¶タイタン号の宇宙探検¶

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Jポップの衰退&漫画原作だらけの映画・ドラマに突っ込み!M2SP!

2007年01月24日 11時36分27秒 | エンタメ・ラジオ・サブカルの話
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年末12月28日に放送のバトルトークラジオ・アクセス「M2のJ-POP批評2006」好評だったそうで…。(※M2:社会学者・宮台真司と評論家・宮崎哲弥の二人を指す)

オンエアは編集バージョン。が、実際の収録は3時間。それが今年になってノーカットでオンエアされます!(ポッドキャスティングへGO)

「M2」による過激なJ-POP批評。さっそく第2回まで聴いてみましたが、危ない発言連発で面白かったです。配信内容は以下の通り!

第1回~やっぱりJ-POPは終わってしまったのか?

第2回~振り返れば漫画原作ばかり。2006年サブカルを斬る

第3回(1/24)以降は水曜日の「アクセス」放送終了後UP。

ナビゲーターは渡辺真理。M2の言いたい放題の一部だけをご紹介いたしますね。

【第1回】

宮台 :J-POPは終わったって言葉自体が既に陳腐化しましたよね。巷でもJ-POPは終わったって言葉を聞くことはまず無くなりました。つまりそれを言って今さらどうなの?っていうことでしょう

渡辺 :ロックの盛り返しや期待なんてこともなかったんですか?

宮台 :つまりバンドがもう全くなくなったんですよ。ステージがあると出るのは大体アカペラとかヒップホップとかですね、せいぜいスカ・バンドぐらいなもので、いわゆる僕等が言うバンドは全く出ない

宮崎 :いや、でもそれはちょっと違っててさ、例えばトップ10なんか見てると結構今ソウルミュージック系、R&B系じゃなくてスリーピースバンド系みたいの多いよ

宮台 :いや、違わないんです。要は大学生がバンドを組んでステージで演奏したりする現象はもう全くない

宮崎 :ああ、そういう意味ね

宮台 :バンドをやるにしてもだいたい非常階段の裏とか屋上とかね。自家製のディーゼルアンプとかでやっているのが大半でしょう

宮崎 :バンドブームっていか天とかとかそういうイメージ?

宮台 :例えば東京ロッカーズとか、そういう動きはいろいろありましたよね。そうした動きは2年ぐらい前に途絶したんでしょう。先日萩原健太さんに話をしたらね「スタジオミュージシャンが供給源絶たれちゃって事実上もう30代以下はいない」と。でも打ち込みは結構流行ってる。で…今日のキーワード。自家中毒ってのを出しますけど、自分で思い通りのものを打ち込んで作るってやり方は衝突することによるクリエィティビティが全く期待出来ないんですよ。全く融和出来ない人間たちが集うことによってとんでもないものが出来るという可能性がもうない

宮崎 :でも若い子たちに話を聞くと、例えば石井聰互の「爆裂都市」。東京ロッカーズのある種の置き土産みたいなものなんだけど、ああいうの観てすごく萌えるんだよ

宮台 :あのね、例えば野島伸司が「ひとつ屋根の下」での共同性を表したとき、若いやつらは共同性を望んでるってプロデューサーは解釈したんだけれどもそれは違う!と。望んでいるわけではないが幻想として享受可能だってところだと思うんですよ

宮崎 :DJブームの頃「オタクDJ」っていう特殊な人たちがいたんだよ。つまりDJっていうのはクラブとかで皿を回して場の空気を読んで、踊ってる子たちがどういうものを望んでるかをどんどん先読みしていくっていうのが楽しいんです。でもただひたすら音を巧妙につなげることだけを考えているのをオタクDJって言って、要するに自己満足。自己・自家中毒なんだよ。それが他の領域にまで至ってしまったような感じがする

宮台 :だからコミュニケーション的なものの反対物になりつつある。音楽はいわゆるネタになるから聴くと

渡辺 :あの、でもバンドブームの頃には技術的に無理だったことが今一人だと出来るってことになりますよね。そうするともしかしたら濃くなって、いいものを一人で作れてしまうって可能性はないんですか?

