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徒然草庵 (別館)

人、木石にあらねば時にとりて物に感ずる事無きに非ず。
旅・舞台・ドラマ・映画・コンサート等の記録と感想がメインです。

TRUTH 東京初日・その2(ネタバレあり)

2014年07月28日 | 舞台



(7/29追記:2回目観劇後末尾に加筆しています)



前回書き足りなかったことを追記する『TRUTH』初日感想、その2です。
注意:相変わらず盛大にネタバレしています。

これを書くために初日の記憶を反芻しながらサントラ(2005年版)を聞いていたらラストの「TRUTH(05 MIX)」で泣きそうになって朝から困った庵主でした。通勤途中に聞くもんじゃない ( ノД`)。
あの主題歌、英語版も良いですけど、胸に「ぐっ」とこみ上げるものがあるのはやはり日本語歌詞バージョンです!


TRUTH(2014)

公式HP
http://www.caramelbox.com/stage/truth2014/

≪キャスト≫(敬称略・カッコ内は過去上演キャスト)
野村弦次郎:畑中智行  (1999/2005:岡田達也)
長谷川鏡吾:大内厚雄  (1999/2005:上川隆也) 
柴田英之助:三浦剛   (1999/2005:大内厚雄) 
五味隼助:左東広之   (1999:菅野良一/2005:細見大輔)
池波三郎太:小多田直樹 (1999:南塚康弘/2005:畑中智行)
吉川虎太郎:鍛治本大樹 (1999:清水誉雄/2005:筒井俊作)
山岡忠兵衛/月真:筒井俊作(1999/2005:篠田剛)
池波初音:実川貴美子  (1999:岡田さつき/2005:小川江利子)
吉川ふじ:岡内美喜子  (1999:坂口理恵/2005:岡田さつき)
池波美緒:林貴子    (1999:中村亮子・小川江利子/2005:岡内美喜子)
池波帆平:武田浩二   (1999:西川浩幸/2005:川原和久)


2月の『ヒトミ』でも過去上演とのキャスト比較表を作ってみたのですが、今回も「歴史のある劇団ならでは」の凄みを感じて身震いがしました。しかも「ものすごく好きな作品」と「自分が今年の公演で身近に観た素晴らしい役者さんたち」が一緒になってやって来る、というのは…盆と正月が一緒に来た?!(笑)ちょっと簡単には言葉にできない興奮と、ゾクゾクするような喜びがありました。

他の舞台や映画、ドラマ作品では「あの人ホントに当たり役で、他は考えられないくらいだったのに…何で変えちゃうの?!(泣」ということも多々あるのですが、これは劇団上演である以上、過去の経験値やDNAを引き継いで素晴らしいものにしてくれるはず!この私の「絶対的な信頼」は、先に再再演の『ヒトミ』を観ていたからに違いないと思います。←きっとそんなスピリッツの部分が私の感じている「キャラメルボックスのTRUTH」なんでしょうか。これはCB初心者としての感想です。


≪お芝居の印象≫
今回観ていて一番ざっくりとした印象は「ずいぶん賑やかな芝居になったね?」特に序盤の虎太郎宅でのシーンや道場、合間合間に挿入される回想シーン…1999年の初演DVDで見た「わちゃわちゃした騒々しい感じ」が、形や演出を変えていても、ちょっと戻ってきたような気がしました。キャスト総替え&初日だったせいもあると思いますが、舞台にみなぎる何とも初々しい空気感と緊張感。ちょっと大袈裟なほどのアクション&リアクション、笑いを取るところも少しずつ「ネタ」や「ボケツッコミのリズム感」が違っていて(当然、時代が変わったせいでしょうね)あの「ワイワイガヤガヤ」で「粗削りだけど沸き立つような若いエネルギー」を感じたのは事実です。

そう!みんな若いな!と素直に思ったのですよ。あ、年齢のことではないです!(笑)むしろ、あの青臭~い、若造がエラソウに…と「良識あるオトナが思わず笑っちゃうような」あの感じ!ちょっとくすぐったいような、でもその「怖いもの知らずさ」や「勢い」が羨ましい、ちょっと嫉妬しちゃうような、あの気分です。幕末ものの小説やドラマにはいろいろ触れてきましたが、舞台で観ると、あの時代が持っていた奔騰するエネルギー、湧きかえるような狂熱が、すごく生々しく伝わってきたんですよね。その若さ、狂熱ゆえに、歯止めがかからず壮絶な悲劇へとなだれ込んでいくストーリーのパワーも生々しく伝わってきました。



