なんとかなるでしょう

アメリカはギャンブルの街より

猫のお話3

2005-07-28 20:23:15 | cat
あれから2ヶ月が経とうとしていた。
夢を見た。夢の中で相棒はゴミに埋もれていた。
どんなにもがいてもそこから出る事はできない。
生きているのに・・・誰も彼女が生きている事に気ずかない。
鳴いて助けを呼んでいる。助けてあげるからね!!
夢の中で泣きながら叫んでいる。でもその声は彼女には届いていない・・・。

私は、家の玄関に餌と水を毎日用意して”彼女がお腹をすかせて戻ってくるんではないか”と待っていた。
そこには、お腹をすかせた野良猫たちが集まってきた。
こんなに野良猫がいたんだ。そのうち、1匹のボス猫に毎日餌を食べられてしまい
他の猫たちが寄り付かなくなってしまった・・・。

シェルターでは色々な人に会った。
その中で1人忘れられない人がいる。
”あなたも猫を探してるのね”彼女は言った。”もう2ヶ月が経とうとしてるんです。”私は答えた。彼女は、”私はもう3ヶ月探してるの。私、猫がいなくなってから1週間後に兄弟を事故で亡くしたの。あの猫は私の弟が可愛がっていた猫なの・・・”何と言っていいか・・・・わかりませんでした。言葉に詰まりました。

シェルターでケージに入れられた猫を見る度に、こんな事も思った。
何でこの子達はここにいるんだろう。ほとんどの猫が人間に慣れていた。
人間を見ると鳴いて甘えてくる。迷子になった訳でもなさそうだ・・・。
捨てられた?猫だ。
私は決意した、この中の1匹でも自分が救えるなら育てようと。

私は、数日後に日本に帰ることになっていた。
これは、だいぶ前からチケットを予約していてバケーションも取っていた。
とてもバケーションどころの気分ではなかったけど、家族も楽しみにしていて
キャンセルする訳にもいかなかった。
相棒探しをダンナに頼んで、私は10日間程日本に帰る事になった。

バケーションでも相棒の事を考えると、いても経ってもいられなかった。
ダンナはちゃんと探してくれているだろうか??
アメリカに戻る日に電話をした。”何か情報はあった?”
”何もないよ・・・”やはりそうか・・・。
”ところで、新しい猫を飼ったらどう?””私も考えているんだ”
”どんな猫がいいのかな””もちろん相棒と同じ黒猫で、子猫から育てたいな”
”ふ~ん・・・そっか””シェルターから猫を貰う事に決めてるんだ”
何とも変な事を聞くものだ。そう思った。

続く


猫のお話2

2005-07-28 10:43:07 | cat
私の相棒、すっかりお外の虜になってしまいました。
お外で何をするか?といいますとズバリ!!ハンティングです。
野生の本能がメラメラとミナギッテイル様子・・・(メラメラ~)
木にだって登っちゃいます。ただし、木登りなんて初めて・・・。
家でゴロゴロ食っちゃ寝を繰り返して、すっかり丸々と育った巨体?!
には苦難の技・・・。地上から1m付近でがっちりと幹にしがみつくのがやっと。
たまに降りられないので、私が幹から無理やり巨体を剥ぎ取って無事生還、ってこともしばしば。
アパートの周辺でちょこっと遊んでは家に戻ってきました。
毎日、セミを口にほおばって・・・。ミ~~~ンミ~~~~ン
何だろこの音は?!見ると必ず相棒の閉じられた口がポッコリ膨らんでいます。
そして得意げに私に見せるのです。”すごいでちょ?”明らかに勝ち誇った顔で
お土産を私に渡します。怒っっちゃいかんのよね?!
とある本で?もしくはTVで?見た事を思い出した私は、良くできました!!一応褒めておきました。セミはその後すぐ逃がしたけどね。

そんな毎日が繰り返されたとある日の事。
お外に行きたい!!ドアで激しく泣きわめく相棒。
しょうがないな、ちょっとだけだよ、すぐ戻ってね。
そこでドアを開けたのが大間違いでした。
1時間・2時間・・・帰ってこない!!!!!!!!!!!
外に人気のない夜でした。あわてて外に探しに行きます。
名前を叫びます・・・。何処にもいない!!!!!

いた!!!!!!
捕まえた・・・。だんなが捕まえました。
違う~~~~~~~~~~~~~!!
同じ黒猫でもこれは・・・相棒じゃないよ!!何て紛らわしいんだよ~!!しかもオスだよこれ・・・。立ち直れないかも・・・。
数時間、外を探し・・・家にいれば戻ってくるかな?ドアを開けて待ちました。
ワンワン泣きました。
翌日、シェルターにも行きました。そこで保護されている可能性が高いからです。
それからも私のシェルター通いは続きました。3日間たって身元の分からない猫は処分されると聞いたからです。チラシも作成。
お願いどうか戻ってきて!
それから電話が数回鳴りました。”リワードは貰えるの?!”
明らかに金目当て?!”捕まえたよ!”・・・飛んでいくとあの夜と同じ
オス猫が・・・これ、違う猫です・・・。協力してくれてありがとう・・・。(内心、またこいつかよ)このオス猫は近所で飼われているらしい。
”君の猫らしき猫が最近姿を見せるんだ、見に来てもらえないかな?”
彼は、野良猫に毎日水と餌をあげているようだった。
皆、親切だ。

日本だったらどうだろう?
見ず知らずの猫のことでこんなに協力してくれるだろうか?
シェルターに通っているうちに顔見知りになった。
彼女が又来た・・・。哀れむように私を見てる・・・。
1人の受付の女性がこんな事を言った。
”ここに座って毎日色んな人が通り過ぎるのを見てるけど
本当に辛いわ。帰っていく時の絶望的な悲しみが伝わってくる。
自分の家族を見つけて喜んで帰っていく人なんてほんの一握りよ・・・。”
大抵の人は私と同じように悲しみに打ちひしがれてシェルターを後にする。

続く