かみかみの徒然草

たっぷりの笑いにちょっぴりの涙と怒りをスパイスに、毎日を心豊かに生きよう~

向田邦子に学ぶ手紙の書き方

2005-10-24 23:01:14 | 読書
大学生だった頃、小学校の国語の授業で習った向田邦子さんのことをふと思い出し、大学一年の春休み、合宿を明るく(!?)乗り切るために彼女のエッセイを一冊買って読み始めました。
でも、どうしてあの時、急に向田邦子が頭に浮かんだのか、未だに全くもって謎なのですが・・そんなことはさておき・・・・
彼女のエッセイの文体は極めて簡潔なもののテンポがよく、それでいて、飄々としていて、温かさやユーモアがあります。時折、何かと早合点しやすく、おっちょこちょいな面も包み隠さず、さらけ出すところにとても親しみが持てました。

この時、部活でコーチに来ていた他大学の先輩たちへのメッセージを色紙に書かなければならなかったのですが、彼らは一筋縄ではいかない人たち。ありきたりの言葉では失礼ってもの。コーチ一人ひとりの個性に合わせたお礼の言葉を、いかに限られたスペースで簡潔にしたためるか、非常に頭を悩ませましたが、向田邦子さんに倣って、個々のコーチたちとの関わりの中で、おっちょこちょいな自分のキャラを露呈するエピソードを交えつつ、でも、そんな自分を温かく受け入れてくれた彼らに対し最後はお礼の言葉へ。この方式で書いたら予想外にはかどり、気付いたら5人分、いっきに書き上げていました。
同期の一人に「かみかみの文章、面白くて思わず全員分読んじゃったよー」とほめて貰えました
でも、密かに好きだったとある先輩が、コンパの席で、色紙に目をやりながら、「一人ひとりに合わせて言葉を書いてくれているのはすごく嬉しいよ」と言ってくれたのが一番嬉しかったりして

目上の人に対して色紙で一言書く、ということはともすると、形式化してしまい、下手すれば「嫌々書かされてます感」を露呈しかねないものがあるだけに、色紙を受け取った人から、心がこもっているなどのお褒めの言葉を頂くととても嬉しいです。

どうしても手紙を書かなければいけないのにいい文章が思い浮かばない時は、向田邦子さんの『父の詫び状』を読んで頭を柔らかくするよう心がけています。
『父の詫び状』には、頑固で昔気質な父親に対する向田さんの愛情が素直に出ているからです。
行き詰った時は、まず、相手と過ごした時間を思い出していくと、自然と、相手に対し素直な気持ちで向き合えて、それが、紙の上で文字になっていきます。
この感覚、メールではなかなか出来ない芸当だと思います。
メールはその時の感情がそのまま言葉になり、すぐに伝わるかもしれない。
でも、それはあくまで自分本位で、相手を思いやっていない気がします。
このことを痛感してる今日この頃・・・アイタタタ・・・・

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