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大阪堺市長選挙に見るこの違和感 (竹山修身市長は本当に裏切り者なのか・・・?)

2013-08-19 18:33:24 | 日記
 
 堺市長選挙が注目を浴び始めている。
 かといって、正直なところ、奈良県民の私にとっては、国政選挙でもなく、
 他市の市長選挙という事であまり興味もなかったところが、自身の叔母夫婦が堺市在住で、
 たまたま叔母と話していて、「竹山市長って裏切り者らしいしね」なんて話を聞いた時に、
 どこか違和感を持ってしまった。
 その理由が、ネットで見聞きした話とかなり違うからだ・・・。
 それに加え、本来の政策議論ではなくどうも、裏切り者なのか、否かが、選挙の争点に
 なっている様子・・・これは絶対におかしい。

 一体、何が起こっているんだろう、事実は一体なに?
 そこから、この堺市長選挙について、私なりに調べてみることにした。

 この堺市長選挙がここ1年の国政において台風の目となってきた、「維新の会」の帰趨を占う選挙で、
 この結果がかなり今後の国政レベルでの政局にも大きく影響を与えるものとなりそうだという事から、
 どうも私も全く関係ない選挙では済まされないという気にもなってきた。

 では、そもそもこの「裏切り者」というレッテルの中身は一体どんな物なんだろうか・・・。

 ■ 竹山修身堺市長は、無所属で出馬し、4年前に橋下徹大阪府知事(当時)の応援を受け
  民主、自民、公明、社民4党が相乗りした現職を破っての初当選。
  現在は橋下市長の主要政策である『大阪都構想』に反対の立場を表明している。
  ちなみに、大阪維新の会は、西林克敏市議会議員が出馬を表明している。
      ↓
  「維新の会の推薦で当選しておきながら・・・」
  「橋下市長の進める大阪都構想を掲げ当選したくせに・・・」
      ↓
  それを今になって、「反対」とは、どういう事か!
  だから「裏切り者」である。

  どうもこういう構図のようだ。

 ※ しかし、調べてみると、ここにかなりの間違いがある事に気づく。

  そもそも、竹山市長が当選した4年前には、「大阪維新の会」も「大阪都構想」も
  存在しない。

  堺市長選挙が2009年9月。大阪都構想提唱が2010年1月。大阪維新の会発足は2010年4月。

 大阪維新の会発足以降、竹山市長は一度もそこに参画していない。
 大阪維新の会は、発足以降、2011統一地方選、大阪W選、2012衆院選などで、
 連戦連勝を飾ってきたが、そのどれもに竹山市長が維新の会を応援した事実はない。
 つまり中立の立場をとってこられたのだろう。

 その一方で、橋下市長の政策に、全て反対の立場を取るといったこともされていない。
 橋下市長の政策の一丁目一番地といえば、水道事業の府市統合である。
 この統合は、橋下市長が大阪市議会を説得できなかったことで頓挫しているが、
 統合の相手方の(大阪府水道事業を引き継いだ)大阪広域水道企業団のトップを竹山修身堺市長が務めている。
 そして、これまでの経緯を見ると、竹山市長はその立場で統合を前向きに進め、
 随所で橋下市長の統合条件を呑んできている。その他、この4年間で大幅な人件費の削減をするなど、
 いわゆる「橋下改革」的なものを実行している。
 つまり、都構想以外ではしっかりと手を結んでいる事実もある。

 それよりなによりも、そもそも竹山市長は調べる限り、橋下市長に担ぎだされて2009年の市長選に出たわけでもないという事実。
(これは意外だった) 
 竹山市長が出馬を決め立候補後に橋下市長が応援に入ったという経緯。
 先述の通り、維新の会も存在しない状態での堺市長選出馬。
 しかも無所属であり、自民、民主、公明、社民相乗りの候補を破っての当選だ。
 その一方で、橋下市長も自民党の推薦を受けて当選、またオリジナル維新の会の議員は元々自民党という人たちも多い。
 元自民の維新議員が、自民党から維新に鞍替えした事は裏切りではなく、
 そもそも無所属の竹山市長が裏切り者なのかが私には理解できない。
 鞍替えを否定するわけではないが、自分達の事を棚に上げて他者を攻撃するのはどうか、と思うだけだ。
 自民党からすれば、維新の会や橋下市長やオリジナル維新議員の方が裏切り者と思ってるんじゃなかろうか・・・。

 話を戻して・・・
 こういう風に政策そのものがほとんど焦点になっていない事が問題だと思う。

 思い出して欲しい・・・
「郵政民営化」の際、それまでの選挙で問われてもいないこの政策に造反した議員は「抵抗勢力」というレッテルを貼られた。
 また、昨年の消費税増税の採決の際、選挙で増税はしない、と公約を掲げて戦ったにもかかわらず反対した議員は、
「壊し屋とその一派」という 不当な扱いを受けた。
 選挙を経ていない後出しの政策に、自立した政治家が異を唱えることは、本当に裏切りか?
 ましてや、組織(維新の会)の人間ではなく、政策決定に何ら関与していない竹山市長がなぜ、
 ここに来て裏切り者となるのかが、第三者の私の目から見ても本当に不思議で仕方ない。
 一体、いつまで、こういうレッテルを貼って選挙を戦うことを続けるんだろう・・・。
 政策の中身は別次元で、政治家にレッテルを貼り、攻撃するような低レベルでの選挙には、もういい加減うんざりする。

 事実は一体どこにあるのか・・・
 そもそもの政策の違いはどこなのか・・・。
 どちらが堺市の為に、また市民の為に有益な政策を掲げているのか・・・
 さらには、大阪都構想が本当にいいのかどうか・・・
 そこをしっかりと有権者が見極めた上での選挙結果を期待する。

(文責:代表 森田 友企子)





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