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ひとりごと

ミーハーなさばきちが、観た映画の感想をテキトーにつぶやいてます。
基本的にレビューはネタバレですのであしからず。

日本沈没

2006年08月08日 | 映画「な」行
映画の中で、私の住んでる地域がテレビのニュース速報にどんっと出てきたのでドキッとした。「震度7 ○○市○○区」てな感じで。


でもドキッとしたのはそこだけで、あとはまるで他人事のように観てました。
随分前に、オリジナルの映画はもっと凄惨でリアルだったと、友人から聞いたことがあります。人が亀裂にはさまれて死んだりとか、そういう直接的なシーンが結構あって恐ろしかった、と。
前作未見の私は、「日本沈没」というくらいだから、一体どれだけ生々しくて怖いのかと思ってたけど、実際はあんまり・・・。確かに映像はものすごかったけど、色んなことがありえなさすぎて、完全に気分は他人事。
こういう映画って、大抵は「もし実際に起こったら!」てなことを考えさせられると思うんですが、なぜかそういうのは一切なし。全くの他人事です。

確かに見慣れた風景が無残に破壊されてしまうのを観るのはとてもイヤな気分だ。
しかし、もっとコアな部分、パニくった人間のギリギリの心理描写とかが全然なくて、すごくリアリティに欠ける。それに、たくさんの人が災害に巻き込まれて死んでしまっているはずなのに、そういうシーンが少ないのも一体どういうことなんだろうかと疑問に思った。
極限状態に陥って人間のエゴ丸出し、なんつうシーンのほうが、特撮よりもよっぽどインパクトあると思うんだけど。

結局、パニック映画なのか、特撮映画なのか、ラブストーリーなのか、よくわからないのです。私は特撮メインの映画だと思ってるんだけど。
だって、軸になってる話がなんともぬるいんですもの。つよぽんと柴咲コウの純愛に(あれをラブシーンと呼ぶのはどうかと・・・)、登場人物が優秀な科学者、それに日本を救おうと必死になる政府のおえらいさんたちですよ。こういう映画どっかで観たことありませんか?
宇宙人が攻めてきて、大統領が演説して・・・。あと、エアロスミスが聞こえてくる映画もあったっけなあ。
あと、おそらく映画の山場と思われるシーンで、待ってましたと言わんばかりに主題歌をでーん!!と持ってくるのはやめてほしい。テレビドラマじゃないんだから。しかも、そういうシーンに限って大抵スローモーション。もー勘弁して。なんだか逆にドン引きしてしまうよ。スローモーションの正しい使い方はピーター・ジャクソンに習え。

映像は迫力あったけど、ドラマは緊張感が足りない。内容的には緊張を強いられるはずの話なのに。
だって先の展開が読めてしまうんだもの。そしてその通りに終わったし。まあ夏休みだし、日本映画としてはこの夏一番の話題作なので、おもしろいとかおもしろくないとかそういう問題は置いといて、一度は観ておいてもいいんじゃないかと思われます。映像がすごいのだけは保障します。

しかし、ミッチーのシーンはさすがにちょっと感動した。あれは多分、ミッチーだったから感動したんだと思う。
つよぽんはとっても素朴でス○ップの中でも特に好きなほうなんですが、このテの映画の主人公としてはどうなのか。素朴過ぎて世界トップクラスの潜水艦操縦士には見えまへん。それにしても、つよぽんはあの災害の中どうやって東京から会津に行って、そして帰ってきたのか?新幹線なんか走ってるわけないのに。どう頭をひねってもまっったくわからん。
大地真央はいつも滑舌良すぎなのが逆に気になるし、柴咲コウのキャラクターにもいまいち感情移入できず・・・。
トヨエツと福田麻由子ちゃんは良かったな。
写真でちらっと出てきた、玲子のおじいちゃんはアレは丹波哲郎ですよね?