宮台 :あんまりない。何故かっていうと、そもそも音楽をやる前に、表現なるものが奇異視されるわけ。何故かっていうと、暑苦しいと思われたり、独りよがりだと思われたりする。バンド組んでるだけでも自己満足なやつだと思われてるのに、そこで表現なぞやった日には目もあてられない。そうすると、まあ簡単に言えば昔でいうBGM的、聞き流してもらうタイプがどんどん流行ってくる

宮崎 :それってサブカルチャーにも全般に拡がっていて、例えばラノベ(ライトノベル)のセカイ系みたいな話と全く同じじゃないかと思う

宮台 :要するにコミュニケーションに頼って世界を享受可能にするという作法がある意味いらなくなった。そこまでダウンサイジング(小型化・軽量化)したんでしょう。わざわざ人と付き合ったり仲良くしたりして何かを共有して表現するってことによる濃密の調達じゃなく、まあ自分で自慰してればそれで濃密になるような、そういうツールがいっぱい出来上がったと。デジタル化ってのはそういう意味で大変資するところがあったということです

宮崎 :でもそういうのってすればするほどブラックホールみたいに圧力が掛かって、最後に爆発するみたいなことは考えられないの?

宮台 :論理的にはあり得ます。ただ何事も程度問題。僕がみるところそうやってネタになるような軽いのを作るか、煮詰まったものを作るか二分されるんだけど、本当に煮詰まったやつを作るやつは狂ってるんです。で、狂ってるとね、やっぱり伝わらないわけ。で、後で漫画の話しますけど、漫画ってのは元々東京六大学を出たようなエリート編集者と、ちょっと頭の狂った漫画家がコラボレーションするわけですよ。その狂った漫画家を、編集者が経験をもとにして枠にはめるわけです。しかし枠にはまろうとしないエネルギーとぶつかり合うことによってコラボレーションは成り立つわけ。でも最近の編集者の悩みは、ちょっと狂った書き手を探すのが難しいと。狂ってる場合は本当に狂ってる。そうするとコラボは出来ないんです──(つづく)

【第2回】

渡辺 :本当に映画、ドラマは漫画原作の作品が多いですね

宮台 :まず漫画評論家の宮崎さんにお話を

宮崎 :何ですか突然。振らないでくださいよ!

渡辺 :映画で言うと「デス・ノート」「ハチミツとクローバー」「海猿」ですか。ドラマで言うと「医龍」「Dr.コトー診療所」「のだめカンタービレ」「鉄板少女アカネ!!」「弁護士のくず」「クロサギ」

宮崎 :個人的に言うとね、「鉄板少女アカネ!!」というマイナーな作品をドラマにしようというTBSの蛮勇さに私は感動しましたよ!(笑)密かに私グルメ漫画全部読んでて、これだけはドラマにならんだろうというところをやってくれたのにはちょっと痛みを感じました!

渡辺 :可愛いかったじゃないですか!

宮崎 :あれはカルトドラマになりますよ(笑)DVD絶対私買いますよ!

宮台 :しかしデタラメなドラマでした

宮崎 :デタラメだからいいんだよあれは!ですけど要するにこれ漫画っていうのは画像ですよね。それを映像作品にしようっていうのはあまりにも安直というか

宮台 :「ハチクロ」「NANA」にしても言えることは、長い連載をしてきて佳境に入ったところに合わせて映画を公開している。僕に言わせると過去の漫画の蒔かれてきた種がようやく刈り取りの時期を迎えて一斉に刈り取られてる感じです。今継続している連載を見渡す限りは…来年このような漫画的なものが活気を帯びるようには思えない

宮崎 :私が観る限りでは映像化しやすいものを選んでる。でも映像化しにくい漫画ってあるわけ。これに挑んでくるんじゃないかな

宮台 :でもやはりある種のタイアップ化の中でしかお金は回せないということもあってね。実はテレビが漫画の世界にこういうパッケージで作れと指示している、そういう連携があるというふうに聞いてます

宮崎 :逆に言うと漫画の方は絶対に映像化出来ない!そういうのを作らなければダメになっていくと思う

渡辺 :邦画が洋画の興行収入を抜きそうなんです。50億円以上の興行収入をあげた邦画が5本ありまして、「LIMIT OF LOVE 海猿」「ゲド戦記」「THE 有頂天ホテル」「日本沈没」「男たちの大和」…

宮台 :三谷さんの映画を除くと全部クソ映画でしょ?