≪殺陣≫
ナマで観る殺陣の速さ、特に「斬り込む鋭さ」は、ヒヤヒヤするほどに真剣勝負そのまま!特にDVDでは十分味わえなかった、静から動への一瞬の切り替えや踏み込みの速さと重さ、太刀捌きの滑らかさ。抜身の刀を持って立っているだけで怖い。特に誰かさんは「居るだけ」でホントに怖い。怖いんだけど見とれてしまう。誰かが斬られるとこっちも思わず「痛い!」と身を竦めたくなるような、皮膚感覚がヒリヒリザワザワするリアリティ。これは舞台の醍醐味ですね~♪ あの殺陣を観るだけで価値があると思えるほど。まさしく達人の技、堪能しました!!! 



≪舞台美術(セット)≫
前回も書きましたが…箪笥や障子、襖もない、垣根も植栽も瓦屋根もない時代劇!!これにはビックリ通り越して「唖然」としました。具象物が小道具&持道具(刀や稽古道具、飯びつやおたま、提灯、矢立など)以外、ほぼ無かったように思います。

登場人物は当然時代劇なので着物でかつらという扮装ですが、ステージそのものは無機的なまでの静謐さに溢れています。ダークブラウンを基調に、それよりやや薄い木目色が寄木のように多層化したパターンで構成された柱や壁面はとても暗く、観客の想像だけで場面を作り上げることができる、もっと言えば「役者の芝居だけで劇場を幕末のあの時代にまで持って行くことが前提になっている」すごく挑戦的なセットだな、とも感じました。余計な具象物がない分、人によっては過去上演の記憶の呪縛から自由でいられるかもしれません。

さらに「この『TRUTH』がこんなにシンプルに徹した舞台セットということは、もう一つの『涙を数える』は、逆にTVドラマや時代劇舞台でおなじみの、具象物満載の舞台装置で来るはずだ!」これは直感です。アタリか、ハズレか。『涙を数える』の初日まで2日、こっちもワクワクしてます。



≪登場人物たち≫
特定の「配役ありきの台詞」は、キャストが変わった分少しだけその色を薄めていた、あるいはその台詞を受ける周囲のリアクションでバランスをとっていたように思います。(その台詞はその人が言うから面白い!というのは確かにあって(^^;)登場人物同士の関係性も、中の人要素(笑)が影響するのでしょうか?ビミョーに空気感が違う!例えばこんな感じ。

・英之助と弦次郎 ←身長差が可愛い…とか言ったらダメですか?
・三郎太と隼助 ←三郎太が武闘派急先鋒って感じでかなりイメージ変わった(前は世間知らずのボンボンw)
・虎太郎とふじ ←このカップルは「超・イマドキ風」で面白すぎるw
・弦次郎と初音 ←初音のヒロイン力が想像以上で観る方がドキドキする
・帆平と美緒 ←師匠がずいぶん若々しい!そして門下生との「心の近さ」が良い。やや所作の心配な妹もラブリー。
・弦次郎と鏡吾 ←正直に言うと、ちょっとビミョウな距離感
・英之助と鏡吾 ←これも…実のところちょっとビミョウな距離感
・鏡吾と隼助・三郎太・虎太郎 ←何故か鏡吾のこの3人に対する威圧感がハンパないw
・月真和尚と二人(弦次郎・美緒) ←既に規格外の面白さ。登場だけで笑いが取れるってどんなですかw

ほかにもいろいろあると思いますが、それは2回目以降に観てのお楽しみということで。それに私自身も1回目を観ただけなので、今後印象がどんどん変わっていくとは思います。とりあえず初見の印象を。

三浦さんの英之助、私の事前予想とは違って、寡黙であまり想いを口に出さない「古武士」のような風情でした。扮装もポスターの前髪アリの結髪ではなくて長身をひときわ目立たせるようなオールバック、ちょっとコワモテ系なんですが、時々弦次郎や初音と関わる際に見せる微妙な表情の綻びが面白い…というか不器用で可愛いw ただ台詞がどうしても(鏡吾同様に)私の意識では大内さんのものと被ってしまうので、少し慣れるまで時間がかかりそうです。