ナイロビの蜂

2006年07月02日 | 映画「な」行
ナイロビに赴任中の外交官・ジャスティンの妻テッサが、無残な他殺体となって発見される。テッサは熱心な救援活動家で、ある人物に会うためにロキへ赴き、帰ってくる途中での出来事だった。
テッサは何故殺されたのか?盗賊に襲われた?それとも・・・。ある日、テッサのパソコンやデータが警察に押収された。そして、彼女の遺品の中からとある手紙を発見し、ジャスティンはその死に疑問を抱くようになる。

彼らはまるで正反対の夫婦だった。ジャスティンは温厚でガーデニングが趣味。どちらかというと事なかれ主義の一面がある。一方テッサはとても情熱的で、強い正義感、使命感に燃えていた。この二人、愛し合ってはいたけれどお互いの仕事や行動には興味がない様子。必要でないことは何も話さなかった。
ジャスティンはテッサの死後、彼女のことを何もわかっていなかったことに気づく。彼女が親密にしていた医師アーノルドとの関係。我を忘れて取り組んでいた行動が一体何だったのか。ジャスティンはテッサの足跡を辿るうち、国家ぐるみの陰謀に関わっていたことを突き止めるのだが・・・。


まずテッサの行動力に驚かされる。正直そこまでやるか?というほど、すごい。
妊娠中にもかかわらず、大きなお腹を抱えてあちこち外出し、たくさんの人と接する。それこそ、衛生環境が良くないような場所でも。
ジャスティンとの出会いもそうだったように、権力者に対しても全く臆することなく、正面きって自分の考えや批判をズバッと言ってのける。ジャスティンと結婚したのも、ただ単にアフリカに行きたかったからじゃないのかとも思えたくらいだ。周りの迷惑顧みず、ただ自分の信念に忠実であろうとするテッサ。
一体、何が彼女をあそこまで突き動かしていたのだろう?無謀、いや一部独善的とも思えるテッサの行動に、私は全く共感できなかった。確かに製薬会社が行っていたことは決して許されることじゃない。その上、それで利益を得てのうのうとしている人達がいることもまた腹立たしい。
でも相手は大企業、そして国家だ。しかも世界を揺るがしかねない陰謀が背景にある。一個人に何ができるというのか?命の危険を冒してまで、何故そこまで?

テッサは世の中のいろんなことに対して見て見ぬフリが出来ない人だった。何かせずにはいられなかった。一人でも、小さな力でもそこから何かを変えられると心から信じていた。
それ故に陰謀に巻き込まれ、不慮の死を遂げてしまう。
大抵の人は、目をつぶって自分の生活を守ろうとする。優秀な外交官の優しい夫。愛する人がいて、愛されて、そこで落ち着くことは彼女の頭にはなかったのだろうか。だとしたらそれが哀しい。


壮大なラブストーリーかと思ってましたが、実際はかなり重厚なサスペンスでした。サスペンスと夫婦愛が巧い具合に絡んでいたと思います。それに加え、今アフリカが抱える悲惨な現状が淡々と描かれていたことが印象的。「シティ・オブ・ゴッド」は未見ですが、それこそドキュメンタリーに近いような迫力もありました。
人体実験がもし事実だったらさすがにヤバイですが・・・。でも、例え人体実験とまで行かなくても、国が企業と絡んで利益を搾取なんて話は、少なからずあるのかもしれません。
改めて、アフリカってほんとに治安が悪いんですね。盗賊が部族を襲って子供を連れて行くとか、怖すぎる・・・。誘拐してどうするんだろう?その先にあるものを考えると恐ろしくなってくる。
救援部隊はあくまで食料やそれなりの医療行為を施すだけ。彼らの生活そのものを救援してくれるわけではないという現実も突きつけられました。
それでも、昔よりはだいぶ良くなったのかな・・・わからないけど。

レイチェル・ワイズがオスカーを獲ったことが話題になりましたが、レイフ・ファインズも負けず劣らず良かったです。悲しみを押し殺す演技が印象的でした。
もちろん、レイチェル・ワイズも活き活きとした情熱的なテッサに成りきっていて素晴らしかったと思います。

ナルニア国物語  ライオンと魔女

2006年03月14日 | 映画「な」行
ファンタジー映画は大好きなのですが、コレはちょっと子供向きだなあ。
衣装ダンスの奥が異国の地に繋がってたり、動物達が喋ったり、サンタクロースがいたり、平凡な主人公が突如英雄として出迎えられたり、そういう設定自体はすごく楽しい。わくわくする。
でも、やっぱり「LOTR」の二番煎じという感は否めません。最も、「LOTR」の成功があったからこそ映画化されたわけだし、これはもう仕方ないことなのかもしれません
私は原作を読んだことがないのでなんとも言えないのですが、映画としては、別に泣けるシーンがあるわけでもなく、重厚でも感動的でもないし、突っ込みどころも多々あった。ファンタジー映画を観るのに突っ込みは野暮、というのはわかってるんですが、それにしても話が浅いような気がします。
戦闘シーンも、ああいうのはもう見飽きました。正直「またか」という感じでした。


