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糖尿病予防に正しくダイエット、健康長寿の権威が語る「2つの方法」

2020-11-25 15:58:08 | 日記

下記の記事はダイヤモンドオンラインからの借用(コピー)です
糖質制限、根性、努力は無用
ダイエットしようなんて思わなくていい

 下村医師は、英国オックスフォード大学研究員として、世界を代表する生理学者フランセス・アッシュクロフト教授から8年間薫陶を受けた。その間、新生児糖尿病治療法の発見という世界的快挙に貢献。日本帰国後は、新生児糖尿病に加えて肥満・2型糖尿病などの生活習慣病について、インスリン分泌や脳機能の観点から研究している。
 薬の基礎研究と臨床医の2足のわらじで、幸せな健康長寿の実現を目指す、オックスフォード帰りの「孤高の天才」。下村医師は、欧州糖尿病学会誌に掲載された「糖尿病患者における運動療法」の論文を読み、ひらめいた。
「ダイエットのターゲットは糖質ではなく、脂肪、つまり脂質の燃焼だ!」
 運動、食事制限ともにつらい。だから最低限の努力で最大の効果を出せるダイエットでなければならない。それには根性で努力しても無駄だ。
 医学的に正しい運動と食事制御で脂肪の燃焼を促すカラダに肉体改造したい。その方法は以下の2点だけだ。
1. 夕食を軽くし、寝る前にお腹を空かせ、10分間全力疾走しろ。
2. 翌朝、20分間軽くジョギングしろ。
脂肪燃焼を徹底追究する
「下村式グリコーゲン・ダイエット」
 夕食を軽くすると、寝る前にとてもお腹が空くが、これは大切な状態である。この空腹感が「肝臓の貯蔵糖グリコーゲン」を消費させるからだ。
 空腹はつらいが、この時に全力で10分間走ると交感神経が活性化する。交感神経が活性化すると一時的に血糖が上昇するので、空腹感が緩和される。さらに負荷がかかった後の筋肉はミオカインと呼ばれる空腹感を抑制する物質を分泌する。なので、無理なく我慢できる。寝る前に全力疾走することで、「筋肉の貯蔵糖グリコーゲン」も消費できる。
 そして風呂に入る。10分間全力疾走して汗を流すと、血流がよくなって眠くなる。空腹のまま寝てしまうことができる。これが、翌朝目覚めたときは血中の糖が低く、肝臓と筋肉の貯蔵糖グリコーゲンもなくなった状態だ。
 おぜん立ては整った。この状態ができた朝に運動負荷をかければ、エネルギー源は脂肪しかない。脂肪が燃焼しやすい「軽い負荷の有酸素運動」を長時間続けるとより効率的。時速6~7kmのジョギング(軽く息が切れるくらい)を20分くらい行うのがおススメだ。
 そして、朝食を思う存分、お腹いっぱいに食べる(ただしバランスよく)。スナック菓子を食べてもいい。肉を食べてもいい。お米もパンもしっかり健康的に食べてほしい。食べてはいけない食材なんて一切ない。野菜だけはしっかりとる。「うまい朝食」でお腹いっぱい、幸せな1日のスタートだ。
朝シャンでさらなる脂質燃焼効果
 夜激しく走って、翌朝軽くジョギングするだけのダイエット。
 可能であれば、朝のジョギング後に、30分から1時間くらい朝食をとらずにシャワーでも浴びたい。するとダメ押しの効果が期待できる。筋肉の修復と、筋肉の中の貯蔵脂質形成のために、人のカラダは血中に溶け出した脂質を使うからだ。筋肉の中には貯蔵用の脂肪が存在し、これは常に補充される。朝のジョギングでこの貯蔵脂質が使用されると、カラダは補充しようとする。
「朝食で脂質を摂取してしまうと、カラダの脂肪からではなく、食事由来の脂質が補充に使われてしまう。もったいない」と下村医師。この完璧さに「下村式グリコーゲン・ダイエット」の神髄を見る。史上初のエネルギー代謝経路からのアプローチによるダイエット法。脳科学的、スポーツ医学的に合理的な肥満解消法であると納得できる。
「私はひざ痛で夜激しく走るのは無理なのですが」と下村医師に問いかけた。すると、「走る代わりに激しく腹筋を」と即答。朝ジョギングできなければ、スクワットをすればいい。代わりの選択肢もハードルが低い。できるところからすぐに始めてみたくなる。
 下村医師は自身でも、3カ月で5㎏の減量を達成した。下村医師の名前「健寿」は、奇しくも健康長寿を願った命名。オックスフォード仕込み、被災地「フクシマ」発の世界照準の肥満研究は、まさに自身の天命へのチャレンジでもある。
脂肪燃焼のメカニズムをひもとく
 下村式グリコーゲン・ダイエットを、さらに究極的に人のカラダの細胞単位で考察してみたい。
 ミトコンドリア(ほぼすべての細胞に存在する「細胞のエネルギー生産工場」)が食事からグルコース=糖を原料として、「ATP(アデノシン三リン酸=生命活動のエネルギー媒介物質)」を作る。微生物から動物に至るまで「ATP」をパワーにして生きている。このATPを作る燃料が脂質と糖質である。
