********************** 声 明 ****************************************
(原文は縦書きのため、漢数字のまま掲載します)。
平成二十一年五月二十日
声 明
われわれは、裁判員の参加する刑事裁判に関する法律(裁判員法)が、以下に指摘するような重大な問題点があるにもかかわらず、明五月二十一日から施行されることを憂慮し、国会、政府および最高裁判所ならびに国民に対し、つぎのとおり声明する。
声明の趣旨
国会は、すみやかに、裁判員法の施行を停止する旨の法律を制定し、裁判員法の施行を停止して、同法を再検討せよ。
声明の理由
裁判員法には、当会平成二十年五月二日声明「国民よ、裁判員法の宣伝にだまされるな」で指摘したように、日本国憲法の規定に違反すると解さざるを得ない数々の問題点がある。特に、裁判官でない国民が憲法上なぜ裁判官と同等の評決権を与えられて裁判に参加することができるのか、憲法上なぜ被告人はかかる者の参加した裁判を受忍しなければならないのかという根本的疑問点があるのに、国はこれについてすら何一つ説明せず、国民はこのような問題のあることを知らされないまま参加を強制され、被告人も裁判受忍を強いられている。ことは、死刑判決もあり得る重大事件の裁判なのである。
また、裁判員制度には、本年四月二十一日に上告審の裁判があった和歌山毒物カレー事件に代表されるような、複雑大規模事件に果たして対処し得るのかという重大な疑問があるが、これについても何の説明もない。裁判員が多数回の公判期日の負担に堪え切れない場合、いったい裁判はどうなるのであろうか。
以上のようなことは、およそ法治国の裁判制度として、断じてあってはならないことである。国民一般が知らないことをいいことにして、このような裁判員制度を強行することは、参加が求められる国民に対し、裁判を受ける被告人に対し、被害者を含む社会公共に対し、さらには「司法」に何よりも求められる「誠実性」に対し、四重の意味の冒涜を敢えてするものであろう。
よって、国会は、すみやかに、裁判員法の施行を停止する旨の法律を制定し、裁判員法の施行を停止して、同法を再検討しなければならない。
右声明する。
裁判員法の廃止を求める会
代表 小田村 四郎 (元拓殖大学総長)
代表代行 大久保 太郎 (元東京高等裁判所判事)
理事 遠 藤 寛 (弁護士・元高松地方検察庁検事正)
理事 小 林 永和 (弁護士・元札幌地方検察庁検事正)
理事 高 池 勝彦 (弁護士)
理事 田 邉 信好 (弁護士・元岡山地方検察庁検事正)
理事 梶 山 公勇 (弁護士)
理事 中 村 信一郎 (ジャーナリスト)
理事 平 田 文昭 (団体役員)
裁判員法の廃止を求める会
事務局
〒一〇二―〇〇九三
東京都千代田区平河町二丁目十六―五―三〇二
高池法律事務所 内
電話 〇三―三二六三―六〇四一
ファックス 〇三―三二六三―六〇四二
e‐mail : saibanin@justice.nifty.com
以下は、『国民新聞』の求めにより認めたものです。掲載にあたり、若干の字句を改め、見出しをつけました。ご参考までに掲載します。
(事務局長 平田文昭 記)
*******************************************************
裁判員制度を廃止しよう
アジア太平洋人権協議会 代表 平田文昭
政府は、来年平成21年5月21日から、裁判員制度を実施するとの政令を定めた。
裁判員法には附則二条二項において、裁判員の参加する刑事裁判が「円滑かつ適正に実施できる」状況にあることを、法施行の前提としている。
〔最高裁ともあろうものが、こんなインチキをやっていいのか〕
しかし、最高裁判所が平成20年1、2月実施の国民調査によれば、参加しても良いという国民は僅かに15・5%にすぎない。一方最高裁は、約六割から参加してもよい、との回答を得たと言っている。この六割の実態とは「あまり参加したくないが義務なら参加せざるを得ない」44・8%を、さきの15・5%に加えた数なのである。これは詐術である。最高裁がこのような数値操作をやっていいものだろうか。
操作と言えば、昨年には「裁判員制度フォーラム」で契約書作成前に事業をはじめた「さかのほり契約」や水増し請求、企画競争入札で五社中三社の金額が一致という談合疑惑、来場者のサクラ動員などの不正が次々と発覚している。同じようなことが道路公団で起こっていたら大問題になるところが、いつのまにか沙汰止みである。