宮崎 :「男たちの大和」ちょっと好き

宮台 :(無言)

渡辺 :シ~ンってなりましたよ、今

宮台 :話を進めさせていただきますけどね

渡辺 :無視?!

宮台 :とにかく僕の印象は、いい歌はますます売れなくなっちゃうんだな。いい映画はますます観られなくなっちゃうんだな…そういう印象

渡辺 :宮台さんがいい映画だなと思った映画はあったんですか?

宮台 :洋画にも邦画にもそれなりにあります

宮崎 :この人はずっと「ダ・ヴィンチ」で映画評を連載してるから

宮台 :「フラガール」「幸福のスイッチ」が良かったです。ノスタルジックなだけじゃなく、僕たちに充分な痛み(※ 森岡正博著「無痛文明論」参照)を感じさせます。洋画でも実は沢山あって、もうすぐ公開される「善き人のためのソナタ」。これもいい。あと「不都合な真実」。これね、いい映画だけどダメ映画なんですよ。何でかって言うと痛みを感じないんです。きれい事なわけ、はっきり言えば。むしろ「ダーウィンの悪夢」というドキュメンタリーがあって、それのほうが遥かにいい!

渡辺 :宮台さんがおっしゃる痛みっていうのは辿り辿って自分も加担してるっていう…

宮崎 :それもあるんだけれどやっぱり全員が最適化していて最善のことを行っているはずなのに、地獄になってしまうっていう現実の痛みです

宮台 :「不都合な真実」って映画がダメなのはわかりやすい悪者がいるわけ。みんなこれで感動するんだろうけど、僕はこういう図式は嘘だと思います!

渡辺 :じゃああえて斬られるために出しますけど「ハリー・ポッター炎のゴブレット」「パイレーツ・オブ・カリビアン」「ダ・ヴィンチ・コード」

宮崎 :僕全部観てません。あのね、「ダ・ヴィンチ・コード」だけはDVDで観たんだけど実は途中でやめたの(苦笑)面白くないんだよ~!

渡辺 :宮崎さん、突っ込みどころがある映画って大好きじゃないですか!

宮崎 :だって原作読んだからさ~

宮台 :「パイレーツ~」を覗いて原作が大変売れてるんです。だからネタになるからみんな観に行く。例え映画の出来が悪くても、いや~酷い映画だったよね!ってコミュニケーション出来るから。いずれにしても僕のような人間は自分の問題として観れるかどうかっていうのが最大のポイントですね

渡辺 :宮崎さんはどうなんです?

宮崎 :私は映画から途中で下りた人間なんで。若い頃はすっごい観てたんだけれど、80年代の半ば辺りから急激に日本映画は私の中でダメになった

宮台 :80年代半ばから映画のインディーズ化が進んで、90年代後半からはデジタル化によって更にダウンサイズ化が進むわけ。それに平行して映画の専門学校がいっぱい出来て作り手が沢山供給されるようになった。その代わり観客のクオリティがどんどん下がっていく。すると何が起こるかっていうと観客はネタになるから観に行くようになる。作るほうは仲間うちで戯れるために作る。そこには表現はないんです。で、すぐに真似出来るから岩井俊二風とか…映画コンペ行ったらそういうのばっか!知らない人が観ればスタイリッシュなんでしょうけど──(つづく。このあとM2が「武士の一分」を絶賛し、渡辺真理がびっくり!など面白い話題満載です) 

