The Diary of Ka2104-2

楽典に見られる7つのモード(modes)について

参考資料は英語圏出版物の楽典「Music Theory 101」です。

最後に表〈まとめ〉の画像を載せていますのでご安心下さい。

モードは親スケールに関連付けされています。

あるメジャースケールを取るとその第1音につき1つのモードから始まって、以降第2音、第3音と1オクターヴの最後第7音まで各々モードが関連付けされているのです。

それらモードを第1音から見ていくと、Ionianから始まります。このIonianスケールはメジャースケールそのものを表すのです。それですから、上行して行く各音間の間隔は、メジャーの間隔WWHWWWに追随し全く同じです。Ionianモードは伝統的なmajor scaleですので、Ionianはmajor scaleの正式名称とも言えます。

ここから例示を挙げながら各モードの名称と中身を見て行きましょう。

第1音を仮にFにしましょう。メジャーと変わらず、FーGーAーB♭ーCーDーEーFとなり、私から言うことにもあなたが考えることにも何もありません。これがIonianです。

次に第2音です。引き継ぎF majorが親スケールとなります。これはDorianモードです。

Dorianモードは第2音から始まりますので、キーがGから始まり、そのまま音階が上がって行きますが、上行するのに伴うDorianスケールの間隔は次のように決まっています。WHWWWHWです。そうするとGーDorianスケールはF-majorスケールと全ての音において共有されることになります。そして同時にDorianモードは他のどのスケールとも峻別して独自のものとみるよう要請されます。これはモードを理解するのにとても有用なソースです。

G-DorianはG-AーB♭ーCーDーEーFーGとなりますが、この羅列を見るにつけ、GーDorianはトラディショナルなGマイナースケール(G-AーB♭ーCーDーE♭ーFーG)と大変よく似ていることに気付かされます。違いと言えば、G-DorianスケールではEがEナチュラルであり、GマイナースケールではそこがE♭になっているだけです。そこでDorianスケールは第6変音のあるマイナータイプスケールとみなすことができます。

続いて第3音のAモードは、A Phrygianスケールと呼ばれます。その音程間隔は、HWWWHWWです。Phrygianは、はっきりとした響きで、よくスペイン人作曲家に好んで使われます。A-PhrygianスケールはAーB♭ーCーDーEーFーGーAとなりますね。これは正統なAマイナースケール(AーBーCーDーEーFーGーA)に極似しています。たった1つの違いは、AーPhrygianスケールの第2音の方が半音低いだけです。それゆえ、Phrygianは低第2音を有するマイナースケールと云って差し支えありません。

第4音はF majorスケールを親スケールとしてB♭でしたね。このモードをLydianと呼びます。その各音間の間隔はWWWHWWHで、B♭ーCーDーEーFーGーAーB♭と最初と最後の音が1オクターヴ違いの同名異音になっています。Lydianはめりはりのついた、美しくて明るい音色が特徴となっています。それだから、映画音楽に高揚をもたらしたり、ジャズやロックの作曲家に好まれたりしています。メジャースケールと近い関係にあるなとうかがわせます。実にB♭メジャースケール(B♭ーCーDーE♭ーFーGーAーB♭)と似ています。メジャーの第4音を半音上げれば良いだけです。単なるメジャーに異質な明朗さという個性を与えたまう訳ですね。

第5モードはMixolydianと言います。略してMixoとだけ呼ばれることもあります。引き続いてでCーMixolydianになりますね。音間隔はWWHWWHWで、CーDーEーFーGーAーB♭ーCと並びます。

BはどれをとってもB♭です。

CーMixolydianスケールはCmajorスケール(CーDーEーFーG-AーBーC)の第7音Cのところが半音下がる違いがあるだけのメジャースケール似であって、そこが半音下がることによって、溌剌し過ぎてやいまいかのメジャーからブルージィーで暗い音色へと引っ張ります。ですのでメジャーのサウンドを暗くしたブルースやロックやジャズ演奏家の定石となっています。

majorスケールの第6モードはAeolianと言いますが、捉え方はもう皆様おわかりですね。間隔がWHWWHWWとなります。

minorスケールはmajorスケールの第6音から派生します。

Aeolianはそれゆえ、ナチュラルマイナーの正式名称であります。

FmajorとDminorはそのkeyにおいて関連しています。FーIonianとDーAeolianも同じ元親スケールを通して関連しています。

Aeolianは厳密なminorスケールです。演奏家によってはメジャーになお固執なさる方がいるかもしれませんが、そういう向きは、Aeolianを第3、第6、第7音を低音化したメジャースケールと見なせば良いのです。

第7にて最後のモードはLocrianモードです。EーLocrianとなりますね。間隔はHWWHWWWです。この羅列、EーFーGーAーB♭ーCーDーEはEminorスケールのEーF♯ーGーAーBーCーDーEに瓜二つです。Locrianが第2低音で第5低音なだけです。Locrianモードはあまり遭遇しないほどとても個別的な音を有するとはいえ、これを以て、楽典におけるモード(modes)についての知識を身に付けられていたならと思うと、私としてはうれしい限りです。

表〈まとめ〉

 


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