〔最高裁ともあろうものがこんなお笑い台本書きをやっていいのか〕
この四月、最高裁は裁判員を辞退できる事実上の基準となる事例集をつくり各地裁に送った。これがお笑いなのだ。№1ホステス(つまり№2以下は辞退できない)、仕込み時期の杜氏、種付け時期の牡蠣業者、株主総会を控えた経営者、初詣や海水浴時期のコンビニ店員、豪雪地帯の住民(冬)、異物や誤表示のあったときの食品製造業社員、学年始めや末期の教員などが例示されているが、こういうことを言い出せば、誰しも何らかの事情を抱えているのだから、殆ど辞退可能にしなければ筋が通らない。事例集に載っていない場合、裁判所はどう判断するつもりだろうか。
つまり、裁判員になれるのは、かなり限られた人たちでしかないはずなのだ。仕事を休んで朝から夕方まで裁判所にかよって、殺した、強姦した、盗んだ、偽造した、といった話しを聞かされて、事実と刑罰を判断しろ、といわれて「よし、引き受けた」という人がいたら、これはかなり変な人である。そもそも簡単に仕事を休めるのは、大企業の非幹部社員か非幹部公務員か、暇をもてあました年金生活者くらいのものであろう。
最高裁は「精神的ショック」をうけた裁判員のために24時間の電話相談を開設するという。しかも業者委託で。このこと自体、裁判員制度の無理を示すものである。
〔裁判員制度のあらまし〕
裁判員制度とは、有権者のなかから、籤で選ばれた裁判員六人(簡便な事件は四人)が、裁判官三人(簡便な事件は一人)と同等の権限で、重大刑事事件の裁判を行う制度である。重大刑事事件とは、最高刑が死刑・無期懲役・無期禁固である犯罪で、殺人、傷害致死、強姦致傷、覚醒剤取締法違反、危険運転致死、銃刀法違反等であり、年間約3300件である。
裁判員は、有権者がなるので、20歳で世の何のことを何も経験していない者も死刑の判断を下すことがありうる。司法試験秀才の頭でっかち裁判官がいけないからと言って、「小僧」に人の生死を左右させることが許されるか。
最高裁・法務省・日弁連は、殆どの裁判は「数日」で終わると宣伝しているが、そういう裁判は、被告と検察の間に事実の争いがなく(被告が有罪であることは被告側も認めている)、あとは刑をどうするか(実刑か執行猶予か、懲役・禁固何年か)を争うもの、場合によっては実質的にはそれすら争われないような事件である。
〔2/2へ続く〕
〔裁判員制度は刑事裁判のワイドショー化である〕
いわゆる「セレブ妻殺人事件」など到底「数日」(最大五日ということ)で終わらない。ああした裁判の裁判員に選ばれてしまったらどうする?。MSN産経ニュースは、ネット上で裁判の実況中継なるものをやり、それらを元にネット上で「あなたの判決」を募集した。これは裁判のワイドショー化であるが、こそ、裁判員裁判の実態である。逆に言えば、そうしなければ、専門的訓練も知識経験も何一つなく、資質による選別も制度上認められていない裁判員が裁判をするなど、不可能である。
〔最高裁ともあろうものが、こんなデタラメを言っていいのか〕
裁判員制度の広報をみると、事実認定は難しくない、誰しもが日常やっているのと同じことだ、という説明がある。我々はあの人はこうだ、あの取引先はああだ、といった判断を確かに日常的に行っている。しかし、それが自分の仕事にかかわることであれば、そのリスクを自分が負う。誤判による不利益は自分が負う。だから真剣になる。仕事なら経験の蓄積がある。
一方近所の噂話は全く無責任だ。間違えたところで、誰も責任を負わない。その噂話で人を傷つけても誰も咎められない。(意図的なデマは名誉毀損の訴えをおこされるかもしれないが)。裁判員は、判決書を書かず、署名もしない。名前も公表されない。全く無責任なのである。つまり、裁判員となって法廷に出て、評議において有罪無罪、有罪なら刑は、という議論をするとしてもそれは基本的には近所の噂話しをするのと、責任においては変らないのである。
〔最高裁は、国民の司法への信頼を裏切った〕
3300件の背後には、それ相当の被害者があり、最低同数の被告があり、それぞれの背後に家族関係者がいる。その人たちの人生が、また国家社会の秩序がかかっている、重大刑事裁判を、あたかも弄ぶがごとく扱うことが許されるか。
