徒然草庵 (別館)

人、木石にあらねば時にとりて物に感ずる事無きに非ず。
旅・舞台・ドラマ・映画・コンサート等の記録と感想がメインです。

リアル世界の車窓から(2017秋)イタリア/ウルビーノ編

2017年10月16日 | 旅行
今回のイタリア旅行は「今までに一度も行ったことのない場所に行こう」というのがテーマのひとつでした。
それじゃ、どこに行こうか?・・・これを決めるのになかなか時間がかかりました。



フライトをボローニャin/outにしたので、例えばナポリやローマ近郊、あるいはピエモンテ方面まで足を伸ばすのはちょっと勿体ない。(そのまま現地から飛んでしまう方が楽!)
候補に挙がったいくつかの都市から、私が選んだのはマルケ州の山の中にある「ウルビーノ」!
文化的洗練をもって知られたウルビーノ公国の首都であり、あのルネサンス期の巨匠ラファエロ・サンツィオの生まれ故郷、一度行ってみたいと思っていたのですが、なかなかチャンスがなく、20年経ってしまいました(笑)。

ボローニャからウルビーノへは、まず東へ。アドリア海に沿って南下、ペーザロに向かいます。ボローニャ〜ペーザロ方面(さらに南のアンコーナやレッチェ、バーリ行き)の列車は、比較的本数が多いのですが、この時間に乗りたい!という計画があるなら早めに駅で切符を購入しておいた方が良いと思います。

TRENITALIA トレニタリア(イタリア鉄道)のHP ※オンラインで切符が買えます!
http://www.trenitalia.com/tcom-en

昔は紙冊子の時刻表「トーマスクック」と格闘していたものですが、こんな便利な時代になったんですねえ・・・(しみじみ)事前に乗り継ぎなどを調べるだけでも充分すぎるほど役に立ちますので、ぜひ。

さて。私の乗った16時ボローニャ発IC(InterCity/都市間特急)611は、どうやら満席でした。

2nd Class1(2等車)距離にして約150km、時間は1時間半、料金は18€。
もしも旅費を安く上げたいなら、ICより時間がかかるREV(地域間急行)にして、約2時間で11€。
時は金なり、で早く移動したいなら、特急のフレッチャビアンカで、74分、22€。
このあたりも自販機で検討できるのが、ありがたいですね♪

そして、ペーザロ到着が17:35の予定で、ウルビーノへのバスが18:00・・・普通なら余裕!と思うところが、安定のイタリアクオリティ(笑)ボローニャを出るとき既に10分遅延だったので、もうこれは「なるようになる」で、腹をくくるしかありません。ちなみにウルビーノへは鉄道が通っていないので、ペーザロでバスに乗り換えます。

ペーザロ駅


バス停は、駅の出口(1カ所のみ)を背に右へ、50mほどのところにあります。Aから順番にバス停があり、ウルビーノ行きはG/H乗り場から出ます。(大型バスでの運行の場合、乗り場から少し離れた駐車スペース内にいることもあるのでご注意を!)切符は片道3.70€、往復は買えません(帰路はウルビーノの町中のタバッキで買えます)ウルビーノ市内のバスは1.25€です。←バスに乗るほどの距離の町でもないのですが。

バス停のあたり


ペーザロからウルビーノまでのバスは(復路もほぼ同様)0時と30分と言った感じで、30分に1本出ています。急行バス(途中停車なし、約50分)と路線バス(各停、約70分)が交互に出ているようで、私が乗ったのは行きが急行バス、帰りが各停でした。時間を節約するためにも、出来れば急行バスを選びたいところ・・・ではあるものの、実は路線バス(日本と同じように乗客がバス停にいれば乗せる&降車ボタンを押して降りる)も、飾らない地元民の生活風景や実にイタリア的な人々のコミュニケーションが垣間見られて悪くはないと思います。(私はそういうのを観察するのが大好きなので、復路の各停も結構楽しみましたw)

ウルビーノ観光のみどころ
・ドゥカーレ宮殿(ラファエロ父子の作品他、多数所蔵)
・ドゥオモ&付属絵画館(2017年10月現在修復のためドゥオモは公開中止/絵画館も平日AMに不定期開館)
・城壁1周(壁沿いに歩けるのは半分、あとは外周道路をたどっていくことができる)&市街パノラマ撮影
・地元特産グルメ(サラミ、チーズ、ハム、黒トリュフ)









余程「ウルビーノに絶対来たかった!」というマニアならともかく、一般的には「1日あれば充分!」かもしれません。歩いて移動するので、美術館などをゆっくり見たいならやはり丸1日は必要かと。日程に余裕が持てない場合、推奨ルートは以下の通りです。

