とするいわゆる「事故米」の流通が明らかになり、取り扱った会社の社名370社ほどが公開されました。そして、その1社の社長が自殺をしたというニュースを聞きました。ニュースは詳しく報じていないので、社名が公開されたことと自殺の因果関係がどの程度であるのかわかりませんが、、引き金になったことは容易に想像できます。この手続きについて、問題がないのか考えてみました。汚染された米を使った食料品が消費者の口に入らないように、流通の出口を封鎖することとして社名公表があったのだと思います。しかし、まったく関係のない社名が公表されたり、社名公表する会社に対して一切の通知もされていないままにされたようなことがあり、役人の記者会見もしどろもどろという体たらくさでした。本来であれば、被害者でもある納入業者を守ることも緊急事態において行政の仕事であると考えるのですが、今回は、消費者という多数をできるだけ迅速に守るために、少数である業者を「かんたんに」犠牲にしたというように思えます。全国370社程度です。国中の役人達が手分けをすれば、通知をし、対面調査をし、準備をした後に、消費者を守るとして、社名公表があったのではないかと思います。それも、業者から積極的に発表する形にすれば、業者の社会的責任も果たすことに寄与できたのではないかと思います。迅速に断行、そして、多くの人の健康を守り、多数の犠牲はやむをえないという構図は、もしかしたら、選挙を見据えてのことなのではと穿った考えも持ってしまいます。

ある労働者のつぶやき

2008-09-17 10:58:55 | Weblog
世田谷では、古紙回収業者がリサイクルの法律の波にのり、行政からの委託を受けて資源回収をするようになって10年が経ちます。それまでは、それぞれが任意に街中をトラックを走らせて、各家を回り、回収をしそれを問屋に持ち込んで売り払っていました。新聞1キロあたりの単価が25円くらいだった頃、2トン車に満載すると50,000円ほどになっていました。古紙の価格は年々下落し、リサイクル事業が始まった時には新聞1キロ当たり、3円ほどになっていました。リサイクル事業が始まると、行政は業者の車1台あたりの単価を付け、回収量に関わらず、一定の金額が業者に支払われるようになりました。業者は安定感を持ち始めました。業者は車の台数を増やし、それに伴い従業員を増やして、それぞれが年商1億円を超える企業に成長しました。それと共に大切になってくるのは、従業員の管理。もともと自由業の人が多い職場環境だったのが、サラリーマン化したのですから、戸惑いは労使双方にあったのだと思います。トラックの運転の仕方や、荷物の積み方などで住民からのクレームが行政に入ります。行政は業者の代表を呼んで注意をするように言います。業者は、行政からの台数削減などの不利益措置を恐れて、従業員に対して厳しく接するようになります。これは、会社をひいてはほかの従業員の生活を守るためには当然のことです。1人の従業員が、従業員同士の中でポツリと「帰って酒のんで寝るだろ?その時に虚しくなって、『ただ働いているだけで何にもいいことないし、このまま目が覚めなければいいなあ』って毎日思うんだよ」とつぶやいていました。ほかの従業員もそれまでの空気を一変させて、同意するかのようにうつむいてしまいました。仕事をしてる中での不当な扱いや、命の心配はないにしても、この空虚感はなんとも・・・。「蟹工船」がはやり、共産党員が増加しているのもこういうことからなのかなと、思ってしまいました。自らが仕事にのめりこんでいくような「やりがい」を失うと、生きる力も失ってしまうのでしょうね。軽トラックでスピーカーを鳴らしながら、粗大ゴミの回収をしている人たちがいます。その人たちの集まる問屋に行くと、みんなすごく元気です。しかし、行政回収はその人たちを排除しようとします。これは、個人の生きる力を行政が奪い取っていることにならないかな、と考えすぎてしまいます。最近、妙にパチンコのコマーシャルが多いと思いませんか?動労者の生きがいをそちらの方向に見出そうとしているのでしょうか?

