ピーパン(木の実による絵写真)

木の実を使って描いた絵およびその写真です。

(作品177) 離山方面からの浅間山

2012年06月20日 | 木の実


 作品は離山方面からの落葉松を前景にした浅間山です。離山は、浅間山噴火の3つの寄生山(他に小浅間、石尊山)の一つで、左に剣が峰、右に小浅間を従えた浅間山の全景を眺めることができます。作品では右に小さく小浅間が見えています。

 前作品で小諸に帰った話をしましたが、帰りの三日目は、中軽井沢→万山望→浅間牧場→鬼押し出し→六里ヶ原に寄り、日本ロマンチック街道を通って沼田に出て関越自動車道で千葉に戻りました。万山望では万の山を見ることができませんでした。周りの樹木が大きくなりすぎて景観を損ねていました。しかし、鬼押し出しでは欲しかった更紗空木をなんと660円(安い)で買えました。
 今、紫陽花(あじさい)が盛りです。庭に咲いていたガクアジサイが一輪、仏壇の花瓶に生けられ、すがすがしさを与えて呉れています。そこで、夏に公開し忘れた紫陽花も掲載します。



紫陽花に秋冷いたる信濃かな  杉田久女

(作品176)登山道から眺めた浅間山

2012年06月17日 | 木の実


 黒斑山山頂から浅間山(前掛山)に行く登山道として、黒斑山頂→草すべり→湯の平→前掛山があります。作品は、この登山コースの草すべりから湯の平への途中から眺めた浅間山の風景です。色を階層的に重ねた単純な絵ですが、落葉松をアメリカアサガラの実で火山の炎のように描きました。

 5月末に二泊三日で小諸に帰りました。二日目に高峰の車坂峠まで車で行き、車坂峠からトーミの頭→黒斑山を経由して蛇骨岳まで登山しました。作品の草滑りを経由する登山コースとは違いますが、浅間山は雲に隠れることなく全貌を見せてくれました。登山道の日蔭には結構雪が残っておりましたが無事車坂峠まで戻れ、菱野温泉でゆっくりとお湯に漬かって帰りました。
 なお、一日目は軽井沢植物園で楽しみました。ヤマツツジ、ミツバツツジが満開で、しかも、新発見がありました。新発見1は、ツクバネソウ(写真1参照)が咲いていたこと、新発見2はウラジロノキの存在を発見したこと、新発見3は、白いハナズオウ(シロハナズオウ)を発見したことです。ツクバネとは羽子板で使用する羽根(衝羽根:ツクバネ)と同じ形状をした植物に着ける冠名で、ツクバネ、ツクバネウツギ、ツクバネガシ等があります。

 ゆっくりと衝かれる羽根音寝正月

 季節外れでした。


(作品175)高峰車坂峠からの遠望

2012年06月16日 | 木の実


 高峰車坂峠からの遠望で、雲海の向こうに八ヶ岳が浮んでいますす。秋の紅葉の季節になると、高峰車坂峠は雲海の下も、雲海のこちら側も落葉松の黄色で覆われます。高峰のi山は黄色一色、浅間登山道入り口周辺も黄色一色、黄色の世界です。

 浮ぶ八ヶ岳は、高一の夏休みに同級生6-7人と小海線の松原湖から登り始め、キャンプで一泊した後、赤岳、天狗岳、横岳を縦走して清里に降りた縦走登山が懐かしい思い出の山です。社会人になってからも同じルートで友人を2回案内しました。ただし、山小屋で泊りました。


 秋覆う雲海の上に八ヶ岳

(作品174)浅間山の遠望(2)

2012年06月13日 | 木の実


 作品は小諸市久保上から眺めた浅間山の遠望です。上の赤と下の赤の間に実際は小諸市の市街風景が広がっていますが省略し、青のシュロの実で置き換えました。

 今、花菖蒲(しょうぶ)が盛りで美しいですが、私は蕾の頃の方が好きです。蕾んだ時の喜びの方が大きく、また固く結んだ姿が好きだからです。

   花菖蒲見頃は紫蕾む時


(作品173)浅間山の遠望

2012年06月10日 | 木の実


 小諸大橋の近傍の高台から眺めた千曲川と浅間山連邦です。小諸大橋の遥か下を千曲川が流れ、遠くに浅間山連邦の全貌が見えています。
 千曲川はモルダウのように佐久の山奥から流れはじめ、次第に水嵩を深めて小諸城、上田城の傍を通り、依田川、神川などの支流を集め、長野に至って松本方面から流れてくる犀川と合流して信濃川の大河となり、新潟の穀倉平野を成して日本海に流れ込みます。千曲川は上田の我家からほんの100m程先を流れており、泳いだり、魚釣りしたり、石集めしたり、思い出は尽きません。
 島崎藤村にとっても千曲川は忘れ得ぬ川で、「小諸なる古城のほとり」と「千曲川旅情の歌」の2つの詩を残しました。藤村は27歳の時、木村熊二が主催する小諸義塾の教師として赴任し、ここで33歳まで勤めます。その間、第4詩集「落梅集」を発表し、「藤村詩集」を刊行します。小諸駅の直ぐ南側に小諸城址の懐古園があり、中に藤村を忍ぶ藤村記念会館があります。この藤村記念会館のかたわらに藤村記念碑が建っており、「小諸なる古城のほとり」の詩が刻まれています。藤村記念碑から見下ろすと遥か下方に千曲川が流れ、その向うにのどかな田園が広がって見えます。
 藤村の詩といえば、「小諸なる古城のほとり」や「椰子の実」、「常盤樹」、「初恋」等ですが、「初恋」は特に懐かしい詩です。というのは、同級生の山浦君が高一のとき興奮して私に「藤村の初恋はいいなあ」といって語りかけてきたことを思い出すからです。彼は誰かに恋をしていたのでしょう。懐かしいので「初恋」の詩の全文を掲載しました。

まだあげ初めし前髪の
林檎のもとに見えしとき
前にさしたる花櫛の
花ある君と思ひけり

やさしく白き手をのべて
林檎をわれにあたへしは
薄紅の秋の実に
人こひ初めしはじめなり

わがこゝろなきためいきの
その髪の毛にかゝるとき
たのしき恋の盃を
君が情に酌みしかな

林檎畑の樹の下に
おのづからなる細道は
誰が踏みそめしかたみぞと
問ひたまふこそこひしけれ