「さつまいもの種芋の保存手段について」
3月16日
【始めに】
さつまいもの苗は毎年自前で作っていますが、さつまいもの種芋の保存手段について良い方法がないか模索していました。今回は初めて地中に保存したので、その手段について記述する。
本「保存の仕方」は、神奈川県西部地区(例年最低気温0°C程度)に置いて個人的に実績を評価した上で記述した物で、地域、異常気象などを鑑みる必要があります。(住んでいる環境・標高・北緯・地形を考慮する必要があります。)
また、記述内容は全て個人的見解であり注意が必要である。m(_ _)m
《目次》
1.用語の説明
2.何故今回は従来のやり方から変更したか
2.1 従来のやり方の不満点
2.2 今回の新手法に対する期待について
3.種芋の保存の仕方
3.1 従来のやり方「室内ムロ」
3.2 今回の新手法「ムロ」
4.「ムロ」への詳細保存方法
4.1 穴を掘る
4.2 保存さつまいも投入
4.3 土を被せる
5.春の種芋取り出し
5.1 掘り上げる
5.2 掘り上げた種芋評価
6.まとめ
では、目次に従って
1.用語の説明
此処でいう「ムロ」と「室内ムロ」の定義
・「ムロ」:畑の敷地内で穴を掘って造った収納庫を指す。
・「室内ムロ」:空いた段ボール箱をムロとして使い、それを住居の室内に置いて出来た収納庫を指す。
2.何故今回は従来のやり方から変更したか
2.1 従来のやり方の不満点
室内ムロを使って種芋を保存していましたが不満点を下記に示す。
・種芋として苗床に入れる時の状態が、芽がほとんど出ていない休眠状態なので芽出しが遅くなり苗の収穫時期が遅れる。
・昨年紅はるかにおいては、苗床で芽が出ずに種芋自体が腐ってしまい苗の収穫に失敗した。確かに紅東苗よりも紅はるか苗の方が苗床での成長が遅いので難しさはあると感じていた。(昨年、紅東は問題なく苗の収穫が出来た。)
2.2 今回の新手法に対する期待について
里芋と同じ手法のムロを使う事による期待は2点
・里芋の種芋をムロから出すと生き生きした芽が出ているので、さつまいもに関してもこの状態を種芋に期待する。地中に埋めているので自然環境で保存されているのと同じなので旬が来れば芽が出てくる原理を期待する。
・紅はるかに関しても地中環境下ならば生き生きした芽が出ることが期待できると思う。私の推測だが、紅はるかの方が気温に敏感ではないかと思っている。
3.種芋の保存の仕方
保存の仕方について記述する。
3.1 従来のやり方「室内ムロ」
さつまいもを収穫する。
↓
さつまいもを一つ一つ切り離す。(出来るだけ沢山入れるため)
↓
洗わずに段ボール箱につめる。
↓
出来るだけ室温の高い部屋に段ボール箱を置く
↓
苗床に移植するときに取り出す。
3.2 今回の新手法「ムロ」
さつまいもを収穫する。
↓
さつまいもを一つ一つ切り離しても良いし、蔓ごと手を加えなくとも良い
↓
土の中に埋める
↓
苗床に移植するときに取り出す。
4.「ムロ」への詳細保存方法
今回の新手法について詳細に記述する。
4.1 穴を掘る
畑の陽当たりの良い邪魔にならないところに穴を掘る。深さは約60cmで面積は入れたい量で決まる。

4.2 保存さつまいも投入
穴の底面に藁を敷き詰める。(地面に接して腐敗する要因を削除するため)

種芋を並べる。左が紅はるか(蔓付きのまま一株)、右が紅東(ばらした状態の物で、調理しにくい形の出来損ないですが苗をとるには問題ない)

4.3 土を被せる
芋の上に同じように藁を載せて、掘るときに楽なように境目の板を載せる。
両脇には、空気穴として藁を立てる。

土を被せて終了。雨水が周囲に溜まらないように土を盛り上げる。

5.春の種芋取り出し
翌年の3/17に掘り上げる。
5.1 掘り上げる
被せておいた藁から顔を出した種芋です。

5.2 掘り上げた種芋評価
(1)紅はるか
収穫した状態と全く変わりはなく、みずみずしさを保っています。また、3mm程度の新芽も出ていました。

(2)紅東
収穫した状態と全く変わりはなく、みずみずしさを保っています。また、10mm程度の新芽も出ていました。

6.まとめ
予想通りの品質の良い種芋保管が出来ました。次年度からは、本方法にて種芋を保管することとする。
(付録)
畑の隅に透明波板を使って苗床を作りました。
・30cm位の深さで波板サイズの穴を掘る。
・種芋を並べる。

・種芋が隠れる程度に土を被せる。
・給水
・波板で上から覆う。

・藁などを挟むことで空気穴を設ける。