ヤミ金とのたたかい。その2

2008-09-16 12:06:26 | Weblog
支払期限の前日に、ヤミ金業者から電話がかかり、振込み口座が指定されます。相変わらず愛想のよい声でした。その方は、指定された当日、金額を用意することができず、銀行の閉店時間を迎えました。3時少し過ぎた頃、電話がかかります。「どうしたんですか?約束は守ってもらわなければ困りますよ。明日は大丈夫なんでしょうね?明日まで待ちますから、延滞利息として5000円追加してくださいね。いいですね?」敬語ではありますが、語気が強くなっておりました。そして、翌日、3時を過ぎた頃電話が入り、こちらから「もう払うことができないし、払う必要もない。」ことをきっぱりと告げました。すると、相手は態度を豹変させ、怒鳴り散らしておりました。私のところに相談に来た方は、全部で12件の相手に対し、すべて自分で交渉をしました。がどうしても聞き入れてくれないところがありましたので、弁護士のところに相談に行き、代理で交渉をしてもらい、解決することができました。しかし、ヤミ金とのたたかいは、この解決をする段階ではなく、「かんたんに借りることができる」というところから始まっていました。いま、目の前の支払いに困っている人は、たくさんいます。目の前の支払いを解決するために最も手っ取り早い方法に手を出してしまう。これは、人間の心理だと思います。この心理を巧みに利用したのがヤミ金といわれている悪徳業者なのです。もし、このブログを読んで、覚えのある方はぜひご連絡ください。かならず解決ができます。

ヤミ金とのたたかい。その1

2008-09-13 09:13:17 | Weblog
ますます、借金の相談が増えてきています。これほど苦しんでいた人が多かったのかと、あらためて社会のゆがみを実感します。自殺をする人たちの中に、借金問題を抱えていた人がいたとしたらと思うと悲しくなります。借金問題は必ず解決できる問題だからです。しかし、それには立ち向かっていく勇気も必要です。1人でその勇気はなかなか持てない。なぜなら、借金に苦しむ人は、責任感が強く、自分が「悪いことをしている」という罪責感がその身にのしかかっているからです。届出をしている消費者金融では、減額交渉にしても事務的にすすめてくれるところが多くあります。しかし、エネルギーを使うのは、ヤミ金との交渉です。
ヤミ金は、その姿が見えません。ほとんどが携帯電話でのやり取りで、書面を交わさず口頭のみで契約をします。大変紳士的な声の持ち主は、即座の現金の振込みを約束します。その際に、住所・氏名・電話番号・家族(生家の家族)の連絡先、配偶者の勤め先、子どもの学校名などを、「一応ですから・・・」と聞きだします。そんなことまで言わされてしまうのか?と思いますが、切羽詰った気持ちの前に、現金をぶら下げられている状態ですから、断ることができません。そして、相手の求めるままに伝えると、返済額と返済日を告げられ電話を終わり、それから1時間の間には、銀行口座にお金が振り込まれます。一軒のヤミ金から借りることのできる金額は、多くて5万円、ほとんどは2万円から3万円の間です。ある人は15000円借りました。返済は10日後に利子だけでよいとのこと、その額は15,000円です。金利なんと年利3650%という、利息制限法のなんと180倍です。それでも、目の前の15,000円に金利は見えなくなってしまっているのです。10日後、返済日の朝、先方から電話が入り、返済先の口座番号がこれも口頭で伝えられます。それは、ほとんどが東京から遠くはなれた地方銀行の口座番号です。

長い借金の返済から一条の光

2008-09-12 17:32:32 | Weblog
経済問題は家庭生活にのしかかる。借金ともなればなおさらです。家庭の中がギクシャクして、夫婦関係や親子関係がおかしくなる。そういった表面上の問題で相談に来られる方々の多くは、経済問題、とくに借金問題を抱えている背景があります。返しても返しても減らない借金に疲れ果ててしまってます。弁護士に相談しようと思っても、知り合いはいないし、敷居も高い。こうして、何年もただただ利息の返済を繰り返してしまっています。その苦しさから開放されるには?「自己破産」ただ、これはデメリットがまったくないわけではないんです。財産を持っていればそれを処分しなければならなくなります。そこで、よくおこなわれるのは、「債務整理」です。今、利息制限法では、借りた金額により最高20%の金利まで認められています。しかし、貸金業者の出資法では29.2%まで認められています。この金利の差を「グレーゾーン」といっています。そのグレーゾーンの金利を利息制限法の金利に計算をしなおす(引きなおす)と、かなり元金が減ることがあります。時には「返しすぎ」として、その分の返還を求めることができます。弁護士や司法書士にところに相談に行くとその数字をはじき出してくれますが、専門家の敷居は、なかなか高く感じますよね。ですから、その引きなおしはご自分でやってみるとよいのです。どうやって?毎月の利息計算をやり直すのです。私たちはここの部分をお手伝いします。ご相談を下されば、メリット・デメリット、だいたいの見通しをお話いたします。ご相談の費用は無料で、匿名でもかまいません。まず、電話でご相談をいただければと思います。探偵にも守秘義務があります。秘密は絶対に守ります。経済的な悩みが少し軽くなると、視野が広がります。私はこれは子ども達の健康な成長にも寄与すると確信しています。
借金から開放されるはじめの一歩を、少しの勇気を持って踏み出してみませんか?私たちがお手伝いします。
電話 03-3700-7489
携帯 090-9109-8925
メール ichikawa-kamata@grape.plala.or.jp

