いま見直したい「特攻」の精神と「靖国」
– 釈量子の獅子奮迅 [第20回]
(The Liberty 連載)
http://shaku-ryoko.net/etc/2928/
幸福実現党党首 釈量子氏 ブログ転載
2014年1月31日
月刊The Liberty(2014年3月号)に『釈量子の志士奮迅(ししふんじん)
-世の中は変えられる!』の連載記事(第20回)が掲載されました。
今月号では、『いま見直したい「特攻」の精神と「靖国」』について、
ご紹介いたします。
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昨年末、米ニュージャージー州で元国連職員のシズコ・コスターさんと
いう方にお会いしました。彼女は現地で、日本の誇りを取り戻すために、
様々な言論活動をされています。このシズコさんが「忠犬ハチ公」の話を
翻訳しアメリカに紹介しています。本のタイトルは
『Hachi-Ko:The Samurai Dog』。亡くなった飼い主の帰りを渋谷駅前で
7年間待ち続けた忠義の姿は、アメリカ人に驚きを与えます。
日本では犬まで「サムライ」なのです。
最近は国内でも、国を守ったサムライたちが注目を集めています。
全国の映画館で公開された「永遠の0(ゼロ)」です。
大ヒットし、数週間にわたり動員数1位を記録しました。
これは、太平洋戦争で特攻隊として散った零戦のパイロット・宮部久蔵
(きゅうぞう)の物語。家族のために、戦争から生還することに執着して
いた彼が、なぜ最終的に特攻隊に志願したのか。
現代に生きる子孫がその答えを探していきます。タイトルが表しているのは、
宮部の「死んでも家族を守りたい」という「永遠の愛」です。
隊員の犠牲ありきの特攻作戦そのものは、戦略として下策(げさく)と
言われており、私も複雑な気持ちがありました。映画の中でも特攻に関し、
登場人物が「こんなの作戦じゃない」と漏らすシーンがあります。
実は、「神風特攻」を考案・指令した大西瀧治郎(たきじろう)中将も、
当時「特攻は統率の外道」と自ら語っていました。
それでも、大西中将が特攻を命じた理由は、何だったのでしょうか。
特攻に秘められた「永遠の愛」
大西中将本人が、その問いに答えたことがあります。
記者の「特攻隊で戦況が挽回できるのですか?」という質問に対し、
大西中将は「日本が滅びるかどうかの瀬戸際にきて、この戦争は勝てぬかも
しれぬ。しかし青年たちが国難に殉じて、いかに戦ったかという歴史を
記憶する限り、日本と日本人は滅びない」と答えたのです。
これは、安易な抽象論ではありません。
特攻の思想は、明治維新の立役者である吉田松陰の生き方に通じます。
黒船に乗り込もうとして捕えられた松陰は、兵法家であるにもかかわらず、
聞かれてもいない幕臣の暗殺計画を明かし、斬首刑に処されるという、
一見非合理な行動をとりました。
しかし現在、それを「犬死」と笑う人はいません。その精神と行動が、
全国の維新志士の心に刻印され、明治維新を起こしたからです。
松陰の辞世の句、
「身はたとひ 武蔵の野辺に 朽ちぬとも 留とどめ置かまし 大和魂」
は、文字通り現実となったのです。
こうした、歴史を動かす「徳」の力が、日本の精神史の底流には流れています。
特攻隊員たちも、たとえ勝てなくても、せめて日本を救う魂を「留め置」
こうとしたのです。
次に紹介するのは、18歳で特攻した大橋茂伍長(ごちょう)が、家族に
宛てた最後の便りです。
「後に続く生き残った青年が、戦争のない平和で、豊かな、
世界から尊敬される、立派な、文化国家を再建してくれる事を信じて、
茂は、たくましく死んで行きます」
大橋伍長は、
「身はたとえ 南の空で果つるとも とどめおかまし神鷲の道」と辞世の句
を残し、慶良間(けらま)列島付近で、アメリカの輸送船に体当たりしました。
特攻で散っていった若者たちは、たとえ戦争に負けても、子孫たちが
自分の姿を励みに、平和で豊かな国を創ってくれればそれで本望だ、と
思っていたのです。
これこそまさに、現代を生きる私たちへの「永遠の愛」ではないでしょうか。
彼らは今もこの日本の繁栄を願っているでしょう。
靖国神社に「留め置」かれた後世への思い
特攻隊のみならず、大戦で戦死した多くの方々も同じ気持ちだったはずです。
昨年末、靖国参拝を決行した安倍晋三首相に対し、国内からも
「大戦の宗教的・精神的支柱であった靖国への参拝は、先の大戦を正当化する」
といった批判が浴びせられました。
しかしそれは、「靖国で会おう」と言って死んでいった英霊たちが、命と
引き換えに後世に留め置こうとした思いを否定する行為です。
彼らの死を「犬死」にさせないためにも、靖国に首相が参拝するのは、
当然のことです。
吉田松陰の弟子たちが、師の志を受け継いだように、私たちもその精神を
後世に遺さなければなりません。
それは、「他国の侵略で、日本人の命は一人も失わせない」という
気概を示すことです。
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