左東さんの隼助は「どこかで既に見たような気がする」ほど、私には違和感がない変化でした。(立川迅助っぽいというか…あ、どうか怒らないでください~!)これぞ隼助だなあ…と思う印象的な台詞やシーンもぴったりとイメージにはまっていて、不思議でした。前回の公演の細見さんと(顔かたちではなく)醸し出す雰囲気が似ているかな?と個人的に思ったせいかもしれません。

三郎太は小多田さん。大内鏡吾と並ぶと「どこの工藤興業ですかw」とニヤリ笑いが…なんてw長身でいかにも腕っぷしが強そう!実は三郎太は私の中で「皆よりも少し年下で、負けず嫌いだが世間知らずのボンボン」なイメージがあったのが、今回は「ザ・武闘派!」芝居の相性としても、弦次郎や隼助を追い詰める急先鋒的な立ち位置が合うなあと(姉上に手を出したらマジで斬られるw)これまた役のイメージが中の人のお陰でガラッと変わったキャラです。

何とも舞台姿が涼やかな鍛治本さんの虎太郎。私には予想通りのようで意外なようで…とても不思議な雰囲気。多分ふじ(=岡内さん)とのやりとりのせいかも…?お笑い要員wな面が強調されていた?前回公演と比べて「剣の腕もイマイチ、年上女房の尻に敷かれるダンナ」というよりも「優しさゆえに(誰に対しても)強くは出られない、それゆえ剣の修行でも損をしてしまう」ように見えて、甘い顔立ちや「イマドキ感」が、そこに輪をかけているなあ…と。(大友先生@『ヒトミ』もちょっとそんな雰囲気、ありませんでしたか?)

そしてふじ@岡内さんは、とにかく着物姿が美しくて、知的で、キレイすぎて「年上妻」の響きが私には単なる「羨ましいぞ虎太郎!」になってしまってますが何か?w あんなお嫁さんなら鏡吾に言われずとも金の草鞋を履いて探しに行きたいものです(おい)。美緒役を演じていた前回ももちろん素敵でしたが、今の方が断然好きです!そして美人です!←この役のバトンも『ヒトミ』同様、観る側の楽しみの一つです。

「ヒロイン力が最強!」なのは実川さんの初音。誰でもあの大きな目で見つめられたらちょっと…いや、かなりドキドキすると思います!『ヒトミ』で感じた小動物的可愛らしさは勿論、芯の強さ、台詞にこもる「激情」の迸りなど…うわあ、想像以上に似合う、と溜息。これまでは「武家の娘」として気持ちを抑えに抑えるシーンが目立った初音が、ちょっと「生の感情」を見せてくれた、そんな感じです。

色んな意味で目が離せないw美緒には、3月の『あなたがここにいればよかったのに』でヒロイン日高まひろを演じた林貴子さん。所作がちょこっと危なっかしい、と思ってしまったのは勢い?考えたら春~5月の公演の主役級がずらり勢揃い!これまたキャラメルボックスの総力戦な舞台だ、とこの人と月真和尚(=筒井さん/天野先生)を見て思いました。

筒井さんと言えば山岡と二役、でもやっぱり和尚について語りたい!ちょっともう、どうしよう…思い出すだけで笑えて仕方ない!(爆)あの破壊力…想像以上です(^^;私が書くよりも、百聞は一見に如かず。是非観てください。観劇翌日、一番じわじわ笑いが来たのは和尚ですw ←この人の虎太郎もすごくハマっていたんですがwww

そうそう。今回はセットが抽象的なので、家に上がったり道場に上がったりする際に草履を脱ぎ履きするシーンが余りないのですが(ひょっとしてそれが目的?!)必要なシーンだけ草履を手にちょこちょこっと出てくる隠れキャラ「座敷わらし」!私の目の前すぐだったので「あっwあれは!」と気づいてしまいました。おかっぱ髪の赤と黒の着物のかわいい小さな女の子(=木村玲衣ちゃん)お見逃しなく~v

今回は女性陣の和服姿の美しさ、所作を間近で見て「私も着物が似合うようになりたい~v」としみじみ思いました。(←縁がない)でも剣道の稽古着の帯って、あんなに胸の下あたりで高々と結ぶもんでしたっけ?ちょっとだけ視覚的違和感があったのですが。