***  ***  ***

という感じです。かなり端折りましたが、細かい部分はポッドキャストでね♪ 


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29 コメント

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おじゃまします。 (まっつん。)
2007-01-24 11:59:13
両雄が『武士の一分』を絶賛ですか!!!
じゃあ、今度見に行こう!(笑)
『痛みを感じない』『キレイごと』ってなんか
理解出来ますね、一時『純愛映画』が
やたら流行ってたけど、あれも宮台さんに言わせたら
『キレイごと』なんでしょうね。
愛だ恋だってだけを取り上げて作品にされても
どうなの!?って僕も思います。




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鉄板少女アカネ!! (タイタン)
2007-01-24 13:14:44
もう宮崎さんがDVD買うっていうなら「アカネ」はなのとしても見たいです!(ミーハー)

痛みのない文化って…そういうのがきっと大衆は好きなんだと

思うんですよ。確かにその瞬間だけ泣いたりして、でも家に帰ればルンルンっていうか…(^_^;)

実際はもっとあれこれしゃべってるんで時間があったらぜひ聞いてみてください
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漫画は読んでないけれど (てっぱん)
2007-01-24 15:17:23
宮崎さんにそこまで言われたら見たいですね、アカネ。

あと「男たちの大和」もみたくなってしまいました!
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映画の評価 (こやなぎ名人)
2007-01-24 17:10:07
さっそくお邪魔しました(^^)。
ズバズバ切りまくる映画評ですね。
おかげで見ていない映画の本質も見えてきました。
DVDを借りるときの参考になります。
ちなみに私の昨年のベストワンは
「フラガール」でしょうか。
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こやなぎ名人さん、こんにちは! (タイタン)
2007-01-24 17:21:25
ポッドキャスティングだと、音楽も映画ももっとあれこれ言ってます。
(これがネットでUPされると聞いて宮崎さんがしばし狼狽したくらいですから^_^; )

私「フラガール」が楽しみになりました!あと「時をかける少女(アニメ)」も誉めてましたよ
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参考に・・・ (ふなやっこ)
2007-01-24 19:11:07
フラガール、よさそうですよね~。
ここまで、ずばずば言ってくれると
気持ちいいです。
アカネはまったく、眼中になかったんで
すが、ちょっと興味がわいた
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第二回 私も聴きました! (で~ぶ)
2007-01-24 19:18:29
宮台真司センセイの「クソ」発言が もっと多かったような気がしますが、末節を端折りましたかな(笑)?

確か、最後の頃に 昭和の臭いのする映画 山本薩夫監督の映画が いいとか 言っていましたね~、砂の器の話もあったか。。。 昔の映画は、確かにいいですね。

年末にTVでオンエアされた「有頂天」あっしは、あんまり、いいとは思いませんでしたが、いま三谷監督を叩ける評論家は 居ないってコトですかな??
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ふなやっこさん、私も~♪ (タイタン)
2007-01-24 21:03:33
「フラガール」って痛みがある映画なのかしら?という疑問をもちつつ、

ぜひWOWOWで…!!(こればっか^_^; )
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で~ぶさん、端折りまくりです! (タイタン)
2007-01-24 21:07:10
出来れば本編を聞いて欲しい!というのが本音なんですよ。(あとは…やっぱもう無理!ってことで^_^; )

本当は今の映画見る時間があったら古い映画見たほうがいい!

とか、音楽も「カラオケはこういう歌をうたわなきゃいけない」

あと、カバーアルバムやジャニタレファンへの突っ込み…。

ぜひポッドキャストで聞いて欲しいんですよね~。続きも「著作権問題」など興味深いですから。

あと宮台さんが実は好きな俳優も気になるところです
返信する
で~ぶさん、続きです! (タイタン)
2007-01-24 21:10:29
三谷さんのは「クソ」とは言わなかったけれど誉めてもいなかったですよね。(本音はどうなんだ?)

あと、宮崎さんがグルメだってことがよくわかりました。「スッキリ!」で

いつもグッチ裕三さんのお料理のコーナー、やけに楽しそう…と思ってたら

そうか、基本的にそういうのが好きなんだな~と、納得!!

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