恋文 宛先不明 其の参

　一般的には，日本では，クリサンセマムの名前で知られています。花言葉は，「誠実」「高潔」あまり，私とは縁のない言葉のような。夕方になると，花びらが閉じてしまいます。そして翌日の朝，日が差してくると、また開きます。二枚目が朝の様子です。

　では，本題に。

　インターハイも終わり。二学期になり，冬の駅伝には，ほんの少し時間が。でも，二学期には，体育祭が。そうそう，私は体育委員長だったんだよね。でも、楽しみは全校でのフォークダンス（今でもあるのかなぁ）そのフォークダンスの練習。運動場に全クラスが出て入場、ダンスの練習。嬉しかったのです。だって、女の子の手が握れるなんて、そう簡単にある機会ではない。だって、話すらあまりしたことがないのに，手が握れるんですよ。そして，えっちゃんは，三人後ろあたり。絶対に手が握れる。有頂天ってこんな感じかなぁ。

　すると，突然，体育主任の先生が，

「体育委員長は，指揮台の上で指揮するだぞ，早く来い」

　思わず叫んでしまいました。それも，大きな声で

「いやだぁ。女の子の手が握りたい」

周りは，一斉に大爆笑。

　いやいや，行きましたよ。指令台の上に。でも視線のその先は，やっぱりあの人，えっちゃんでした。「くそ，あやつ。後からどついたろか」

　練習が終わって，クラスに帰っても，その話で盛り上がってましたが。男どもが，

「誰の手が握りたかんやぁ？」

「女なら誰でも良いんかぁ？」

そんな言葉を，一切無視。

　えっちゃんの顔見れんかった。今考えたら，純情やったんなぁ。

　もう，下心を見透かされそうで，でも，そんな時にしか手ぇ握りよらんけに。クラスの連中は，普段の女っ気なしの私を知ってるので，もう馬鹿にすること。