8/14~8/16まで、飯豊連峰に行っていました。
この山は、ツアーの添乗ではなく、1人で行ってきました。
自分のペースで歩ける幸せ!を感じました。
1日目は山形県側の飯豊山荘から歩いていきました。
自宅を出たのが15時頃。飯豊山荘に着いたのが16時半頃。
既に日も暮れかかった林道を歩いていきました。
決まった計画もなく、静かな道を、地図を見ながら歩いていくのは
楽しいです。しかし、林道上では夕方とあって、ブヨの攻撃が凄く、
休むとさらに攻撃されるので、ブヨを払いながら歩いていきました。
この日は、夜中も歩こうとしましたが、
やはり、夜の山道を1人で歩くのは怖いので、大ぐら尾根の取付き
の沢のところ(標高470m)で、テントを張りました。
2日目は夜明け前に、朝食をすましテントを撤収。4:15に出発。
大ぐら尾根を登っていきます。
この尾根は飯豊本山に直接行ける道ですが、
距離が長く、高低差があり、登り返しも多いので、
あまり一般ルートとは言えないようです。
下る人はいますが、自分のように登る人は少ないようです。
最初から急登で、一気に標高を上げていきます。
所々で樹林の隙間から、夜明け前の飯豊本山~御西岳、
烏帽子岳~梶川尾根までの稜線を見ることができました。
夜が明けると朝日連峰の山々が見えてきました。
やがて体が熱くなってきた頃に、水場がありました(標高930m)。
登山道上から東側に3分ほど下った所に豊富な水が流れていて、
思わずがぶ飲みしました。頭に水をかけてこれでさっぱりです。
さらに登っていくと、休場の峰(標高1320m)に着きました。
休場の峰は展望が良く、これから歩く稜線が見渡せました。
これから歩く稜線は、細く、登り下りが多そう。
大ぐら尾根が切歯尾根と呼ばれていることが良く分かります。
遠くに見える、これから登る宝珠山のピラミダルな形が格好良かったです。
ここから宝珠山まではとにかく登り返しが多く、その登り返しを繰り返して、
標高を上げていきます。千本峰の少し手前で、降りてくる人に初めて会いました。
千本峰から、段差の大きい岩場を通り過ぎると、東側が雪崩斜面となって、
開けた場所にでました。この辺りから徐々に高山らしくなってきました。
この辺りの高山植物は、ツリガネニンジン、コバイケソウ、ノウゴウイチゴ、ウツボグサ等です。
さらに登ると、ニッコウキスゲ、ミヤマコゴメグサ、ヨツバシオガマ、ウメバチソウ、
タカネナデシコ、タカネマツムシソウ等などが出てきて、登る励みになりました。
宝珠山は岩稜の山です。宝珠山からは、飯豊本山が目の前に見えます。
やはり飯豊の主峰だけあって、形が良いです。岩塊が所々にあるお花畑を歩き、飯豊本山(標高2105m)到着です。
飯豊本山から御西岳までは稜線漫歩。ミネウスユキソウ、タカネマツムシソウ、イイデリンドウ、
ミヤマコゴメグサ、ニッコウキスゲ、ヨツバシオガマ、ハクサンフウロ等の高山植物が咲いていました。特に青のマツムシソウの群落は素晴らしかったです。
タカネマツムシソウ
イイデリンドウ
ミネウスユキソウ。既に終わりかけていた。
おおらか起伏と美しい草原の中に、所々大きい雪田が残っていて、
本当によい所だなと思ってしまいます。歩いていくと、飯豊連峰最高峰の
大日岳が大きく迫ってきます。
御西岳付近から飯豊本山。なだらか稜線が印象的。
御西岳付近から大日岳
御西小屋に着き、ここから空身で大日岳へ登りました。
大日岳は飯豊最高峰に相応しい堂々たる山容です。
御西小屋から少し下っていくと、チングルマ、ハクサンコザクラのお花畑
がありました。どうやら、この辺りは雪解けが遅いらしく、
チングルマとハクサンコザクラが咲いている場所は、
今回のコースではここだけでした。とにかく良いところです。
周囲は静かですが、よく耳を澄ますと、風の音、水が流れる音が聞こえてきます。
まさに天国のような場所です。
ハクサンコザクラ
文平の池と大日岳
大日岳付近の東側の険悪な沢
稜線を少し登っていくと、加治川の稜線の方に、文平の池と呼ばれる小さい池がありました。
ここから見る大日岳も格好良いです。
なかなか他では見られない、トモエシオガマも所々に咲いていました。
沢筋に残る雪渓がブロック状になっていて、大自然の厳しさを教えてくれているようです。
一気に急登を登り、大日岳(標高2128m)到着です。眺望は素晴らしいです。
来た道を戻り、この日は御西小屋の前でテントを張りました。
御西小屋付近の水場は、片道5分ぐらいの所にあり、ここの水は一番飯豊でおいしいと
小屋のご主人が言っていました。
この日はきれいな夕日でした。夕日に照らされた、阿賀野川の下流域や
新潟市街を見ることができました。また、反対側には会津若松市街も見えました。
また山は、飯豊の山はもとより、二王子岳、五頭連峰、磐梯山などを見ることができました。
二王子岳に沈む夕日
雲に反射する夕日の色が印象的。
3日目も夜明け前に、朝食を食べて、テントを撤収して、4:15に出発しました。
夜明けの瞬間は好きですが、日が出る少し前の東空が真っ赤に染まって、
山のシルエットになる瞬間が特に好きです。今回は飯豊本山がシルエットになり、
とても綺麗でした。ここは前回添乗のときに来た道で、
所々登山道が雪に埋もれていましたが、今回は全くなく、
そこにはイワイチョウが生え、所々に花が咲いていました。
飯豊本山の夜明け。東の空が真っ赤に染め上がる。
大ぐら尾根から朝日が上がる(右が飯豊本山)
荒川の支流の玉川源流域の谷筋が深く切れ込み、景色にアクセントを加えています。
ウサギギク、マルバダケブキ、ヨツバシオガマ、イワオウギ、クシバシシオガマ、
イブキトラノオ、トリカブトなどが咲いていました。まさに天上の別天地でした。
烏帽子岳まで差し掛かると、新発田市に流れる加治川源流の谷の向こうに、
今年の夏に登った蒜場山、これから登りたいと思っている焼峰などが見えてきました。
加治川源流とその周囲の山々
玉川源流域と飯豊本山
烏帽子岳、梅花皮岳とすぎ、梅花皮小屋に下っていきます。
目の前の北股岳が格好良いです。
梅花皮小屋は前回添乗時にお世話になったので、挨拶をしてから、出発しました。
石転び沢はここから下っていくわけですが、
この時期だともうシーズンではなく、雪が少なくあまり楽しめないようです。
しかし、まだ登っている人はいるようです。
北股岳山頂付近から石転び沢
北股岳へは一気の急登で、すぐでした。
ここは新発田市側から登山道が合流していて、
「おういんの尾根」と呼ばれるコースがあります。
しかし、アクセスする林道が崩れているため、この道は通行止めです。
このコース実に興味があります。
梅花皮岳付近から北股岳
門内岳、地神岳を越えて、丸森尾根から下山です。
はじめてみる黄色い花、キンコウカが
咲いていました。一気に標高をさげて、飯豊山荘に到着です。
地神岳から杁差岳。いつか行きたい山です。
キンコウカ