あれから18年～巣立ちの日

今朝、息子が旅立った。

私の母や二人の弟達、従姉妹、

家族みんなで見送った。

昨日の夜は悩みながらも

初めて息子に手紙を書いた。

予定よりも少し早く上司が

お迎えに来られたので、

記念撮影も少ししか出来なかった。

『どうぞ宜しくお願い致します』

と私は今まで生きて来た中で

本気で深々と頭を下げた。

急いで手紙を手渡した。

みんなに見送られ

手を振る息子が乗る車が消えていった。

午前中は部屋が一つ空くからと

バタバタと片付けや掃除をしていた。

昼過ぎに一息着いたら

私は堪えていた寂しさが溢れて来た。

何度見渡しても、

昨日まで居たあの子が

もうどこにも居ない事。

もう、これから先この家であの子を

一階から二階へ

名前で呼ぶ事も無い事。

昨日までのあの子の洗濯物や

脱ぎ散らかしたままの靴、

歯ブラシやメンズ用の洗顔まで

そのまんま昨日のままで

あの子だけが居ない事。

家中にあの子と過ごした18年が

散りばめられている。

いつの間にか私の身長なんて

あっという間に越えちゃって

180センチの大きな息子。

今までうっとうしいと思う事や、

腹が立つ事も沢山あった。

でも気付けば

私はあの子に

頼りっぱなしだったかもしれない。

あの子の優しさに

甘えていたのは

私の方かもしれない。

色んな気持ちがこみ上げて

私は涙が止まらない。

最低な母親だと、

母性なんて無いのかもしれないと

ずっと思っていた18年。

今日気付いた事は

私はあの子に母親にしてもらっていた。

こんなにも心配で、

こんなにも寂しいと思うのは

初めての経験。

まだ下に弟が二人…

この子達にもいつか

こんな日が来るのだろうか。

大人になって行くのですね。

まだしばらく、

ダメダメ母さんかもしれないけど、

これからは母子3人で

あなた達が大人になるまで…

『その日』が来るまで一緒にいようね。