≪「あのシーン」の演出≫
最も印象的で重要な変更点は、やはり「英之助の斬殺場面」に尽きます!!!もちろんあの場面はこれまで何度も観ているので、今回の三浦英之助と畑中弦次郎の立ち回りに、思わず「そう変えたか!!!」以下、最大のネタバレとなってしまうので未見の方はここでストップをお勧めします(笑)。







これまでは確かこんな感じでした。(脳内記憶再生)
①背後の闇から踏み込んだ弦次郎が「横溝様、御免!」と初太刀を(英之助の)肩口にあびせる。
②英之助、振り返り相手が弦次郎だと知り、「やめろ弦次郎!俺だ!英之助だ!」と叫びながら距離をとり第二撃を躱そうとする。刀は抜かず、柄で相手の剣を避けるような動き。
③当然声が聞こえない弦次郎はさらに踏み込んで英之助の胸~脇腹あたりを深々と刺す。
④英之助、昏倒して絶命。頭巾は被ったまま。
⑤息を切らして歩み寄る弦次郎が、顔をあらためようと頭巾を取り、初めてそこで相手が英之助だったと知る。
⑥驚愕する弦次郎。英之助の遺体に取りすがって「何故お前なんだ!」と叫ぶ。
⑦背後から鏡吾登場。弦次郎は問い質そうとするも、無言で斬りかかられ左上腕を負傷する。
⑧弦次郎、なんとか鏡吾の額に一太刀をつけ、その隙に斬り合いから逃走。


それが、今回は英之助の動きが全然違う!!!
①弦次郎に後方から「横溝様、御免!」で斬りかかられるのは同じ(←そして傷を負っているはず)。
②相手が弦次郎だと気づき「やめろ弦次郎!俺だ!英之助だ!」と叫ぶのも同じ。
③英之助、弦次郎の第二撃を避けて、自らの刀の柄を相手の鳩尾に叩きこむ。吹っ飛び膝をつく弦次郎。
④膝をついた弦次郎に(刀は抜かず、むしろ両手をやや広げて敵意のないポーズをしながら)歩み寄り「俺だ…!」と頭巾を外そうとする英之助。
⑤その瞬間、真正面から力いっぱい英之助に刀を突き通す弦次郎。
⑥「弦次郎・・・!」とくぐもった悲鳴を上げながら仰向けに倒れ込む英之助。指をかけていた頭巾が、倒れた拍子に顔から外れる。
⑦弦次郎、立ち上がり倒れた英之助(顔はあらわになっている)の傍に行って真相を悟る。→あとは同じ展開。


(うわぁ・・・これは・・・ツライ・・・!)


思わず叫び声が出そうになって口元をハンカチで抑えたまま、直後に恐ろしい勢いで繰り広げられる大内鏡吾と畑中弦次郎の立ち回りを見ていました。もちろん話は分かっています。英之助が弦次郎に斬られることも知っています。なのに英之助が真正面から弦次郎に向けて伸ばした手が、叫んだ声が、彼の声にも心にも届かない、この切なさ!!!「お願いだからもうやめてー!」と、観ていた誰もが思っていたに違いないかと。

弦次郎の激しい動揺と混乱、無表情な鏡吾から立ち上る禍々しい殺気、こと切れた英之助の姿と、その横で斬り合う二人が、もう両極端すぎて、頭が真っ白になってしまい感情が追い付かないのです。もともとこの場面は前半のクライマックスとはいえ、今回は生&目の前でまともに見てしまったせいでしょうか、呼吸が乱れて、身体の震えがしばらく止まらないほど。
二度目に見る時はもう少し冷静に観ることができるのでしょうか…。ここまで直撃されると思わなかった。壮絶…ホントに怖かった…。



≪ラスト雑感≫
禅寺で全員が立ち会う最終場面。睨みあう鏡吾と弦次郎の姿を包むように、ザアアアアアア…という音が響きます。どこか潮騒のようにも聞こえるのですが、お寺は中野にあるという設定なので、波の音は聞こえないはず。では木々のざわめきか、竹やぶを渡っていく風なのか、ただその音が(DVDとは比較にならない迫力と音量で)劇場中を包んでいくので、私もまた彼らと一緒に成り行きを見守っているような、そんな錯覚にとらわれました。
お寺の名前が「海音寺」というのも、あのSEをふっと思い出すと「なるほど」と頷きたくなるような気がしました。