 先の論文には、筋肉におけるATP産生の際の「脂質と糖質の代謝経路」が詳説されている。下村医師は、ここから深い洞察を働かせた。
ダイエットを成功させるには、つまり脂質の代謝を亢進させればいい。「脂質を使う」ためにはカラダの「エネルギー代謝」を考える必要がある。エネルギーはまず血中の糖から優先的に使われる。そして糖が燃料として足りなくなったときに、貯蔵糖であるグリコーゲンを分解し、血中に糖を放出させてエネルギー源とする。この「貯蔵糖グリコーゲン」が枯渇する(十分に減ってくる)と初めて脂質が燃料として使われる。つまり、効果的に体重を減らしたいなら「グリコーゲンが枯渇した状態」で運動すればいい。2つの目標が明確になった。
 目標1.グリコーゲンが枯渇した状態を作って運動する。
 目標2.脂質を消費しやすいカラダに改造する。
グリコーゲンを枯渇させ運動する
 グリコーゲンが貯蔵されている場所は体の中で2カ所。「肝臓」と「筋肉」だ。
 まず肝臓のグリコーゲンは主に血糖低下(お腹が空いた)時に使用される。そして筋肉のグリコーゲンは血中の糖が低いときに負荷の強い急峻な運動が行われたときに使用される。したがって肝臓と筋肉両方のグリコーゲンが低下した状態を作るためには、以下の2つの方法が有効だ。
方法1.肝臓のグリコーゲンを枯渇させるため、寝る前にお腹を空かせる。
 空腹の状態で寝ることによって、睡眠中の血糖を維持するために肝臓のグリコーゲンが使用される。朝、起きたときには肝臓のグリコーゲンストックは最大限少なくなっている。
方法2.筋肉のグリコーゲンを枯渇させるため、寝る前(つまり夜)に、急峻で短時間の強い負荷の運動をする。
 これで血中の糖だけでなく、グリコーゲンがカラダから減った状態を翌朝に作り上げることができる。
脂質を消費しやすいカラダへの改造
 以上のやり方を継続すること。運動を長く続ければ長く続けるほど、カラダが使うエネルギー源の比率が変わる。運動を始めたばかりの頃、カラダはグリコーゲンと糖をエネルギー源に使う。しかし3カ月後には脂肪を多く使うようになる。これにはきちんとした理由がある。
 筋肉の脂質代謝の経路には、たくさんの脂質代謝促進因子がある。一方、筋肉の糖質代謝の経路には、糖質代謝抑制因子がある。
 これらの因子は、定期的な運動を長期間続けるほど活性化される。つまり2~3カ月間運動を続けると、筋肉は脂肪代謝をしやすく、糖質代謝をしにくい状態になる。筋肉が、細胞レベルまで糖より脂肪を燃やしやすくなる。すなわち上記の運動を続ければ、脂肪が使われて痩せるのだ。
糖質制限のメカニズムと限界
 下村医師は最新刊『最強の医師団が教える長生きできる方法』(アスコム刊)で、「糖質制限ダイエットは長期的な脂肪・心血管イベントのリスクを高めると報告されている。2014年に行われたメタ解析の検討でも、糖質制限は効果が非常に小さい、または効果なしと判定されている。1年後には元の体重に戻ってしまう事例が多い」と警鐘を鳴らす。
生物はすべて糖質からエネルギーをとって生きている。糖質は生きていく上で欠かすことのできない重要なエネルギー源。その糖質を制限するのは生物学的に間違っている。「痩せる」とは「カラダについた脂肪を落とす」ということであり、糖質を制限する必要はない。
『最強の医師団が教える長生きできる方法』(アスコム刊)
福島県立医大下村健寿教授ほか総勢10人の最強ドクターが執筆。216ページ
 糖質制限による一時的体重減少効果は、実は医学的に簡単に説明がつく。もともと糖質を多めに取っていた人は骨格筋に「インスリン抵抗性」が生じている。糖質を筋肉に取り込むインスリンの効きが悪くなっている状態である。ここで糖質を制限すると、血中の糖が低下する。余分な糖質が血液からなくなり、骨格筋のインスリン抵抗性が解除される。するとスムーズに糖が筋肉に取り込まれ、血糖値が下がる。その結果、足りなくなった糖を補うために一定量の脂肪を使って糖を新たに合成する。なので、いったんは痩せる。これが糖質制限における体重減少のメカニズムだ。
 しかし、この方法では必ず限界が現れる。なぜなら太っている人のインスリン抵抗性が主に起きるのは「骨格筋」だけ。肝心な「脂肪細胞」のインスリン抵抗性はあまり大きくない。糖質制限によって骨格筋のインスリン抵抗性が解除され、新たに脂肪から作られた糖が筋肉に取り込まれたとしても、「血中の糖」と「骨格筋の糖取り込み量」のバランスが平衡状態に達すると、それ以上の「脂肪をもとにした糖の産生」は起きない。つまり体重が減らなくなる。
 そのうえで、急激に糖質を取らなくなったことを「体の異常」と感じ取った脳は、糖質の摂取を促してくる。これでダイエットは完全に失敗に終わり、リバウンドに至る。リバウンドに陥ることは極めて生理的に正常なのだ。


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