Sagami タイムズ 社説・時代への半鐘

潮流の本質を見極める

Wiles’sカードはどんな一手を指し示すのか!?

2024-11-11 18:17:38 | うんちく・小ネタ
 パレスチナやウクライナにおける紛争で街は瓦礫の山と化した。時期を同じくするかのように、温暖化による気候変動で自然災害が多発、生活は泥に飲み込まれた。どちらも、人類の活動がもたらした結果と言わざるを得ない事態だが、同時に地球から、人類が地球に生まれた意義、つまり、「人間とは何か?」を問いただされているかのような気がしてならない。

 各国の利権が複雑に絡み合う中で英知を結集したはずの国際連合は機能不全に陥り、国際的な無関心(=所詮は対岸の火事としてとらえる向き)と相まって、我々は未だ、そのすべてにおいて、解決の糸口を見いだせていない。

 そんな中、世界の警察的存在であるアメリカでトランプ氏が大統領に再選された。「ディール」による「アメリカファースト」を掲げることから、世界が一層分断化されてしまうという懸念が有識者の間でつまびらかに噂されているが、実は、そうではないのではないか、ということをアメリカ国民が選択した結果なのかもしれない。「ディール」を成功へと導くためには、ち密な計画と繊細な気配りに基づいた交渉が必要で、そこには相手を尊重し合う関係が必要となるからだ。

 「尊重し合う関係」があったならば、パレスチナやウクライナで紛争は起きていなかった。「大自然の営みを尊重」していたならば、気候変動は起きていなかった。

 いずれにしても国際社会屈指の強国、アメリカにトランプ大統領が再び現れる。彼の示す一手一手にはどのような目的があり、そして、どのような効果と結果をもたらすのだろうか。そのワイルドなカードはジョーカーにもなり得るしスペードやハート(heart)のエースにもなる。

カミング・スーン

2024-10-31 21:25:14 | 日記
 ロシアがウクライナに軍事侵攻を開始してから2年8か月余り。この間、日本は、ウクイナには殺傷能力のない装備品の供与をはじめ多くの人道的支援を行い、ロシアに対しては経済的な制裁措置を講じるなどのかたちで、この戦争に関与してきた。

 平穏を築こうとする国際社会における緊急事態ではあるが、それは、地球の裏側での出来事。我々一般市民は、どこか、フィクション映画やバーチャル空間をのぞき込むかのような感覚で、どこ吹く風として日々の暮らし向きを続けてきた。

 しかし、ここにきて、この戦争が身近なものになってきた。それは、日本出身の母親を持つ指導者率いる北朝鮮がパートナーシップ条約に基づきロシアに派兵、侵攻に加担し始めたからだ。これを受けて日本の準同盟国である韓国はウクライナへと監視団の派遣を検討し始めた。軍需品の供与もあり得るとの報道もある。

 このことは、直接的な本土側での紛争は起こらないだろうものの、ロシア対ウクライナ、いわゆる、旧東側対西側という対戦軸の中で、北朝鮮と韓国が隠れた紛争を引き起こす恐れがあるということを物語っている。

 これは、由々しき問題だ。朝鮮半島にまで戦火が及んでくるとなれば、日本にも、飛び火してくることが予測される。互いに経済と文化、人・物・金の交流が国の基盤を築いているという歴史的な側面があるからだ。フィクションやバーチャルとしてとらえてきた出来事が今、リアルとなってやって来る。武器を捨て国際平和の達成を誓う日本は、これまで以上にも増して真摯に向き合う必要がある。

瓦礫に埋もれた手紙たち

2024-10-24 20:36:09 | 日記
 半世紀前の日本では、「ソッ、ソッ、ソクラテスかプラトンか?ニッ、ニッ、ニーチェかサルトルか?みんな悩んで大きくなった!」というCMソングが一世を風靡していた。理想と現実が錯綜する中で、いろいろな哲学があるということを紹介してくれたものだったのか・・・。

 さて、昨年10月7日のハマスによるイスラエルへの襲撃以来、その後のイスラエルによる破壊的報復というおぞましい光景がテレビを通じ目に飛び込んでくる。我々人類は、幾千もの殺戮や弾圧、迫害を乗り越える手段として、一体、何に悩み何を学び取ったのかを考えさせる惨状が。

 その得た「学び」は、第一義にグローバルとSDGSの大切さだ。国際連合が創設されたことがその証であろう。中国主席・習近平氏が唱える「人類運命共同体」が端的にとらえている。

 しかし、我々はもう一つ、厄介なことを学んでしまった。「銃を持て、そして、ためらうな」ということを。「銃=武器」を持たないがゆえに悲痛を浴び辛酸をなめた人々は多い。

 最近のイスラエルによるガザ地区やレバノンへの報復を観ていると、図らずも、この言葉が脳裏をよぎってしまう。ハマスやヒズボラが潜伏しているから、金塊が隠されているから、という理由で、市民が避難する学校や患者が横たわる病院をもろとも吹き飛ばす惨状、これらはまさしく、「(やられる前にやってしまえ)ためらうな」的な発想によるもの。結果、ジェノサイドにつながっている。

 人類は「共同体」を目指すのか、はたまた、「武器=殺傷能力のある装備品」が席巻する世界のままで行くのか。

 先人たちが描き残した手紙は今どこに埋もれているのだろう。そして、その手紙たちには、一体、どのようなそれぞれの想い(哲学)が綴られているのだろう。他人事ではなく、一般市民でさえも瓦礫の中を探し求めていかなければならない時代がやってきた。