裁判員法第一条は、制度の趣旨を「司法に対する国民の理解の増進とその信頼の向上に寄与する」こととしている。まるで重大刑事裁判を国民学校のように扱っている。真実の発見、適切な刑罰、それらによる正義の実現、人権の保障、といったどれ一つとっても、厳粛な事柄が「民主主義の学校」といった感覚で扱われている。冒頭に述べた最高裁の不正も含め、裁判員制度は司法の権威、国民からの信頼を著しく損なったといわなければならない。
特に、実施のための実務的事項をつめれば詰めるほど、制度矛盾が露呈し、広報すればするほど国民から嫌われている制度である。附則二条二項を利用して、実施を凍結することも可能であるのに、無理して強行しようとするのは、面子以外の何者でもない。そういう最高裁の体質は、国民の司法への信頼を失いこそすれ、高めるものとは決してならない。
しかも裁判員制度は、違憲の巨塊である。違憲立法審査権を有する最高裁自らその制度推進の旗振りをして国民を騙すなど、許されてよいことではない。
〔保守と呼ばれる人たちの陥りやすい誤りについて〕
保守の人たちは自衛隊違憲論を思い出して、違憲論を正面からかかげて裁判員制度に反対することに躊躇するかもしれない。しかし、憲法の規定如何にかかわらず、国防そのものは憲法以前の問題であり、高度に政治的な課題である。自衛隊問題は、敗戦に伴う国際権力構造のなかで自国の独立を維持するというまさしく政治そのものにかかわる問題である。
裁判員制度は、それを実施しなければ国家が崩壊する、という問題ではない。制度導入の趣旨をみても、いまの刑事裁判がどうしようもなく駄目だから、社会秩序、正義、人権擁護を実現するために導入する、とは書かれていない。むしろ導入することが国家秩序の崩壊の端緒となる制度である。そうした制度をどうして憲法に違反してまで導入するのか。
現憲法への評価とは別であることが認識されなければならない。
ことは立憲制の危機なのである。
国家機関の権力行使の手続き、限界を定め、国家機関相互の関係を定め、国家権力の恣意的行使を許さないことで、個々の国民と民族共同体の有機的存続と権利保障を確実にする智慧である立憲制の危機でもあるのだ。
今年の日弁連会長選挙では、裁判員制度廃止を主張する高山俊吉氏が7049票を獲得した。去年は3698票だったことを思えば、裁判員制度への反対票が積み増されたとみるべきだ。弁護士会でも疑問の声が挙がっている。裁判官、検事も本音は反対のはずだ。司法の専門家なら裁判員制度が成り立つはずのないことはわかるはずだ。
実施三年後の見直し規定があるし、変な判決になっても高裁があるからそこで是正される、という密かな思いがあるのではないか。しかし、その三年間、被害者と被告と関係者および裁判員とその候補者は最高裁・法務省・日弁連の顔をたてるためだけに苦しまねばならない。また裁判員の加わった地裁判決は高裁では考慮しなくてよいのなら、何のための一審なのかわからない。
前述の高山俊吉氏は、元青年法律家協会の議長である。つまり左翼だ。これをもって裁判員制度は左翼が反対しているから、国のためには良い制度ではないか、という人がいる。ではNHK受信料不払いはどうか。中村燦元独協大教授が取り組んでいるが、共産党もやっていたではないか。部落解放同盟と一番戦っているのは共産党ではないか。鳥取県で人権擁護条例ができたとき、これに正面から反対したのは鳥取弁護士会だがこの会長は共産党である。
たしかに物事には、あの人たちが賛成するなら、反対するなら、こちらは反対だ、賛成だ、ということで片付けていいものもある。しかし、左右の立場は違うが共に反対、賛成というものもある。裁判員制度はそのよい例である。
紙数の関係で、違憲論を詳しく述べることはできなかった。私も一員として加わっている「裁判員法の廃止を求める会」は、今年の憲法記念日を前に、『国民よ、裁判員制度の宣伝にだまされるな』と題する小冊子を発行した。一部200円(送料別)。
この小冊子で指摘した違憲論をすべて克服しない限り、裁判員制度は最高裁が自己の職分である司法において、率先しておこなう違憲の公権力行使となる。ご一読をたまわれば幸である。
連絡先 電話 03―3263―6041 高池法律事務所
*****引用終了***********************************
*****引用開始******************************************
弁護士の隣に被告席=裁判員制度で実現へ-偏見排除へ見直し容認・法務省
