1. Welcome to the Music
2. The Guitar Man
3. Make It by Yourself
4. Aubrey
5. Fancy Dancer
6. Sweet Surrender
7. Tecolote
8. Let Me Go
9. Yours For Life
10.Picture in Your Mind
11.Don't Tell Me No
12.Didn't Even Know Her Name
アルバムデザインはパステルカラーの色鉛筆で描かれた4人のメンバーのポートレイトだが、アナログLPでは画用紙を用いたジャケットで触ったときの凹凸がいい雰囲気を醸し出していた。「Welcome to the Music」はビッグバンド風の伴奏がちょっと大仰な、このアルバムのオーバーチュアとなる曲。先行してシングルリリースされた「The Guitar Man」はアルバムタイトル曲でもあり、のびやかなギターの音色が印象的なデビッド・ゲイツ節。このアルバムからのシングルはこの他に牧歌的な「Sweet Surrender」と、「Diary」の続編のような「Aubrey」、ともにゲイツ作。ゲイツの作品では「Yours For Life」も、のどかでうららかな雰囲気で良い。ジェイムス・グリフィン/ロブ・ロイヤーのコンビも頑張っていて、ドラマティックに盛り上がる「Let Me Go」、ブルージーでワイルドな「Don't Tell Me No」が光る。
これまでのアルバムではゲイツと、グリフィン/ロイヤーがそれぞれ半分づつ楽曲を提供していたが、このアルバムではマイク・ボッツが「Fancy Dancer」をグリフィンと共作、ラリー・ネクテルが「Picture in Your Mind」で曲を提供している。また「Make It by Yourself」と「Didn't Even Know Her Name」はゲイツとグリフィンの共作で、バンドとしての一体感も出てきた感じ、に見えた。
順風満帆に見えた彼等だったが本作発表後、暫くしてから活動を停止してしまう。ウィキペディアによると直接の原因はツアー中に機材が盗まれるアクシデントに見舞われてその後のツアーの続行ができなくなったことだったそうだが、根本的な原因はゲイツとグリフィンの確執だったことは間違いなかろう。ゲイツが優れたコンポーザーであることは間違いないが、グリフィン/ロイヤーの曲が劣っているとは全く思えない。なのにエレクトラレコードの偏愛の賜物か、シングルカットされるのはゲイツの曲ばかり。これでは確執が生じるのは当然と思うな。
ブレッドは1976年に再結成され「Lost Without Your Love(愛のかけら)」を発表するも、それが最後のオリジナルアルバムになった。グリフィン、ボッツ、ネクテルと3人のメンバーが他界してしまい、彼等の新たなサウンドを聴くことはもうできないけれど、甘ったるいソフトロックという枠だけに収まらない愛すべきバンドだった。
(かみ)
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