 

ノルマ超えで得た禁断のキャッシュバック

2023-12-10 12:10:15 | 日記
ー 「えっー、そんなに頑張ってくれたの、ノルマ超えたんだってね。超過分返すから後は自由に使ってよ、領収証いらないからさぁ」。こんな甘い言葉にそそのかされた所属議員らによる自由民主党を揺るがすほどの政治資金規正法違反の疑いが明るみとなった ー

 政党や政治団体の活動費を得るために開催される政治資金パーティー。議員らが支援者たちにパーティー券を購入してもらい、議員らの決意を示しながら参加者たちと酒を酌み交わしながら親睦を深めるといった、ある意味、集票を目的として従前から行なわれているものだ。パーティー券を購入した支援者たちは、後の確定申告時において支払った金額を寄付金として取り扱われるためその分の税額控除を受けられる仕組みとなっている。

 今回、最大派閥・旧安倍派のパーティーにおける収支報告が自民党を揺るがすほどの政治資金規正法違反の疑いと指摘されている理由は、支出であるパーティー開催費と収入である支援者たちからのパーティー券購入費総額に差異があるもののその差額分を各議員へと還流させていたことが判明したからだ(民間報道機関の報道より)。

 支出と収入をありのままに記載したならば、本来なら、超過分を翌年度に繰り越し翌年度の活動費に充てることができたはず。それをせずに領収証のいらないお金として議員側が処理したことは裏金づくりの色合いが強い。

 しかし、ことの本質は単なる政治資金規正法違反容疑にとどまらない、旧安倍派経理部はこのお金の流れのすべてを覚書として書面に記録していた(NHKの報道より)、誰がいくら集め、誰にいくらキャッシュバックしたのかを・・・。

 つまり、表向きは慰労金としてキャッシュバックしたお金なのだが、実はそうではなく、実は、その後のそれぞれの議員らの行動や言動を観て、「安倍派の考えに背く者ならいつでもこのことをリークするよ」と、あえて法律違反と知りながら禁断の果実を食べさせたかのように見受けられてしまうほどの要素を含む。

 甘い果実はそう簡単には手に入らない。政治の世界は「一寸先は闇」とも言われている。議員たちにはキャッシュバック・キャンペーンにはうかつに参加しないことをお勧めする。

星は夜空に抱かれてこそ、その輝きを増す

2023-11-19 13:05:46 | 日記
 ハマスの突然の襲撃によりイスラエル側は、およそ1200名の市民の命が奪われ200名余りの人々が連れ去られ人質とされたという。この残酷非道な殺戮に対し深い悲しみ感じ、その反動として、激しい怒りを覚えるに至ったことは致し方のないことなのかもしれない。
だからこそ、イスラエルは、「市民を残酷な方法で殺害した殺人犯たちを捕まえ厳罰に処す、人質となった人たちを一刻も早く救済する」、いわゆる「ハマスを掃討する」という大義を掲げ、軍をガザ地区に進攻させたのだろう。

 だが、その怒りの矛先を手当たり次第に辺りかまわずぶつけてしまっては大義が歪む。

 イスラエル側は、食料や飲料水、燃料の補給路を断った後、住民に南部への速やかな退避勧告を出しガザ北部に対し(映像から見る限り)徹底的な爆撃や銃撃を加え破壊の限りを尽くした。その過程では、地下にハマスの拠点があるからだという理屈で病院なども攻撃の対象とされ多くの一般市民が犠牲になったという(NHKの報道より)。病院への攻撃は、軍事拠点のカモフラージュとして使用されている場合のみ1000歩譲って許されるものだが、今回の捜索(軍事行動)ではその証拠が明らかにされていないどころか一般市民を多数巻き添えにしている、人道法上許されない。

 また、イスラエル側は、ガザ北部だけでは病院をカモフラージュとして使用していたという証拠が足りなかった、人質の救出に至らなかった、ハマス幹部らを掃討しきれなかった、という名目で元からの南部住民と南部に避難してきた人たちに対し退避勧告を行なった後、爆撃を加えた。

 北部にハマス拠点があるという理屈からその掃討のために一般市民を南部に退避させておきながら、目的を達成できなかったからと今度は南部にも攻撃を加える、破壊の限りを尽くす。このことは、ただでさえ閉ざされたガザという収容所に住まわされているパレスチナ人にとっては、行き場や逃げ場のない場所に追い詰められた上にいわれもない爆撃を加えられているということになる。

 この状況は、第2次世界大戦中にナチスがユダヤの人々に行なったホロコーストというジェノサイドに酷似している。
 
 今回のイスラエルのガザ地区への進攻は、ホロコーストとは違い大義は許容できるものであったもののその手段はホロコーストと類似し許されない。ユダヤ人の2世代、3世代前の人々の受けた苦しみと悲しみをその子孫たちが、今度は自らの手を汚すという形で現生に呼び戻したといえるものだ。

 国連でもNATO、SCOでも良い、BRICsやG7でも良い、どこかしこの国々の指導者が集う会議体がイスラエルとパレスチナの間に入らなければ当事国にとって取り返しのつかないことになることは明白だが動きは見られない。

 惨憺たる状況の中、世界で暮らす多くの一般市民は、アラビアン・ナイトスカイに抱かれた輝くダビデの星を夢見ながらこの争いを嘆いている。