6月21日15時1分配信 時事通信
来年5月から始まる裁判員制度で、法務省は21日までに、法廷で裁判長の正面などに座らされている拘置中の被告について、弁護士の隣に座ることを認める方針を決めた。制服姿の刑務官に挟まれたこれまでの座り位置では、被告が犯人だとの印象を裁判員に与えかねないとの判断。江戸時代の奉行所から続く「お白州」型の法廷が見直されることになる。
現在の刑事裁判では、被告は裁判長の正面や弁護士席の前に置かれたベンチに座る。保釈中の被告については、弁護士の隣に座ることを裁判所が許可した例があるが、拘置中の被告は警備上の理由から拘置所側が認めてこなかった。
法務省は裁判員の偏見を排除する目的に加え、法廷での証拠調べが中心となる裁判員裁判では、被告と弁護士の意思疎通が重要になることも考慮。着席位置の検討を進めていた。
【関連ニュース】
・ 〔用語解説〕「精神鑑定」=裁判員制度
・ 〔用語解説〕「裁判員制度」
・ 法廷発言を自動文字変換=関西弁識別機能も-裁判員向け映像検索システム -最高裁
・ 「死刑増加」日本を批判=アムネスティ報告書
・ 弁護士、検察に法廷貸し出し=裁判員準備をバックアップ・和歌山地裁
最終更新:6月21日15時5分
*****引用終了******************************************
出典:http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080621-00000050-jij-soci
*****引用開始******************************************
裁判員の記者会見、導入の是非議論 長官所長会同
全国の高裁長官と地、家裁所長、最高裁判事が集まり司法の課題を話し合う長官所長会同は19日も最高裁で開かれ、来年5月施行の裁判員制度への取り組みなどが議論された。裁判員を経験した市民に記者会見で感想を述べてもらうことの是非も話し合われ、評議の秘密などが守られる方策などを今後検討していくことになった。
会同では、多くの市民に裁判員制度に参加してもらうため、裁判所が市民の不安や疑問を解消する必要があるとの意見で一致。了解を得られた裁判員に記者会見で感想を話してもらうことの是非も協議。「制度を理解してもらうため裁判員の率直な感想を述べてもらう意義は大きい」との意見が出る一方、「裁判員が守秘義務に違反する内容を会見で明かしたらどう対応するのか」などの慎重論もあった。
*****引用終了******************************************
出典:2008年6月19日 23:48 日経
http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20080619AT1G1903G19062008.html
*****引用開始******************************************
「裁判員制度、廃止を」 弁護士ら都内で集会
落語も上演された、裁判員制度に反対する
弁護士や文化人らでつくるグループが開い
た集会=13日夕、東京・日比谷公会堂
(引用に際し、写真は削除した)
来年5月に始まる裁判員制度について、反対派の弁護士や文化人らでつくるグループが13日、東京都千代田区の日比谷公会堂で集会を開き「今からでも遅くはない」と制度廃止を訴えた。
グループは作家の嵐山光三郎さんや映画監督の崔洋一さんら11人が呼び掛け人。「裁判員制度はいらない!大運動」と題するキャンペーンを昨年4月から始め、集会や署名活動をしてきた。
集会では、東北大の小田中聡樹名誉教授が「国民の司法参加と聞くとオープンなイメージがあるが、実態は逆。公判前整理手続きで問題が整理され、公判は形式化する。被告側の防御権の切り捨てだ」と指摘した。
制度をめぐっては、新潟県弁護士会と栃木県弁護士会が延期や見直しを決議するなど、批判や消極意見も根強い。
*****引用終了******************************************
出典:2008年6月13日 20時51分 共同通信