雑居まつり

2008-09-12 07:56:19 | Weblog
「世田谷の福祉とボランティアを発展させるために私たちは今・・・」こんなスローガンで、34年前、第一回雑居まつりが開催されました。それまで積極的に外に出ることがしにくかった車椅子に乗った人やさまざまな障害を抱えた人と、支援するボランティアたちの表現の場所として、小田急線梅丘駅北口にある、羽根木公園で毎年おこなわれています。この「まつり」は神事ではなく、集合であると解されています。集合から起こることは議論です。さまざまな主張があり、思想があり、しかし、それに迎合することは強制されない、自由闊達な議論がここにはあります。「まつり」の主催は「雑居まつり実行委員会」で、毎年任意に名乗り出る発起人によって招集され、参加団体の代表が実行委員会を構成し、まつりの前後に数回の実行委員会が開催されます。実行委員会は単なる開催のための準備ではなく、参加団体がお互いを知る機会であり、それぞれの活動のアピールをする場にもなっています。思想・心情が異なる多くの人たちが会し、議論をしあうような場所は今の日本にはなかなか見当たらないように思います。思想・心情を越えて解することができる、そこにはその思想・心情の前にお互いを人間として尊重する基本がしっかりとあります。その基本は誰かが作ったものではなく、そこに集まった人たちが自ら作り上げたものです。今年の実施日は10月12日。前日の準備、翌日の片付けがとても楽しいんです。3日間のつもりでお出かけください。いらしたら、会場で私を探してください。お仕事をお分けします。

「人」を相手にする仕事

2008-09-10 07:50:00 | Weblog
私も20数年、人を相手にする仕事を続けています。相手もこちらも感情を持つ「人」ですから、いつも安定して付き合い続けることはほとんどできません。お互いがまったく無制限に感情を開放していたら、長い間では必ず衝突があると思っています。しかし、こちらはプロです。感情をまったく示さないことはないのですが、対等に感情を表出することはありません。そうならないように、さまざまな策を日常的に講じます。自分の感情の整理のための時間をとる、仲間と相互のカウンセリングをおこなうなど。私たちのような仕事をするときには、まず自分の問題の理解からしておいたほうがよいと思いますので、教育分析も受けます。そして、なにより、活動の透明性です。特に子どもとの対応については大切になります。力の差が圧倒的にある中での感情の衝突は、具体的な暴力になります。そして、口止めなどで隠蔽しようとします。対応している相手のプライバシーを守ることと、活動を透明化していくことのバランスは難しい場面もあります。透明性は段階があり、最も近くで透明度の高い場所で一緒にまたは、第三者的に見てくれる人たちがいることはこのバランスを保つ上で役に立ちます。
そして、私たちはどうしてこの活動をはじめようと思ったのか?
施設ではこの透明性が確保されていないことが多いようです。また、施設内での虐待が起きてしまいました。私たちも自分の問題として見直してみなければと思います。

