一、
ア~ 御来場なる 皆様方よ
平に御免を こうむりまして
何か一席 伺いまする
掛かる話は 何かと聞けば
内裏神社の 伝説一つ
上手い話に いかないけれど
涙こぼれる 御ん物語
二、
ア~昔々の そのまた昔
帝位を 争いまして
戦破れた 大友皇子
媛と皇子は 別れを惜しむ
惜しむ別れが 最期の別れ
ひとり皇子は 命を絶って
知らぬ耳面は 逃れの船よ
三、
ア~私ひとりで 鹿島にいけぬ
愛し皇子を 置いてはいけぬ
涙枯れ果て 思いはつきぬ
皇子皇子と 涙に暮れる
涙に暮れて 逃れの果てに
哀れ耳面は 従者と供に
都逃れた 孤独の浜よ
四、
ア~内裏神社の お祭り事は
御浜降りと 演芸事よ
三十三年 一度の祭り
一度みたなら その次みたい
二度目みたなら もひとつみたい
三度みたなら ご苦労様よ
四度みたけりゃ 天国からよ
五、
ア~ここに控える 踊りと下座は
神西師匠に 囃子を習い
飯田師匠に 踊りを習う
下は二歳と 上還暦で
一年半の 稽古に耐えて
内裏神社の 舞台に上がる
お褒めくだされ 皆様方よ
六、
ア~大塚原よ ご苦労様よ
川口元組 ご苦労様よ
川口西組 ご苦労様よ
泉上方 ご苦労様よ
神西師匠も ご苦労様よ
飯田師匠も ご苦労様よ
みんなみんなで ご苦労様よ
七、
ア~もっとこの先 詠みたいけれど
上手いで長いは またよけれども
下手で長いは 御座の邪魔よ
止せよ止めろの 声なき内に
ここらあ~た~り~で~
談きりまするが オ~イサネ