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2008061301000747.html
特権「市民」しか参加できないのが、裁判員制度だという証明です。(事務局長平田文昭 記)
*****引用開始***************************
公務員に裁判員休暇、人事院が参加に向け特別制度
来年5月に始まる裁判員制度に向け、人事院は30日、国家公務員が裁判員候補者や裁判員に選ばれた際に有給の特別休暇をとれるよう人事院規則を改正した。
これを受けて、総務省は同日、地方公務員も同様に「裁判員休暇」を取れるよう、各自治体の人事規則を改正することを都道府県などに要請した。これにより、全国で約360万人の公務員が、裁判員裁判に参加する環境が整う見通しとなった。
市民が裁判員裁判に参加するにあたっては、企業の休暇制度の整備が課題の一つとなってきた。トヨタ自動車や東京電力などが裁判員制度に向けた有給休暇制度の導入を決めているが、そうした動きは一部にとどまっている。このため、最高裁は、国が率先して特別休暇制度を整備することで民間企業にも波及させようと、人事院に早期改正を求めていた。
人事院規則は国家公務員の特別休暇について、国会や裁判所に証人や参考人として出頭する場合に認めていたが、今回の改正で、この条文に「裁判員」が追加された。
人事院によると、特別休暇の対象となる国家公務員は、裁判所や法務省の職員など裁判員になれない職員を除き約37万人。このうち裁判員候補者として裁判所に呼び出されるのは年間約600~1100人、裁判員として審理に参加するのは年間約90人と予想されている。
一方、各自治体で特別休暇が認められるようになれば、対象となる地方公務員は約320万人。
公務員全体では、裁判員候補者として最大で年間約1万人の公務員が特別休暇を取ることになるとみられる。
*****引用終了***************************
以上は、以下の引用です。
2008年5月31日03時06分 読売新聞
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20080530-OYT1T00913.htm?from=main2
*****引用開始******************************************
仮釈放ない終身刑創設へ、議連が改正案に向け合意
終身刑の創設などを目指す議員連盟「量刑制度を考える超党派の会」(会長=加藤紘一・自民党元幹事長)の会合が30日、国会内で開かれ、量刑のうち、死刑と無期懲役の間に、仮釈放のない終身刑を創設することで一致した。
今後、各党で賛同が得られれば秋の臨時国会に議員立法で刑法改正案を提出する。党議拘束を外した採決を目指す。
同会は来年5月から始まる裁判員制度での量刑判断の際、裁判員が格差のある死刑と無期懲役の選択に悩まないため、<1>仮釈放のない終身刑の創設<2>最短10年で仮釈放が認められる無期懲役の仮釈放までの期間延長--などの案について検討してきた。
3回目のこの日の会合では、「無期懲役を重くして終身刑に近づけるより、終身刑の創設の方がいい」(公明党・浜四津敏子代表代行)など、終身刑創設の案が最も多くの支持を得た。
*****引用終了******************************************
出典:2008年5月30日19時15分 読売新聞http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20080530OYT1T00577.htm
裁判員が確認したい場面、即座に再生…最高裁が新システム
来年5月に始まる裁判員制度に向け、最高裁は証人尋問などを録画し、裁判員が確認したい場面を即座に再生できるシステム(音声認識システム)を開発し、28日、公開した。
このシステムは証人尋問や被告人質問での発言内容を自動的に文字データ化して映像とともに記録し、キーワードを入力すれば、該当の発言場面をすぐに呼び出せる仕組み。「実況見分」で検索すると、この言葉が使われた場面の一覧がモニターに表示され、その中から見たい映像を選べる。
これまで正確な発言内容を確認するには、速記録などの書面ができあがるのを待つ必要があったが、このシステムを使えば瞬時に確認できる。開発費は4億円。最高裁は実際の裁判で試験運用し、今年度中に裁判員裁判が行われる全国60の地裁・支部に配備する予定。