派遣社員

2008-09-04 08:04:18 | Weblog
私が荷物を納品している問屋さんにも派遣の風が吹いてきています。数年前、自ら「ニート」という青年からの相談を受け、その問屋さんに雇用してもらえるように話をつないだことがありました。その青年は、初めての職場で戸惑いや重労働による疲れで、ときどき「ふっ」と休んでしまうこともありました。しかし、アルバイト契約なので、簡単に解雇することはできず、また会社もよく彼の話を聞いたり、励ましたりしていたので、何とか続けることができ、いまやキャリア数年の職場ではなくてはならない存在になりました。役割ができ、責任が伴うともう「ふっ」と休むことはしにくくなります。これは強制されることではなく、彼の気持ちの中から湧き上がる責任感によるものだと思います。どのアルバイトさんも紆余曲折をへて、職場になじみ、職場の空気の中で自分の存在を実感し、スキルを身に付け定着していきます。この職場にも派遣社員がやってきました。派遣会社に登録の人材から、本人の希望もあり、この職場に派遣されてくるのですが、毎日違う人材が派遣されてきます。毎日、初心者を相手にしていますので、先輩アルバイトは一つ一つ指示をしながら作業を進めなければなりません。派遣社員さんも、この職場での仕事が長く続くわけではないので、熱心に機械操作を覚えたりすることもありません。私が荷物を入れに行くと、ただ、黙々と先輩アルバイトさんの指示に従い作業をこなす若い人たちに会いますが、どの顔もうつむき加減で、早く時間が過ぎてくれるのを待つかのような無機質な感じを持たされます。重労働ですから、適当な気分転換をしなければ持ちません。荷物を持ち込んでくる運転手と冗談を交わしたり、仲間同士で笑いあったり、時に仕事の段取りをお互いに考えるなど、職場に体がなじむようにしていくことが長続きのコツであったりします。人が生き生きと仕事をしてこその仕事の効率化だと思います。一人ひとりのスキルアップが、大きく出ると日本経済の発展の礎だと思うのですが。企業が大切に人を育て、有能な人材として企業の発展に寄与できることを企業・個人双方にとっての効果を生み出していく、そんな効果を派遣の制度は見事に叩き壊してくれています。もちろん使い捨てのしやすい単なる労働力を安価で雇うことにメリットを感じている企業側の問題もあります。大切にされなかった労働者は、社会を大切に思うことはできないことは確かです。ここからも日本は壊れ始まってくのだと心配になります。

国民の議論

2008-09-02 08:35:27 | Weblog
日本の政治は、いつも私たち庶民から遠いところにあるようです。日常的な政治活動について、考えたり発言をしていく機会が、生活の中になかなか見出せません。あったとしても、いいっぱなしの愚痴で終わることが多いですよね。アメリカの大統領選挙の様子をテレビで見ると、演説会には動員もあるとはいえ何万という聴衆が集まり、街ではそれぞれが真剣に議論をしている姿がありました。日本は生活階級が明確ですので、議論をする層と議論をしない層もわかりやすく分かれています。しかし、昨夜、福田総理の辞任会見がテレビ放送のプログラムを破って一斉に放送された瞬間から、私のメールはなりっぱなし、家族でも議論が起きました。バイトから帰ってきた娘も、バイト先ではこの話で持ちきりだったそうです。日ごろ政治に手が届かない、また、話しても仕方がないと考えている人たちが一斉に議論を始めたようです。その国の政治のレベルは国民のレベルです。国民の意識が政治のレベルを押し上げていきます。その意味では、突然の辞任は私たち国民に政治を意識することに寄与したのではないかと思います。

新学期への不安

2008-09-01 17:24:57 | Weblog
二学期の始まりには、いつも子ども達の自殺(自死)のニュースが入ってきます。今年も数件のニュースがありました。死んでいく子ども達のその周辺の友人や大人たちはその兆候には気がつかなかったでしょう。意見表明がメールなどによってしやすくなったのはある面でよいことですが、反面、面と向かって対話することによる、おそらく「自分への相手からの即時のカウンター(反応)」に抗することや、その場でその問題をもう一度深めて考えてみることが『わずらわしさ』となってしまっているように思えます。対面で議論して、笑顔でその場所を離れたそのあとで、掲示板などの罵詈雑言を書き込み、そうして自分の中のもやもやを一方的に解消する書き込みも多く見ます。表面上の友人関係におびえながらの学校生活があるのだとしたら、大変つらい環境なのでしょう。対等なコミュニケーションの中では解決がしにくくなっているような人間関係の中で、自分の気持ちをきちんと相手に伝えることができずにしだいに独りぼっちになっていく。子ども達が自分の気持ちを打ち明けられない理由は、メールが原因とばかりはもちろん言えません。が、誰かがその子の顔色の変化に気づいて、声をかけることができればと思わざるを得ません。