弦次郎「それがお前のトゥルースか!」
鏡吾 「何がトゥルースだ。最初から俺にはそんなものは無い!」 

弦次郎「英之助。お前は許してくれるか?俺がおまえにしたことを…」
英之助「許すも許さないもあるか。お前は俺の生涯の友だ!」


↑ この台詞をホントに生で聞ける日が来るとは…!(これに尽きる)


ラストの英之助の台詞を聞いて、弦次郎が号泣する――何度も観た、あのラスト。BGMの「TRUTH」がかかった瞬間、頭も胸も痺れるようなキリキリッとした痛みでいっぱいになってしまったのに…どうして私は何でここで泣けないんだろう。涙が出ない?!何故か思考も感情も全機能停止してしまったように、真っ白になってしまったのです。

なぜ涙が出なかったのか、その後と理由は前回書いた通りなのですが…あの瞬間「考えられなくなった、頭が真っ白になった」としか、やはり表現できません。これまでDVDで観ていた時は、皆に背を向けてうずくまる鏡吾の心中を推し量ったり(今回の大内鏡吾でここを間近で見れてホント良かった…!)何かが壊れたかのように滂沱の涙を流す弦次郎を抱きしめたい!と思ったり、周囲の人間の気持ちを読んでみたり、まあいろいろ考えるゆとり(?)があったのですが…今回は全くそんな余裕はありませんでした。次に観たら、もう少し違うことを想うのでしょうか。

死ぬよりも重く苦しい「罪を背負って生きる」という「罰」を選んだ弦次郎と鏡吾。あれからの二人や周囲の人間たちがどうなったのか、戊辰戦争を生き抜いたのか、明治の世まで生を全うしたのか…「より鮮明に、より深く」彼らの行く末を思いました。

これは停止ボタンを押して「ハイおしまい」のDVDでは有り得ない、劇場空間の魔力!
余韻の空気ごと酔うナマの芝居の醍醐味でしょう!


そんなわけで。
2014年の『TRUTH』、心の底から「観に行って良かった」と思いました。








(7/29追記 2回目観劇後の感想)




『TRUTH』二回目観劇終演…切ない。ひたすら心が痛い。

畑中弦次郎が斬られたら私も腕が震える。左東隼助が傷つけば私も痛い。
そして大内鏡吾が絶望の叫びを上げれば、こちらの心も止めを刺されるみたいで…二時間観て一体私は何度斬られて血を流す思いをしただろう?

でも今日一番「自分が殺されるような思い」をしたのはあの英之助のシーン……動きが初日と違うと気づきました。今日のほうが取り返しのつかない「衝撃」、弦次郎の心を思うと震えがきます。渾身で演じる三浦さんの視線の先(=畑中さんの驚愕に凍りついた表情)を見て、どうしようもない切なさに息が詰まって苦しかった…(T_T) 英之助ー!何故なんだー!(弦次郎と一緒に心の中で号泣!)


で、二回目を観て「動きが違う」と思ったので追記。
とりあえず頭巾については斬殺シーン前の山岡と英之助の会談時からちゃんと仕込みがあります。


①山岡が自分の頭巾を帰り際の英之助に渡して(台詞はないが)「これを着けて行け」と指示するような素振りを見せる。

②鏡吾からの合図→弦次郎の斬り込み

③英之助は弦次郎の第一撃をかわして直ぐに自分も抜刀する。

④数歩素早く下がりながら第二、第三撃を払うが、相手が弦次郎だと知って「やめろ!俺だ、英之助だ!」と叫ぶ。弦次郎には勿論聞こえない。

⑤英之助は弦次郎に刀を向けるのを明らかに躊躇っていて、隙をみて拳で弦次郎の鳩尾を突く。弦次郎が吹っ飛んで膝をつく。

⑥間合いが空いたのを見て英之助が頭巾をかなぐり捨てようと弦次郎に向き直り一、二歩踏み出す……そこへ弦次郎の渾身の突きが英之助を襲う。

⑦英之助、一瞬動きが止まり、その瞬間に頭巾が外れて弦次郎の眼前に顔が露になる。

⑧愕然とする弦次郎、声もなく仰向けに倒れ込む英之助。弦次郎、英之助の名を叫びながら駆け寄るが、英之助は既に絶命していた。


あとは同じ。あああああああ、なんで…と叫びたくなります。
分かっていても、これを毎回見るのはつらいです。