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アポロメディア ~日々の生活と意見~
日々の出来事を記録することで、その意味を再確認し、今後の行動の指針を探っていきます。
 




NHKテレビで「日本の話芸」という番組があります。

時々見たりすることがあるのですが、「千早振る」という演目の落語ほど笑い転げたものはありませんでした。

大倉山記念館からの帰りに道端にあった可愛いクマの人形があったので写真に収めました。



良く見ると、クマが抱えている看板に小倉百人一首に出てくる在原業平(ありわらのなりひら)の和歌

『ちはやぶる 神代も聞かず 龍田川 からくれなゐに 水くくるとは』

が書かれていて、思わずこの落語を思い出してしまいました。

落語を聞いていたときは、登場人物のご隠居の先生がこの和歌の意味を、なじみの八五郎から問われて知らないとはいえず、出まかせでとんでもない解説をしていることが伝わってきて大変笑えるのですが、それではあなたは本来の意味を知っているのかと問われると何を言っているのかさっぱりわかりません。

ご隠居のことを笑うことなどできないのですが、それでも笑ってしまうのはまさに落語家の話芸なのでしょう。

この歌の意味は(ウィキペディアの「千早振る」の項にも書かれていますが)、

秋の歌で真っ赤に色づいたもみじの葉が龍田川(たつたがわ)という紅葉の名所の川面に浮かんでいる様子が、まるで深紅の絞り染めをしているようだと歌ったもので、こんなに美しい情景は神代にも聞いたことがないと絶賛しているわけです。

しかし、そんな意味があるなどということは、この和歌を単純に何回読んでも全くわかりません。

一つ一つの言葉の意味や背景を理解して、歌の解釈を聞いて初めてなるほどと理解できるものです。

いったんそのようなことが理解できると、この歌の味わいというものが分かってきて、紅葉の時期に龍田川にも行ってみたいなという気にもなります。

なお、歌に出てくる龍田川(竜田川)は、奈良県生駒郡斑鳩町龍田付近の竜田川、大和川を指しているとのことです。


歌に詠んだ頃の場所と現在の紅葉の名所とされている場所とは異なっているようですが、だいたいそのあたりの川だということは間違いありません。

ちなみに、「竜田揚げ(たつたあげ)」という料理名も竜田川からきているようです。

ひとつの歌を調べていくだけでも、いろいろな事実が分かってきて興味深いものです。

学習塾の入口にある看板で「勉学の秋です」と書かれているのも粋な計らいだと思いました。

きっと、この塾の先生は子供たちにこの歌の意味をよく説明していることと思います。

子供たちだけでなく、いくつになっても知らないことはたくさんあり、勉強は欠かせないものです。



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