どんなに自尊心を踏みにじられることがあっても、
あなたまで、それを認め、自分を貶めてしまってはいけません。
『わたしのいもうと』という本を読んでみてください。
わたしのいもうと (新編・絵本平和のために) | |
松谷 みよ子 | |
偕成社 |
この本は、絵本作家の松谷みよ子さんのもとへ届いた一通の手紙から生まれました。
手紙を書いた若い娘さんの、妹さんのお話。
小学校4年生の妹は、転校先の小学校で虐められるようになりました。
くさいぶた、と言われ、
きたないから、と妹が配る給食を誰も受け取ってくれない。
誰も口をきいてくれない。
遠足のときにも一人ぼっち。
学校に行かなくなった妹は、
ごはんも食べなくなり、誰とも口をきかなくなりました。
お医者さんのところで、体にたくさん、つねられたアザがあるのがわかったのです。
ごはんを食べなくなり、やせ衰えた妹を、お母さんは必死で看病し、
なんとか妹は命を取り留めました。
しかし、虐めた子たちが、中学生になって、高校生になって、楽しそうに学校へ通っていても、
妹は部屋に閉じこもって、本も読まず、レコードも聞かず、じっとしているのです。
そうして、20歳にならないうちに、妹はひっそりと死にました。
「わたしを いじめたひとたちは もう わたしをわすれてしまったでしょうね
あそびたかったのに べんきょうしたかったのに」
という、妹の遺書と思われる手紙がありました。
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2012年の夏は、オリンピックで盛り上がっている反面、
大津市のいじめによる自殺問題から、子どものいじめが取り上げられた夏でした。
親による子どもの虐待で、子どもが死亡した事件もありました。
新聞やメディアでは、
「周りに助けを求めなさい」
とか、識者のいろいろな意見が報道されていたけど、
実際に虐げられていて、
今現在、世間から見放されている(ように感じている)人には届かないだろうなあ、と
切ない思いで見ていました。
子どもの世界だけでなく、大人の世界にはもっと切実ないじめもある。
いじめられ、自尊心を踏みにじられ、
世界中が敵だらけのように思える毎日であっても、
自分自身まで、自分の尊厳を踏みにじってしまってはいけない。
どんなに、「バカ」「役立たず」「死んでしまえ」「汚い」と言われても、
自分自身までが、自分のことを
「バカ」「役立たず」「死んでしまえ」「汚い」と思ってはいけません。
そうして、相手から逃げ(逃げるが勝ち!!)、相手の知らないところで、
自分が幸せになりましょう。
そうすることが、一番、相手に復讐することです。
死んでしまって、自分に復讐しても、仕方ないよ。
死んでしまうほうがマシ、と思うような状況は、生きていたらいくらでも出てくるけど、
「死んでしまいたい」と思うことと、
「実際に死んでしまう」ことには大きな隔たりがあります。
急いで死んでしまうのはやめましょう。100年後には死んでいますから。
そうして、自分を認めてくれる仲間を見つけ、
何よりも、自分がまず自分を認め、自分の尊厳を取り戻しましょう。
自分の尊厳を取り戻す方法を聞かれたとき、
わたしは植物や動物を育てることを勧めています。
すぐ収穫できる野菜や、すぐに花が咲く、ある程度育った苗がいいですね。
ぐんぐん伸びて、あっという間に収穫でき(花が咲き)ます。
「汚い」と言われた手で手入れをしても、植物はそんなふうに思わないから、
ちゃんと手入れをしたら答えてくれます。
いびつに育っているように見えても、花を咲かせ、実をつけてくれます。
命は力強いのです。
メソメソしてはいけません。
メソメソしそうになったら、植物に話しかけてみてね。
「わたしは、これこれ、こういうことでつらいんだよ」
植物は黙って聞いてくれます。
暗い中に閉じこもって、自分が自分を更に不幸にしてしまってはいけません。
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