Sagami タイムズ 社説・時代への半鐘

潮流の本質を見極める

日本丸の行く末は・・・

2015-03-21 15:38:28 | 悩み
 一部の経済界とマスコミの後押しを受け、安倍首相の掲げる「アベノミクス」が流暢している。日本の景気回復が鮮明となったかの様相を世界に示している現在ではあるが、省みると、地方の商店街のシャッターは未だ開かれていないし生活保護受給者は増えている。平均的なサラリーマンの可処分所得などは減る一方だ。政府の主張する景気回復と現状とが乖離している。
 
 企業の株価が上がると、あたかも、国のお株が上がったかのように受け止めてしまい、それを矢面に安倍首相みたいな指導者が跋扈してしまうのは世の常だが、お祭り騒ぎの中でその恩恵を受けているのは一部の投資家に過ぎない。株価の上昇だけでは企業の設備投資、従業員の給与引き上げにはつながらないだろう。国民は潤うことができえないのだ。

 独立性を重んじられている日本銀行が政権を支えようと債権の下支えをしているのも問題だ。本来、それだけの通貨印刷を行なえるのであれば、国債の下取りや株式の購入という国民にとってはいやみな政策を避け、じかに国民に振舞うべきと考えるが一向にそれは行なわれない。また、そもそも投資家にとっては、資源の裏づけがない日本企業は危うい企業として捉えられているはずだが、それなのに、それを下支えしているとなると、日本銀行は国際的な批判を受けかねない。

 本来の政治と中央銀行のあるべき姿は、将来を見つめながらも地に足をしっかりと据えた政策を展開することではないか。少子高齢社会という世界類なき構造にある日本だ。両者が癒着することなく子どもを増やす、また、年配者を敬うという政策を採るべきだが、増税、介護報酬の引き下げという形で両者を切り捨てた安倍首相だ、日本丸をどこに向かわせるつもりなのか、疑問が残る。

コメントを投稿