往路 (2017年10月16日現在)
ボローニャ 08:00 IC(都市間急行)603 レッチェ行きに乗車
ペーザロ  09:35 到着
ペーザロ  10:00 46R(急行)バスに乗車
ウルビーノ 10:45 ボルゴ・メルカトーレバス停(城壁の前)に到着



お昼は地元でも有名な食料品店@ラファエロ通りの「うまいもの堪能セット」をどうぞ。ここはセットメニュー1つだけですが、トリュフからハム&サラミ、チーズまでいいものを取り揃えてます。一人分でも相当量があるので、無理っぽいor余ったら「ポッソ・ポルターレ・ヴィア?」と聞けば、持ち運びしやすいよう綺麗に包んでくれます。帰りの電車や、ホテルの部屋で地元ワインと一緒に楽しめますよ〜♪

復路 (同上)
ウルビーノ 19:00 サンタルチア広場発 46R(急行)バスに乗車
ペーザロ  19:45 到着
ペーザロ  19:55 フレッチャビアンカ(特急)FB8830 ミラノ中央駅行き 乗車
ボローニャ 21:14 到着

ほらね!日帰り可能でしょ?(爆)・・・と、1日に数百〜数千kmを駆けること日常茶飯事な庵主ですw。出来れば途中のリミニ辺りに泊まって、先般ご紹介した「サンマリノ共和国」観光とセットで1泊2日の小旅行をオススメしたい!(折角の移動距離&交通費が勿体ない!)
リミニも歴史あるリゾート地なので、市内にちょこちょこ遺跡があり、ローマ史好きにはうれしいのと、何より生ハムに飽きた(罰当たりw)のなら、アドリア海の新鮮な海の幸を食べさせる店はたくさんあるので、ぜひ地元の白ワインと一緒に堪能して頂きたいところです。

推奨とは間逆に、今回はボローニャから夕方ウルビーノに移動→2泊して早朝にエミリア方面に移動、という滞在をしたのですが、ウルビーノに泊まったメリットも確かにありました。

まずは夜景(日没直後〜)の素晴らしさ!
市街の北西はずれにある駐車場&住宅街を通るロッセッリ通りに、展望ポイントがあります。町で貰える地図には緑の緑地帯を通る道路の名前の横に「ストラーダ・パノラミカ」と書いてあるので、昼であってもぜひ足を伸ばして、ウルビーノの全景を心行くまで眺めて頂きたいものです。私の泊まった晩は、まさしく中秋の名月!黄昏から青みを深めて行く夜空に、真珠のような月が輝く様は、まさしく「若きラファエロも見たに違いない」と思わされる麗しさでした。



夜のウルビーノは中世さながら。学生の町だけあって賑やかですが、ちょっと路地を覗き込むと、そこにはルネサンス期の残り香が漂っているようで、思わず吸い込まれそうな雰囲気です。



そして秋の早朝。バスからふと外を眺めると、市街の麓のアペニン山地にみごとな「雲海」が広がっていました!谷間を埋め尽くすミルクのような雲と、朝日に輝く晩秋の山々や城壁。さしずめ、天空都市といった風情です。写真が撮れないほど一瞬だったので申し訳ないのですが、展望ポイントとしては、市街の西側、ボルゴ・メルカトーレのバス停あたり、またはその上に位置するガリバルディ通りの城壁上からが最も美しく見えるはずです。(東側は市街地&谷間がないので霧は出ません)

ウルビーノからの朝移動に関してですが、ペーザロ駅からの北部行き列車も(時間帯によっては)そう本数が多くないので、絶対に逃せない列車があるなら余裕をもって移動することが必要です。
そもそも!帰路のバスが出るのは、到着した時に降りることが多いボルゴ・メルカトーレ(城壁前)の停車場から真反対側なのです。サンタルチア門のバス乗り場まで行くのが結構大変wで、ホテルの場所にもよりますが、ショッピングセンターの中のエスカレーターやエレベーターで降りて行く分かりにくさを考えると、徒歩なら30分は見こんでおいた方が良いでしょう。無難にタクシーを使うのもおすすめです。なお11時発&12時発の急行バスはボルゴ・メルカターレのバス乗り場から回送されるので、ここから乗ることもできるそうです。(泊まったホテルのスタッフさん談)

移動の目安としては(列車にもよるものの)ペーザロ→ボローニャがICで約100分。ボローニャからさらに移動する場合は、乗り継ぎに注意です。トレニタリアHPほど正確ではないものの、Googleマップの経路案内がかなり役に立ちますので、目安にしてみると良いでしょう♪

どちらかといえば、マルケ州は隣接のウンブリア州、トスカーナ州ともに「車であれば遥かに自由度のUPする旅ができる」エリアです。サンマリノだけでなく、サンレオやペルージャ、アッシジなど。私も次回はドライブでアペニン山脈を越えてみようかな、と思案中です♪

(つづく)