第二次世界大戦中のイギリス。戦火を逃れて疎開してきたペペンシー家の四人兄弟。疎開先の屋敷にある大きな古い衣装ダンスは、100年の冬に閉ざされた「ナルニア」という、不思議の国に繋がっていた・・・。
個人的な感想を言うと、ヒジョーに重要な役回りであるはずの主人公四兄弟が、どーにもこーにも薄いのです。
無邪気な末っ子ルーシーと、ふくれっ面がキュートな難しい年頃の次男エドマンドは良しとする。可愛かったし。合格。
しかし、上二人がなんかさー・・・ごにょごにょ。子役は演技力云々言う前に、まず可愛くなきゃイカンと思うのです。もちろん顔だけじゃなく、雰囲気とか仕草とかも含め。しかし、上二人(名前すら覚えてない)があんまりにも普通すぎるというか・・・ごにょごにょ。逆に、その普通っぽさがいいのかもしんないけど。普通の子が、ヒーローになるという。でもそれにしてもなあ・・・。

逆に脇役の良さが目立ちました。脇役っつうか、動物?やっぱり動物がしゃべるっつうのは夢があっていいね。ビーバー夫婦とかかわいくって、作り物とはわかってはいても本物のようにリアルだし、なんだか楽しくなりました。
ナルニアの王アスランはかっこよかった。百獣の王とはよく言ったもんです。リーアム・ニーソンの声もすごいはまってた。
しかし、いきなり死んじゃって突然生き返ったりとか、その辺りの展開がよく理解できなかったけど、とにかく迫力だけはありました。
あと、悪役の白い魔女はなんか気合入りすぎのような気がする。ナルニアを100年も冬にしてしまったほどの魔女なんだから、氷が解けて力が弱まるのかと思ったけどそうじゃないのね。氷もあっさり解け過ぎ!早く春が来すぎ!と、心の中でいらん突っ込みを入れていました。

原作は7章まであるらしいけど、実際どこまで映画化されるんでしょう?それなりにヒットしてるみたいだし、続編はまず作られるんでしょうけど。
しかし、今年の春休み映画、同じファンタジー冒険モノとして、『ドラえもん のび太の恐竜 2006』のほうがおもしろそう・・・とか思ってしまったのは私だけでしょうか。

ネバーランド

2005年02月02日 | 映画「な」行
サンタさんも妖精も幽霊も、全部作り話ジャンと全く信じていなかった子供時代の私がなぜか唯一、信じていたことは、入道雲が出てるのを見ると、「あの雲の向こうには、きっとラピュタがあるんだ!」

なんてことはどうでもいいんですが、なんとなく「自分はどんな子供だったかなあ・・・」「ラピュタはほんとにおもしろかったよなあ・・・」なんて考えておセンチになってしまった。
子供の頃を思い出してしまう映画です。「ピーターパン」がどんな話だったのか、昔絵本でよく読んだはずなのに、今はよく思い出せない。

この映画に出てくるピーターは、父親を亡くしたショックから抜け出せずにいる。ほんとうは他の子供と同じように純粋なのに、妙に冷めたフリをして心を閉ざしている。おとぎ話を信じるのは子供っぽいと思っている。大人になれば傷つかなくて済むと思って、大人びたフリをする。
とても痛々しくて、いじらしい。
でも「大人になる」ってどういうことなんだろう。
「子供の心を持つ大人」と、「ただ単に子供なだけの大人」では全然違うよね。
バリは前者で、周りには理解されないこともあるけど、きっと子供に必要なのは、こういう人なんじゃないのかな。

想像力や信じる力は、大人子供に関わらず誰でも持っている。
たいていの人は年を取ると共に、「もう子供じゃないんだから」とどこかにしまい込んでいる。
決して失くしてしまうものじゃない。でなければ、世の中に素晴らしい映画や物語はなくなってしまうもの。私たちが小さい頃、胸躍らせた物語は全て、大人が生み出したものだ。

子役の可愛さ、いじらしさについつい目が行ってしまいますが、やはりデップの存在感は「さすが!」という感じで素晴らしいです。なんだか地でやっているよう。きっと家でもこんなお父さんなんでしょう。
すっかり落ち着いて、以前のような暴れん坊っぷりはもう発揮しないのかと思うとちと寂しいですが、彼ももう40歳過ぎたんだもんねー。
次回作も楽しみ!ティム・バートン&フレディ・ハイモア君(ピーター役)と、再び組みますよ!!