************************************************
以上は、下記の引用です。
2008年5月28日22時49分 読売新聞http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20080528-OYT1T00706.htm
鑑定重視の司法判断 渋谷・妹殺害判決 裁判員制度控え 多様な判断材料を
2008年5月28日 東京新聞 朝刊
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2008052802000104.html
殺したことは有罪だが、遺体を切断した行為については無罪-。東京都渋谷区の短大生殺害事件の公判で二十七日、東京地裁が示した判決は、一人の被告の行為を二種類の人格に分けて裁いた。一般人には踏み入り難さが立ちはだかる精神医学の世界。法律の素人が裁判に参加する裁判員制度のスタートが迫る中、また重い課題が浮き彫りになった。
「どう猛な別人格になっていた」。多重人格を理由に死体損壊を無罪とした二十七日の東京地裁判決は、「心神喪失の可能性がある」と指摘した牛島定信・東京女子大教授の精神鑑定を重視した司法判断となった。
判決は▽遺体を左右対称に十五の部位に解体した行為は合理的な説明ができず、別人格を仮定しないと説明がつかない▽怒り狂っていた殺害時と冷静で整然とした遺体切断時とを比較すれば意識状態が変わっていたとみるべきだ-とし、「人格交代」を説明する鑑定意見を採用した。
鑑定が信用できないと主張した検察側は、その根拠として「捜査段階の供述内容とかけ離れた問診結果で判断した」と反論。しかし判決は「犯行状況についての供述は不自然で信用できない」と、逆に捜査段階の供述の方を否定した。
ある検察幹部は「最高裁が先月下旬、公正さに欠けるなどの事情がない限り、鑑定結果を尊重するべきだとの指針を示したことが大きく影響したのだろう」と推測。「裁判所は鑑定を否定する知見がなかったし、検察も論破できなかった」と悔しさをにじませた。
一方、刑法学者からは「専門家でも最後は直感で判断する。裁判官が直感した被告の異常性を、鑑定がうまく裏付けたのだろう」との意見も出ている。多重人格で心神喪失を認めることについては、専門家も論議は分かれる。一つの鑑定結果が絶対ではない。
あと一年に迫った裁判員制度では市民が精神鑑定を判断する局面が何度もあるだろう。法廷での証拠調べや、可能であれば別の鑑定結果との比較などを通じて、判断材料を増やすことが求められる。(出田阿生)
適切に対応したい
渡辺恵一・東京地検次席検事の話 判決内容を慎重に検討した上で適切に対応したい。
責任能力は慎重に
福島章・上智大名誉教授(犯罪心理学)の話 ある種の発達障害のある成人が、殺人のような大きな心理的ショックを機にパニック状態となり、解離性同一性障害を引き起こすことは精神医学の観点からも不自然ではない。鑑定結果を踏まえた妥当な判決だと思う。もちろん解離性同一性障害の存在そのものに懐疑的な専門家がいるほどだから、責任能力の判断はよくよく慎重にすべきだ。特に健常者が犯行時にいきなり解離性同一性障害になった、と主張しているようなケースでは詐病の可能性が高い。
被告、深く一礼 言い渡し後
「妹への謝罪の気持ちを持ち続けながら、前向きに生きていってほしい」。秋葉康弘裁判長は、兄の武藤勇貴被告(23)に「懲役七年」を言い渡した後、そう語りかけた。被告は両手を握りしめ、じっと聞き入っていた。
「被害者はまだ二十歳という若さで、まさか兄に殺されるとは思ってもいなかっただろう」。判決は被告を非難する一方、生まれつき軽い発達障害があったのに両親には気付かれず、犯行につながる精神障害の発症に至ったと指摘した。
傍聴席には家族の姿も。裁判長は「社会人としての責任を果たした上で社会に戻り、どういうことに気を付ければいいかを専門家からアドバイスしてもらって生活していく必要がある」と説いた。
判決文は、市民が司法に参加する裁判員制度開始があと一年に迫っていることを意識してか、終始「ですます調」だった。被告の目を見ながら「あなた」と呼び掛ける場面もあった。言い渡しが終わると、武藤被告は頭を深く下げた。






