朝8時40分に起床。
束の間の晴天みたいなので洗濯機を回す。
来週末の尾道旅行に向けてモンベルの登山リュックを洗うことにする。
上京してすぐに叔父がくれたものである。当時背負っていたノースフェイスのリュックはかさばって電車で邪魔になるからと小ぶりなものをあてがってくれた。
風呂場でジャブジャブと洗う。室外機の上で干物のように乾かす。
のんびりしていると約束の時間が迫っていたので、そそくさと家を出る。
向かうは早稲田のゴトーという喫茶店である。3b出口を出てすぐの建物二階にある。
もちろん朝ごはんなど食べていないので腹ペコ。ボリューミーなパウンドケーキとブレンドコーヒーをオーダー(合計1010円)。
部屋の真ん中にある大きな丸テーブルはできたてのケーキが冷ましてある。
オーナーがドン、とタルトタタンを置く。ものすごい量の湯気が天井に上る。
どうやらここは早稲田の学生や教授御用達の喫茶店らしい。
広々としたテーブルでゆったりと話題が転がっていく。初めて会う人ばかりだったのでなかなか核心に迫るお話しができず。
次の予定があったので一時間たらずで店を出る。
急がねばならなかったが、高田馬場駅まで歩く。上京してすぐの二年間お世話になった町だ。
足早にワシワシと歩いていると、小さな書店のウィンドーに『秋刀魚』が。
日本文化を紹介している台湾の雑誌である。ずっと気になっていたが、実際に手を取る機会がなかったので日延べになっていた。
中国語なんて読めないけれど、ついつい店主の方とお話ししているうちに一冊購入。
言語がわからなくても分かるかなと直感的に手に取った昨年の夏号を選んだけれど、HPで内容を確認すると女性を取り巻くさまざまな問題にかんする特集であったようだ。
目を惹くデザインながら、骨太である。すこしずつ読み進めようと思うので、
その模様はブログでも上げていきたい。
店主の方から台湾文学について色々と教えてもらう。呉明益の『自転車泥棒』をお薦めしてもらう。
アカン遅刻遅刻、と急ぎながらも、やはり古本屋が目に入る。
二冊、出版関係の書籍を買う。一冊100円。
いよいよ間に合わなさそうなので、山手線に駆け込む。
汗だくで駒場東大前駅に到着。
お目当ては日本近代文学館の企画展「教科書のなかの文学/教室のそとの文学Ⅳ──夏目漱石「こころ」とその時代」。
しかし、どうにも汗が引かないので、併設カフェのBUNDANでアイスコーヒー片手に涼むことにする。
テラス席で歓談をしながら、ギリシャに旅行に行っていた友人の土産話を聞く。
白いパラソルを仰ぎながら、気分はさながらクレタ島である。
さて、本日のメインである企画展に。
正直「こころ」のことはよく覚えていなかったが、
相変わらず関連資料がおもしろい。
たとえば『早稲田文学』に掲載されていた流行言葉の欄であったり、
漱石から和辻哲郎への手紙。
主人公の歩いた道のり(神田・小川町・神保町のルート)は案外起伏があり、心情の揺動と呼応しているとの指摘が書いてあった。
今度この友人と会うのは神保町との約束になったので、真似して歩いてみようかしら。
夜はかるく温玉うどんと茄子の煮浸し。
ケネス・ブラナー監督の『ベルファスト』を観る。日常と紛争が同居するヒンヤリとしたおそろしさとそこでも生き続ける人間の泥臭さが同居する名作であった。
よく動き回った一日なので、明日は仕事でもしながら静かに過ごすことにする。