最高裁判所裁判官の暴走を許さない

最高裁判所裁判官の国民審査は、衆議院選挙の時の「ついでに」ならないようにしましょう。辞めさせるのは国民の権利です。

泉佐野市ふるさと納税4 トンデモ 最高裁判断

2020-07-15 15:18:47 | 日記
最高裁の判断
(1)
地方税法37条の2第2項の委任の範囲を逸脱するものである場合には,その逸脱する部分は違法なものとして効力を有しないというべきである。
イ(ア) 本件改正規定の施行の日(令和元年6月1日)より前に申出書が提出される場合についてみれば,本件改正規定の施行前の一定期間において同号に定める寄附金の募集及び受領をした地方団体について,一律に指定の基準を満たさないこととするものである。
(イ) ところで,本件改正規定の施行前においては,返礼品の提供について特に定める法令上の規制は存在せず,総務大臣により地方自治法245条の4第1項の技術的な助言である本件各通知が発せられていたにとどまる。


やはりこの点が突っ込まれましたね。総務省がやったのは助言だけで指示をしなかったではないかと指摘しています。

助言については、普通地方公共団体は助言等に従って事務を処理すべき法律上の義務を負わず,これに従わなくても不利益な取扱いを受ける法律上の根拠がないとしています。

本件告示2条3号が地方税法37条の2第2項の委任の範囲を逸脱したものではないというためには,前記(ア)のような趣旨の基準の策定を委任する授権の趣旨が,同法の規定等から明確に読み取れることを要するものというべきである。

(2)「都道府県等による第1号寄附金の募集の適正な実施に係る基準」として総務大臣が定める基準に適合する地方団体として同大臣が指定するものに対する寄附金が,特例控除対象寄附金として特例控除の対象となるものと規定しており,上記の「都道府県等による第1号寄附金の募集」とは,指定を受けることによって特例控除の対象となる寄附金の募集(すなわち,指定対象期間における寄附金の募集)を意味し,また,「募集の適正な実施に係る基準」とは,その寄附金の募集の実施の態様が適正か否かについての基準を意味するものと解するのが自然である。これによれば,募集適正基準とは,文理上,指定対象期間における寄附金の募集の態様に係る基準であって,指定対象期間において寄附金の募集を適正に実施する地方団体か否かを判定するためのものであると解するのが自然である

ところが、

地方税法37条の2第2項柱書きの募集適正基準について,同項の文理上,他の地方団体との公平性を確保しその納得を得るという観点から,本件改正規定の施行前における募集実績自体をもって指定を受ける適格性を欠くものとすることを予定していると解するのは困難

立法趣旨よりも規定優先の考えになったわけですね。確かに、罪刑法定主義的な発想からすればそういうことになりますか。でも釈然としません。

イ 次に,委任の趣旨についてみると,地方税法37条の2第2項が総務大臣に対して指定の基準のうち募集適正基準等の内容を定めることを委ねたのは,寄附金の募集の態様や提供される返礼品等の内容を規律する具体的な基準の策定については,地方行政・地方財政・地方税制や地方団体の実情等に通じた同大臣の専門技術的な裁量に委ねるのが適当であることに加え,そのような具体的な基準は状況の変化に対応した柔軟性を確保する必要があり,法律で全て詳細に定めるのは適当ではないことによるものと解される。

そりゃそうでしょう。地方自治体が自分たちで管理しろとした方がよほどましだと思います。

他方,本件指定制度の導入に当たり,その導入前にふるさと納税制度の趣旨に反する方法により著しく多額の寄附金を受領していた地方団体について,他の地方団体との公平性を確保しその納得を得るという観点から,特例控除の対象としないものとする基準を設けるか否かは,立法者において主として政治的,政策的観点から判断すべき性質の事柄である。また,そのような基準は,上記地方団体について,本件指定制度の下では,新たに定められた基準に従って寄附金の募集を行うか否かにかかわらず,一律に指定を受けられないこととするものであって,指定を受けようとする地方団体の地位に継続的に重大な不利益を生じさせるものである。そのような基準は,総務大臣の専門技術的な裁量に委ねるのが適当な事柄とはいい難い。

ウ さらに,本件法律案の作成の経緯(前記2(3)ア~ウ)をみると,本件指定制度は,過度な返礼品を送付しふるさと納税制度の趣旨をゆがめているような地方団体を特例控除の対象外にすることができるようにするとの基本的な考え方に基づいて,制度設計がされたものである・・・本件法律案は,具体的には,新制度の下においては,寄附金の募集を適正に実施する地方団体のみを指定の対象とし,指定対象期間中に基準に適合しなくなった場合には指定を取り消すことができるものとすることにより,当該制度の趣旨をゆがめるような返礼品の提供を行う地方団体を特例控除の対象外とするという方針を採るものとして作られ,国会に提出されたものといえる。

エ 本件告示2条3号の規定のうち,本件改正規定の施行前における寄附金の募集及び受領について定める部分は,地方税法37条の2第2項及び314条の7第2項の委任の範囲を逸脱した違法なものとして無効というべきである。


不指定理由③について
泉佐野市は,記者会見において,返礼品等を提供しない旨申述したのは事業者との調整等が時間的に間に合わなかったためであるなどと説明していたのであって(前記2(6)エ),同市には客観的に返礼品等を提供する予定があったといい得るから,被上告人が法定返礼品基準への適合性を審査の対象としたことに違法があるとはいえない。

はあ?これ認めます?記者会見が証拠?なんですかこれは。ちゃんと書類で出せよと思いませんか。

(2) 不指定理由③は,従前は返礼品の提供について特に定める法令上の規制が存在しなかったのに対し,本件改正規定により,法定返礼品基準が法定され,指定を受けた地方団体がこれに反した場合には指定の取消しの対象となり,その後2年間は指定を受けられなくなるという法令上の規制が設けられたことからすれば,本件改正規定の施行の前後では地方団体の行動を評価する前提を異にしており,同施行前における泉佐野市の返礼品の提供の態様をもって,同施行後においても同市が同様の態様により返礼品等の提供を継続するものと推認することはできない。

だってやるなよと言っていることを、まだ制度化されていないからと言って滑り込みセーフだとやったわけですよね。法がまだ効力を持たないからと。これは他の自治体との公平性から言ってどうなんですか?公序良俗に反しませんか?

裁判官全員一致の意見
結論はかなりトンデモです。
これでは当然、補足意見・反対意見は出ますね。この点は次回に続きます。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